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生活の建築知識.1

おはようございます。

洗面所や洗濯機の防水パン、お風呂から排水の嫌な匂いがするという問い合わせを何度も受けたことがあります。
こんな経験したことをある方もいるのではないでしょうか?
今回はその原因と解決策について説明します。

生活をしていて、ふと排水の匂いがしてしまうことがあります。
原因はいくつか考えられますが、おそらく最も多い原因が排水管内部の気圧によるものです。

各水場の排水の先にはトラップという水を溜める部分があります。
ここに溜まる水を封水と言って、排水管の臭気などが上ってこないようにする装置として働きます。
この封水がなくなってしまうことで、臭気が上がってしまうわけですが、長期間排水をしないと蒸発して封水がなくなってしまいます。
それ以外で封水がなくなってしまう原因が排水管内部の気圧です。

ではなぜ気圧変化が起こるかというと、排水をした時、一時的に排水管内部が水で満たされて真空状態に近くなることがあります。
真空状態では気圧が極端に下がります。
これを負圧というのですが、圧力は高い方(正圧)から低い方(負圧)へ引っ張られる性質があり、その時に封水が一緒に引っ張られてしまう、ということです。
その時引っ張られる封水は排水したところではなく、その排水管と繋がっている別の排水管の封水となります。

ポイントとしては、排水管内部が満たされるということと、それぞれの排水管が繋がっていることです。
満たされるということから、大量の排水をするタイミングに起こります。
例えば浴槽のお湯を排水した時や洗濯機の排水をした時です。
またマンションなどの場合、上下階でも排水管が繋がっていますので、場合によっては上階の排水時に引っ張られることもあります。

この状況は一回でも起こると、そこの建物は起こりやすい環境であると言えます。
生活の中で、頻繁に排水管の匂いがしてしまうのは辛いので解決することをおすすめしますが、残念ながら解決策は一つしかありません。
それは真空状態をなくすことです。
そのために排水管内部に空気を常に取り込める通気弁というものを設置することで真空状態を回避出来ます。

設置にあたっては場所や通気量を考慮し、そして水漏れの心配がないようにするためにプロにお任せしましょう。
工務店や衛生設備業者、もしくは管理組合などに事情を説明して設置をご検討ください。

確実にこれが原因というわけでもありませんが、生活の仕方を変えて解決出来るものでもありませんので、お悩みの方は一度相談されることをおすすめします。
また、新築をご検討の方は最初から設置をすることで、そもそも問題が起きないようにすることをご検討ください。

より良い生活のためにご参考になれば幸いです。では、また。

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