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Web拍手でしかしない話5題(ダニエルとテオ)

やりやすかったので書いてみました。だいたい140字以上。

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[01] 2人だけの秘密

「はいこれ、チョコレートですよ」
「え?今日は何でもないですよ?」

テオはきょとんとしてダニエルを見上げる。
「ええ、だからこそです。この新作ビターチョコレート、ぜひとも貴方に食べてほしかった。これは…誰にも言わないでくださいね?」

ウインクをして唇に指を当てた。その笑顔にテオは微笑ましくなりながら食べたのであった。

[02] present

「お誕生日おめでとうございます。テオ」

「あ、ありがとうございます。ここ最近は家族の次に先輩が先に言ってくれますね」

へへ、と照れるようにテオが話すと、ダニエルは紙袋から魔法学校の女学生服を取り出した。

「わっ!?こ、こんなの要らないですってば!お返しします!」

テオは拒否してダニエルに返そうとするとすると。折りたたまれた制服から、何かが落ちて――魔力で浮いていた。それは…もう一つの小さな黒の紙袋だった。

「あ…えっとこれは?」

「お誕生日ですから、それを貴方に。ああ、その女学生の服は俺のなんで、返してもらいますよ」

「え!?先輩、着てたんですか!?……いや着てましたよね。購買のパンを値下げして欲しかったんですし…」

「よく覚えていますね。とにかくそれは貴方にあげますよ」

といってダニエルはさっさと去ってしまった。残されたテオは紙袋の中を覗くとメッセージカードと包装されたプレゼント箱があった。

メッセージカードには、綺麗な文字で記されたダニエルからの誕生日を祝う言葉、プレゼントの中身は――ダニエルと似たカジュアルな服だった。

[03] 盗み見

「今日はどうしよう…先輩の言う通りにしないと怒られるな~」

喫茶店で何かをメモを見ながらため息をつくテオ。しかしそれを後に淡々とこなしていくのをダニエルは知っている。彼はこっそりテオを見ているのだ。

魔法のプロであるため、魔力感知が敏感なテオだが、ダニエルの魔力はイマイチ感知できないようだ。

やがて決まった時間にダニエルは入ってきて、いつもテオを褒めてくれる。――もちろんテオがずっと監視してされていることを知らずに。

[04] スマイル

「先輩、笑ってよ。写真撮るのに勿体ないじゃない」

ベルーチェ、テオ、ダニエルが学校最後の日に写真を撮ることになったのだが、ベルーチェとテオの幼馴染コンビが笑顔を浮かべているにも関わらず、ダニエルは無表情だった。

「写真なんていつでも撮れるじゃありませんか」

の一点張り。それに対してテオは

「例え永い時だとしてもその時代のその日は一瞬ですから、もう無いかもしれませんよ。オレ、先輩の笑顔って男らしくてカッコイイなって思います」

と純粋に思っていることを言ったテオだったが、それがダニエルに刺さったようだ。

「仕方ないですね。じゃあ笑顔で撮影に望みましょう」

学生服を着た彼らの表情は花のようだった。

[05] 夢の中のできごと

それは城内だったろうか。遺跡だったかもしれない。

黄土色のレンガで作られた建物だった。

ダニエルは馬車のような何かが猛スピードで通るのを見たのだが、それがフィーラにはない、自動車だと知ったのはレビステラという異界に来てからの話だった。

その話をテオにしたダニエルは、奇遇ですね、と言い同じ夢を見たことを話した。

お題配布元:http://99.jpn.org/ag/

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