2024/04/20 まとめれば、童貞ばっかり
今日は確か9時に起きた。いやはや、早起きした。昨晩は何時に寝たかも覚えてない。今日のライブでやるネタをまだかけていない。
ああ眠たい。
ネタをとにかく急いで書く。昨晩、布団に横になってから、どうやって漫才を終わらせようかなと考えていたら、これでなんとかなるんじゃないかというのが見えた。起きてからそれをおりゃー、このやろー、と文字にしてみた。うーん、どうだろうなあ。
正直、面白すぎる!げらげら!というものではない自信はある。これは決して手を抜いているということではない。ネタを考える作業は、頭の中をバタフライで泳いでいたら わかめみたいに手にまとわりつく感じで、ふとこれだとなるものなのだ。
瀬戸内海の海は海藻が尋常じゃないから、このイメージが私の中ではしっくりくるんだ。
続いて日記も書かなければいけないから、ネタに行き詰まったら日記も書きながらで過ごしていた気がする。
お昼前に、うんちが出そうだったからトイレに行き、うんちをしたタイミングでピンポンとインターホンが、インターホンとはよく言ったもので、押せばベルが鳴るだけの簡単なものの音が部屋に響き渡る。
とうとう届いた、デジタルサクソフォンであるYDS120だ。早く一度吹いてみたいと思ったが、今は忙しくてそれどころじゃない。いやあ、忙しいったらありゃしない。
17:30から池袋の会場近くでネタ合わせをする。16:30ころに家を出る。お笑いライブは皆さんの余暇の時間に見ていただくものだから、ライブの時間帯は人が街に溢れておりたまらない。いまお笑いに挑戦するタイプの若者って人混みが嫌いなタイプの人が多い気がする。これは実はミクロなミスマッチが発生している気がする。
とりあえず公園で、ちょろちょろと一人でネタを頭に入れていたら変なおじさんに話しかけられた。何をしているのか、仕事があるのかなどなどを聞かれた。こういうタイプのおじさんとは私も会話をしたことがある。こういうタイプのおじさんにしては珍しく、しっかり目の焦点はあっていたし、会話はちゃんと成立していた。なんだか不思議な体験をした気がする。
そんなこんなで、田川くんがやってきて何度か練習をした後に楽屋へ向かう。今日ライブが行われるラスタ池袋は舞台袖の楽屋がとても狭い。その一方で、ビルを出て近くのアパートの一室が楽屋兼喫煙所になっており、自由に使うことができる。これがとても味がある楽屋である。いろいろと面白い要素があるのだが、いずれにせよ退去するときにはかなりのお金を取られるもしくは敷金は1円も帰ってこないだろうなと思わされる部屋だ。
今日は楽屋に入るとトムブラウンさんがタバコを吸っていた。トムブラウンさんとは、昨年か一昨年にカントリーズさんのライブで一度ご一緒したこともあり、私としては面識がある認識だが、向こうはおぼえていらっしゃらないだろうと挨拶をするにとどめた。でも、しゃべろうと思えばいろいろとある。いつもライブでお世話になっている作家のふかまちはじめさんが、トムブラウンさんがなかなか売れずに苦悶していたころにライブに呼び続けていたという伝説があり、それについて詳しく聞きたいという気持ちをずっと持っている。
でもやっぱりトムブラウンさんはテレビで活躍されているすごい芸人さんだから、話しかけることはやめた。
これだけ名前を勝手に書きまくるのもなんだか失礼だというのは承知しているから、いいことも書いておきたい。トムブラウンさんは我々のことはおぼえている訳はないが、楽屋を後にするときに丁寧にごあいさつをされて出ていかれた。やはり礼儀である。私も礼儀を大事にしようと思った。
やれやれと楽屋にいれば、きんぶらさんといち・もく・さんの江口さん、千崎(コンビ名)のお二人がやってきた。わーわーと会話をした。私はやっぱり江口さんが心配なのである。体調もメンタルもやられているんじゃないかというように見える。私は江口さんが健康に、楽しく生活できればなと常々思っている。
ラスタ池袋に入れば、お手伝いを担当してくださるシリアルの高松さん、パラダイムシフトさん、くぼたさんがすでに到着されている。やーやーと場当たり的なことを行って、いよいよ20時にライブが開始である。
パラダイムシフトの高倉さん30名ほどのお客様を呼んでいた。これって本当にすごいことだと思う。マセキ芸能社の若手ライブでは10名も呼ぶことができれば、それはそれはもう人気者の証というかブレイク前夜の兆しである。それが30名である。30名も呼ぶことができるというのは、漫才の面白さは当然だが、普段の生活の中でどれだけお客様と丁寧に心から接することができていなければ成しえないことだ。
