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日本の株価上昇はいつまで続くのか?「暴落ドミノ」

「暴落ドミノ・今すぐ資産はこう守れ!」澤上篤人著・明日香出版社2024年3月発行

著者は1947年生まれ、愛知県出身愛知県立大卒後、パナソニックに入社も翌年退職、スイス・キャピタルインターナショナルのアナリスト、ファンドマネージャーを経て、1996年さわかみ投資顧問会社設立、投資ファンド「さわかみファンド」開設。純資産3,900億円、顧客数12万余りを有する長期投資家である。

世界の金融マーケットは1980年代バブル期より、過剰な資金供給を続け、リーマンショックの金融危機以後、世界的な金融緩和政策拡大で世界債務、金融資産ともに膨張し続けてきた。それは実体経済を無視した張りぼて経済である。もう限界に来ている。

投資顧問会社は1980年以後、巨額な年金ファンド資金投入で短期的運用成績を重視し、マネーゲーム化している。その結果、債券安、株価安の暴落市場が目前に迫っている。にも拘らず、政権は新NISA導入で貯蓄から投資へと個人投資家の株式、投信を推奨する。

長期投資家の著者はいう。投資の本質は運用成績を競うのでなく、将来のあるべき経済、社会へ向けて必要な企業、金融資産を育てることにある。現在の投資顧問会社は手数料商売による自己利益のみ追求、投資家を育てる努力をしていない。

日本株式は今が売り時。金融市場混乱期を乗り切り、暴落市場終了後、改めて株購入を図るべきだという。現状は利益確定売りによって現金または金で手元に保存すべき。新NISAには手を出してはならないと主張する。

投資の本質とは何か?本当の投資家とは何を目標とするか?を考えさせる本である。現在の円安為替市場も金利差拡大が原因ではなく、日本経済の成長力の問題である。為替介入は一時的対策でしかない。日本経済の真の問題点の解決策を追求すべきである。

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