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長野立てこもり事件で思うこと。

2023年5月25日に長野県中野市で青木政憲容疑者(31)による立てこもり事件が発生した。父親の青木正道氏は中野市議会長で、彼の自宅で、長男である政憲氏が猟銃を手に立て籠った。

近隣にいた女性や駆け付けた警察官らが射殺され、男女4名が亡くなった。稀に見ぬ凄惨な事件で、容疑者の極刑は免れないのではないだろうか。

私は東北の田舎に生まれ育ち、両親が公務員など固い職業についており、私の弟もそのうような仕事をやっている。そして、幼い頃から両親には、県内の国立大学に行って、教師とかそういう仕事に就くことを促されてきた記憶がある。決まったレールの上に乗って生きていくことを期待されていた。

でも、私はそんな人生は地獄だと思った。
一度切りの人生だから、東京で面白い人やすげー人に会いたかったし、カッコいい仕事をしてみたかったからだ。

ましてや、私が生まれた地域は典型的な村社会で、あの家の息子さんが大学落ちたらしいとか、そこの娘さんが結婚もせず家にるらしいとか、そんな下らない噂に囲まれてるのだ。

なんとか東京に逃げ出すきっかけになったのが大学受験だ。第二希望、第三希望の大学でもいいから、とりあえず今の環境を抜け出したかった。そして幸いなことに、私は都内の大学に入学し、無事脱出に成功したのだ。

もちろん両親や祖父母の気持ちは汲み取れる。でも、私の人生の主導権は紛れもなく私にあるのだ。

今回の事件を知って、もし私も地元に残る選択をしていたら、どうなっていただろうか?とふと考えてしまった。容疑者に同情するつもりは一切ない。どんな理由であれ、身勝手極まりない行為であり到底許されるものではない。

でも彼は私と年齢も近く、田舎育ちで、固い親がいて、、、痛いほどその気持ちが分かってしまう。

彼も遠からず、私と似たような境遇だったのだろうと思う。しかも、SNSでは都会のキラキラした生活が広がっていて、鬱屈とした現状に、より嫌気が差していたのではないだろうか。

結局、彼は地元からの脱出を叶えることができなかった。でも、もし彼の親ほど地元で名声があり影響力がある家庭だったら、もし大学に行く選択肢がなかったら、私も脱出はできなかったかもしれない。

こんな凄惨な事件を起こす前に、兎にも角にも、逃げ出すべきだ。明確な夢や目標なんて無くてもいい、親の許可なんてなくていいし、地元の友達にどう思われようと構わないから、自分が行きたい所に向かうべきだ。自分の人生を生きるべきだ。

この度、ご家族を亡くされたご遺族の皆様には、謹んでお悔やみ申し上げます。

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