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日本のアート市場は成長の余地しかない。

今日、ART FAIR TOKYO2023に行ってきた。日本最大級の国際アートフェアだ。売上金額は2021年で30.8 億円、2022年は33.6億円*と過去最高売上高を更新しているうようだ。

ロンドンや台湾、マニラなど世界各国からギャラリーが出展しており、絵画だけでなく、古美術や骨董品に至るまで一堂に会していた。
現代美術家の村上隆が率いるカイカイキキギャラリーも出展していた。最高に楽しかった。

私は、今年の年始に、初めてフランス作家のある絵画を買った。以来、現代アートについて興味が沸いてきているのだ。

世界のアート市場の規模は651億ドル(約8兆円)だ。そのうちの8割以上を米国・中国・英国の3国が占めている。また、日本の美術品市場は2200億円ほどで、世界市場に対して約2-3%の規模でしかないらしい。

色々な理由があるが、絵画はだいたい購入者の自宅に飾られるが、日本は家が狭く部屋数も限られる為、絵画を飾るスペースが各国よりそもそも極端に少ない。またアート投資という観点でも、日本は最近やっとNISAやiDeCoが利用促進されるほど、投資への感度はそもそも低い。

また国内市場が小さいゆえ、国内の作家やギャラリーも、最初から欧米向けにプロモーションしていくケースが多いようだ。

しかし私は、日本市場はまだまだ成長余地があるのではと思っている。

絵画は、例えば前澤友作さんなどが何十億で買ってたりと、貴族の遊びのイメージが強くないだろうか。しかし10-20万とかで買えるアートもたくさんある。

あと小難しい歴史や画法などは抜きして、直感的に感情が揺さぶられるアートを買うべきなので、実はそこまでハードルが高いわけではない。

また、日本人は自分の趣味嗜好に合ったものや、好きな推しアイドルや推しキャラクターへの投資熱が非常に強い。この日本人のこだわり気質は、アートと非常に相性が良いはずなのだ。

しかしアートというと、中学高校の美術以来、触れてない人が多いのではないだろうか。
その理由の一端として、アート産業のマーケティングは、展覧会開催や美術鑑賞の雑誌・メディアがメインで非常に旧態依然としているのだ。

これでは新規ユーザーの取り込みは難しい。また、過度な売り込みはその作品のイメージを壊してしまうし、作品の世界観に合った媒体を選ぶという、商材ならではの難しさもある。

今後は、ネットやSNSを通じて作品や作家を直接知ってもらうことに、舵を切り替えていくことが求められるだろう。また、美術的観点だけでなく、アート思考などの教養・ビジネス系や投資性など様々な観点で訴求していく必要がある。

またメタバースのような、独自の世界観を作りユーザーを没入させるテクノロジーとの相性が良いかもしれない。

私が絵画を買って初めて分かったのだが、トップレベルで満足感の高い買い物なのだ。これだけ楽しいなら、もっと身近なものになるポテンシャルを秘めている気がしてるのだ。今後も様々な考察をしてみたい。

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