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即効性を欲しがるクライアントニーズをコントロールする方法

請負業務にありがちな「クライアントニーズ」への立ち位置変更。一心に突進したい方向とは異なり、クライアントの気持ちや夢を聞き入れながら、そのニーズを共同で創り上げてゆくことは多々ありますね。

リリース近くなって、あれ?本来こんな感じでよかったんだっけ?という事はありませんか?

イエスマンになる必要はないにしても、予算を提供してくれるクライアントへは最低限の姿勢で応える必要があるのも事実です。ですが目標としている着地姿に向けて共創しながら、上手にクライアントのニーズをコントロールできているでしょうか?

ニーズコントロールのための幾つかの方法をご紹介します。あくまでも、クライアントと直接取引、もしくはプロダクションを跨いでも、クライアントと非常に近い立ち位置にいる方限定です。


①会社を知る:実際の過去3年の売上げ実績と利益を検証する

クライアントの細かな過去の売上げや、実際に手元に残った利益を把握しましょう。この場合決算書を読めるくらいの知識は必要になります。

広告展開・商品(サービス)開発にどれだけの費用と時間を費やして、成功と失敗があったか検証しクライアントと討議しましょう。上手く内製できていれば、外部の技術者は必要とされないわけですから。

失敗例を挙げながら、成功例を伸ばす体裁で話しをすすめることが大切です。クライアントは成功例を意識すればするほど、失敗例を隠す傾向にあるのが通例なので、失敗の陰に成功があったという姿勢で対応しましょう。

「失敗」を分母とし「成功」を分子とすると、分母の失敗の数が多ければ多いほど、その後柔軟な企画を開発することができる事を、消すことができない過去実績を指数として説明し、ここからをスタートとしましょう。


②人間を知る:相手は役員でも社長ではなく、お互い人間であること

ビジネスを営む関係であっても、その前にお互い人間です。
日々の感情や気分によって発言がひっくり返る事もあります。契約に至る際の企画初段階の最終章では、この手の挙動は通用しませんが、口頭レベルで「思想や目標の入れ替えや、昨日までの提言撤回」は付きものとして理解し受け入れる場面もあると思っています。

大切なのは、お互いの癖を見せ合い人間的な付き合いを共にするという事です。独特の個性や言動を洞察しながら受け入れてゆくという姿勢を持つことで、お互いに弱い、または強い箇所を認め合う関係性を築くことができると思っています。


③着地地点を明確化しリスクを負う:推奨だけではなくお互いに責任を負いましょう

前項までの内容を意識した上で、企画プレゼンをする際は、提示予算を最大限まで消化する必要はありません。7〜8割程度で抑えながらも120%の期待を頂けるようなアイデアにまとめ上げるのが進行を加速させます。

企画説明・提示の際に私が心がけているのは、物理的な保証期間を設けることや、企画に対して金銭的な持ち出しで協力をする事です。予算の100%がクライアント持ちであれば、発注者と受注者の関係のみで進んで行く事になりますので、何らかの不具合があった際には当然受注側の責任になります。リスクを回避するという面と、一緒に取り組むという面を併せて、共創するという姿勢を大切にしています。

当然、会社として受けきれない内容でリスクが高い提案依頼の場合は別ですが、事業や取り組みに将来性があり、共感する部分が少しでもあり、協力するに値するという判断がある時だけに限りです。


発しない言葉を読むように努める

自身の事業形態やサービスだけを主導させて益を得る「操作」をすると、クライアントから「反発」に似た感情が生まれてきてしまいがちです。あくまでも、成功・失敗例の過去実績をベースにして、事実と理想を照らし合わせて進行することが大切です。

過去3期の平均粗利の200%が欲しいという依頼であれば、広告宣伝だけではなく、組織内統制やオペレーションリサーチを伴う作業が発生してきます。その際は、通常のブランディング以上の複雑な要素が絡み合う企画になることをご留意頂きたいです。

企画提案前段階で、全てをあからさまに紹介するクライアントは少ないのではないでしょうか。心の内にあるニーズを会話を通して理解し、気持ちを汲んで差し上げることが、企画の成功事例に成り得ると同時に、信頼や信用という実績を積み上げることになるでしょう。


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