やはりこれは仏教の至るところだろうか。高倉さんは浄土宗のお坊さんだ。私が知っているとある芸人さんはとある仏教系の宗教の方で、やはり人を呼ぶ力がある。仏教も見方によればお釈迦様、仏様、ゴータマシッダルータ様を応援する、推し活に近いんじゃあないかと私は思っている。宗教は見方を言えば巨大なファンクラブだ。
高倉さんはお坊さんであり、いわばファンクラブの広報員みたいなものである。普段から、仏教ってこれだけいいんですと広報する力は当然お笑いにも活かされるのだ。
話は少し変わるが、今のお笑い界ではお坊さん芸人はいくらかいらっしゃる。そんな中でイスラム教徒芸人、キリシタン芸人というのは今のところ私の耳には入ってきていない。モルモン教徒のタレントさんはいくらかいるが。
やはり、仏教は私は仏教徒です と思っていなくてもなんとなく実家にはお仏壇があったり、お寺に墓があったりと、仏教が当然のように日本の生活には入り込んでいることから、それを前提として裏切るお笑いがやりやすいのだろうと推測できる。
私としては日本において、信教を大々的に堂々と話し、時には笑いにできる時代が来てほしいと思う。
さあ、ライブが始まった。熱血をテーマとしたライブで、全員が熱血漢として(女性の出演者がいなかったのでこの言葉は真に正しい)頑張りまくるというライブだ。
でも、難しいのは熱血なんて言わなくてもお笑いをやっている人のほとんどが、情熱をもって熱くお笑いに取り組んでいるとも思う。だからわざわざここで熱血を演じるというのも難しい。
それぞれが熱い気持ちで全力で取り組んだ。とても良い会になった。いやあ良い会だった。いかんせん、今時のライブは評価がつきもので、ライブに出ていても心から楽しめることが少ない。いや仕事なんだから楽しむなよという意見もわかるのだが、出ている人が辛いと思っている催し物って変なことになるでしょう。
いまのいわゆるお笑いの人は常に誰かに評価されて、その誰かの評価で人生が変わるみたいな、それを待つみたいな話でしょう。
このライブには誰かの評価は関係なく取り組んでいたからこその、それぞれの良さ(悪さも)出たと思う。こういうことが無ければ、普段の評価される場でのものも良いものにならないんじゃあないかあ。
ということで、ライブが終わり高倉さんが打ち上げ会場を押さえてくださっていたので江口さん以外の全員が参加した。ここもちょっと不安になるんだよなあ。江口さん、元気にしてるかなあ。
打ち上げも非常に楽しかった。千崎の二人はいまどきの漫才協会員にあるまじき、高校生で童貞を卒業したらしい。この飲み会の少なくともおよそ半数がオジサンなのに童貞ということを考えれば、この会のいびつさというか千崎が異常であるということが良くわかるだろう。
きゅーぴぃさんは糖尿をお持ちなので、ハイボールばかりを飲まれていた。でもフライドポテトはたくさん食べていた。
思わずポストしてしまったが、田川くんのメシを食う量が怖かった。どんどん目が小さくなっていき、爆食のじじいに変わっていた。みんなが話に花を咲かせてあまり料理に手を付けていないうちに、寿司を15貫くらい黙々と小皿に盛っては醤油をぶっかけて食っていた。やっぱ怖いよこの人。
昨日が事務所の新年会だったが、今日のこの打ち上げ前にも田川くんは言っていた。昨日はみんなが食べていなかったから、串焼きを一皿全部食べちゃった、とのこと。なんか恐怖である。
リミッターが外れるとすごいことになるタイプの人間だから、今後とも要経過観察である。皆さんももし気が向いたら、彼を食事に誘って欲しい。寿司を15貫食べるから。ゲラゲラゲラ。
24時頃にめいめい解散する。私ときんぶらさんは家が近いので同じ電車で帰る。ひさしぶりに土曜の深夜の山手線に乗ったが、人でごった返していた。こんなことになってんだなあ。
鶯谷で降りて、駅前の日高屋に入る。きゅーぴぃさんから様々なバイトや漫才の苦労話を聞いた。だいぶきゅーぴいさんも眠たそうにしながら延々としゃべった。こういうのも久しぶりである。学生の頃は酒があろうとなかろうと、大学の駐車場で毎日朝までいろんなことを友達と話していた。大人になったら、そんなこともしなくなった。夜は眠いから寝たほうがいい。
でもたまにはこういう夜があってもいい。
午前3時ころに店をでて、とうとう最終の解散だ。きんぶらさんの家は近々見に行きたいと思っている。かなり近い。
3:30ころに帰宅して、風呂に入って眠った。なんだか今日一日、首が痛かったのだが眠ったらさらに悪化した。今も首が痛い。
今日面白と思ったことは「中学高校でイケてなかったからお笑いになるというのはよくわかる。でも世の中には高校で童貞を捨てたのにお笑いになる人もいるんだなあ。多様性である。」
こんなつらい人生。ここに空き缶を置いておきます。