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バングラディシュの叛乱

原文:https://freedomnews.org.uk/2024/07/22/insurrection-in-bangladesh/
原文掲載日:2024年7月22日
著者:反撃(Contre Attaque)

学生抗議デモへの致死的弾圧が政治的クォータ制と権威主義に対する広範な叛乱を引き起こす。

この3週間、バングラディシュで叛乱運動が勃発し、ロンドンでの対立にも反響している。結集行動は首都ダッカの学生達から始まった。不公平なクォータ制に対して抗議したのである。国家は公的部門の仕事と大学進学の30%を「戦士の子孫」(1971年にパキスタンからの独立戦争で戦った退役軍人の親族)に確保している。彼等は事実上与党支持者の子供達である。クォータ制は何年も前から非難されてきた。2018年に、大規模抗議運動を受けてこの措置は一時中断されたが、裁判の判決によって復活し、これが青年達の怒りを買ったのである。

政権はインターネットを遮断し、夜間外出禁止令を発布し、軍隊を街頭に送り込んだ。数百人の学生が負傷し、115人以上が警察に殺された。警察はガス弾やゴム弾だけでなく実弾も発砲し、非武装の学生を殴打した。ジャーナリストも負傷し、未成年の高校生が射殺された。ビデオには運動のリーダーの一人が警察に向かって腕を振り上げ、銃撃される様子が写っている。彼はその後間もなく死亡した。別のビデオには、警官隊の車両が群衆を押し潰す様子が映っている。さらに悪いことに、シェイク゠ハシナ首相はデモ隊を侮辱し、国家に対する「裏切り者」と呼んだ。

その結果、バングラディシュのデモは叛乱の規模になり、学生の領域を遥かに超えた。ダッカの住民が抗議行動に参加し、テレビ局と省庁の本部、警察署や兵舎が焼かれた。金曜日には、昨年秋のストライキで逮捕された労働者だけでなく、多くの政権反対派が収監されていた刑務所を12000人の暴徒が襲撃した。826人の受刑者が脱獄に成功したと言われている。

バングラディシュ最高裁判所は現在、雇用面で退役軍人のクォータを5%に削減し、93%を実力に応じて割り当て、残りの2%は少数民族・トランスジェンダー・障がい者に割り当てるよう命じている。学生抗議者達は政府に48時間の期限を与え、拘束された抗議行動リーダーの釈放・夜間外出禁止令の解除・水曜日から閉鎖されている大学の再開を要求している。

学生運動はバングラディシュで長年くすぶっていた怒りを再燃させた。2022年10月、奴隷化された茶園労働者15万人のゼネストが勝利を収め、2023年には物価上昇に反対する大規模運動が続いた。このうねりは、ますます権威主義的になる政権の締め付けに反対する巨大な政治運動に繋がった。今年1月には、八百長と見なされる選挙に対して大規模ボイコットが起こり、結果として選挙には有権者の僅か26%しか参加しなかった。幾つかの中規模の町では一人も投票者がいなかった。

バングラディシュは繊維産業の劣悪な情況で世界的に有名だ。2013年、ダッカの工場が倒壊した。この建物には亀裂が入り、退去するよう言われていたが、場長達は労働者(大半が女性)にともかく出勤するよう強要し、非常口の大部分は閉鎖されていたため、1127人が死亡し、生存者は約2500人だった。これは人類史上最大の産業災害の一つだった。それにもかかわらず、この国は、労働者を半奴隷状態にして、西洋に輸出される衣料品を製造し続けているのだ。

バングラディシュのシェイク゠ハシナ首相は4期連続で政権を維持しており、その権威主義と汚職に対する批判がますます高まっている。血なまぐさい弾圧が続く中、新たなレベルに到達しているのだ。

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