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第十七章 スペインのアナキストへの公開書簡

原文:http://www.spunk.org/texts/writers/makhno/sp001781/chap17.html
初出:Probuzdeniye(覚醒)、第23~27号、1932年6月~10月、77~78ページ

同志カルボとペスターニャへ

友人達と同志達に、そして彼等を通じて全てのスペイン労働者に、私の激励を伝えて下さい。既に開始されている革命的プロセスの中でスペイン労働者がその決意を揺るがさないように、また、リバータリアンの方針に沿って起草された実践的構想を中心とする団結を急ぐように、と。どんな犠牲を払ってでも、大衆の革命的行動のペースを緩めてはなりません。むしろ、私達は大急ぎで大衆を手助けし、愚にもつかない布告で革命を妨害・攪乱している共和国政府代行者に対し、(他に方法がなければ、他の手段がなければ、力ずくで)そのような有害な活動を止めさせねばなりません。

スペインの勤労者--労働者・農民・勤労インテリゲンチャ--は団結し、土地・工場・完全自由の奪取にブルジョア階級が反対できなくなる状況を作り出すべく、最大限の革命的エネルギーを発揮しなければなりません。そうすれば、事態はさらに拡大し、元に戻せなくなるでしょう。

極めて重要なのですが、スペインの勤労者にこのことを把握してもらう努力を惜しんではなりません。そして、理解してもらうのです。無為無策のまま立派な決議文を可決しただけであれば、この正念場を逃し、決議文は無に帰し、知らぬ間に革命の敵の手中で弄ばれるのと同じ情況になる。彼等に主導権を握られ、回復する時間を与え、そして、進行中の革命を鎮圧できるようにさせてしまう。

そのためにはリバータリアン勢力の団結が必要です。特に必要なのが、CNTと連合し、内部でアナキストが根気強く懸命に働く農民大同盟の結成という形での団結です。

労働者がその場で経済的・社会的自主独往を行う機関--自由ソヴィエト--と、革命的社会対策を保護する武装分遣隊を設立する支援も重要です。一旦労働者が正気を取り戻し、自分達を奴隷状態に貶めている全ての鉄鎖を破壊すると、これらの設立が必然的に課せられてきます。このようにして初めて、また、このような広汎な社会的行動方法によって初めて、革命的労働者は、好機を逃さず、革命の進路を逸らそうとする新しい搾取システムの企てを攻撃できるようになります。私の考えでは、FAIとCNTはこの問題を真剣に受け止め、この目的のために、全ての村と町で行動グループ招集できるようにしておかねばならない。同様に、勤労者運動の戦略的・組織的・理論的革命指導部の手綱を握ることも恐れてはならない。言うまでもなく、ここで政治政党一般、特にボルシェヴィキ共産党との団結は避けねばなりません。私が思うに、ボルシェヴィキ共産党に相当するスペインの政党はロシアの指導者達を見事に模倣するでしょう。彼等は、謀略家のレーニンやスターリンの足跡を辿るでしょう。革命の利益を全て独占すると躊躇わず主張する。スペインに自分達の党の権力を確立するためです。この目標の帰結はロシアの恥ずべき実例でお馴染みでしょう。あらゆる自由な革命的傾向、あらゆる独立した勤労者組織を沈黙させる。実際、彼等は、自分達が単独で権力を握り、革命における全ての自由と権利を統制する立場にいると自認している。だから、必ずや同盟諸組織と革命の大義そのものを裏切るのです。

スペイン革命は世界中の労働者の大義である。この事業において、こんな党との共通点など絶対にない。この党は、国全体の独裁という名目で、恥ずかしげもなく労働者を騙し、最悪の専制君主・民衆の自由と権利の敵として登場するために革命的利益全てを奪う。

あなた方は、ロシアの先例からこれとの関わりを避けねばなりません。ボルシェヴィキ共産主義の惨禍がスペインの革命的大地に決して根付かないように!

スペイン全土の労働者・農民・勤労知識人の同盟、万歳!

アナキズムの旗の下で解放的利益をいや増す新世界に向けて邁進するスペイン革命万歳!

友愛の念を込めて。

ネストル゠マフノ
1931年4月29日

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