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文系のためのGPT「ChatGPT時代の文系AI人材になる」

「ChatGPT時代の文系AI人材になる・AIを操る7つのチカラ」野口竜司著・東洋経済新報社2023年10月発行

著者は1977年生まれ、㈱ELYZA取締役CMO。AI推進、AI人材育成を図っている。

先ごろ、オープンAIの共同創業者・最高経営責任者サム・アルトマンの解任騒ぎが話題となった。結局、元に復帰したようだ。製品化と研究開発、安全性への考え方、利益への経営対立があったと言う。

オープンAIはNPO法人である。研究は開発会社LPが担当する。LPは利益上限付営利会社で、上限を超えた利益はオープンAIへ流れる仕組みである。効果的利他主義と呼ばれる。

本書は、チャットGDP出現によって、AIを言葉で操ることが可能となり、理系知識がなくとも誰でもAIを扱える時代となったと言う。

AIを操るチカラとして、①AI活用マインド、②基本理解力、③仕組み理解力、④事例収集力、⑤企画力、⑥プロント力、⑦マネジメント力の7つの力を挙げる。

ロボットが肉体労働を代行するに対して、AIは知的労働を代行する。とりわけホワイトカラー分野での効率化が進められ、かなりの部分の職種が置き換わる。生き残るためには上記のチカラ、能力を確保する必要があると言う。

すでに生成AIの活用が進んだ業界が出現している。例えば、カナダではEコマースプラットホームの「shopify」がGPTを活用して買い物客に対して、ショッピングアシスタントとして商品を提案する。いわばショップ店員の置き換えである。

金融業界では、米国で「ブルームバーグGPT」が開発され、金融データと一般事務データと組み合わせて、金融業務に対応して金融従事者の置き換えが進む。三井住友FGでは融資判断、経理事務に活用、業務効率化を進めている。

googleは医療相談用のAIチャットボットを試作中である。医療関連の質問に答える能力を持つ。医療文書の要約、患者データの整理もでき、X線画像の分析も可能となる。

専門家サービス企業の米国の「Stork」はAI弁護士が専門的な質問に即座に答え、アドバイスをするAIを開発。弁護士の肩代わりが可能となりつつある。
技術が大きく変わるとき、社会も大きく変わる。AIは人間の能力を超えるときも近い。技術の進歩に社会の仕組みが追い付いていかない時代を迎えつつある。


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