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読書メモ:#1 FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

自分の思い込みを知らしめされる本。
日々様々な情報に接しているが、情報の本当の意味、背景をきちんと考えて接していないと、発信元の思惑や思想の誘導をされてしまうと気付かされた。
また、一度得た情報でも当たり前だが得た瞬間から古くなっている。古くなった情報は定期的にアップデートを行わないとどんどん情報が古くなり、ときに誤った判断や理解の元になってしまうことを発見する事ができた。

学んだこと

1) 情報元が伝えようとしていることを考える。
事実(データ)に沿って正しく示唆をしているか、事実と違うことを連想させていないか。
2) 一度得た情報のアップデートの必要性。
小学校や中学校で習った世界の状況を、大人になってもそのままの印象で考えている人が多い。例えば世界の貧困について。世界の貧困はどんどん少なくなってきている。飢餓で命を落とす子供や、乳児死亡率もどんどん減ってきている。また、世界の女子教育の受ける割合や予防接種を受ける子供の数はどんどん増えて来ている。(特に)アジアやアフリカはここ数年で国も経済も大きく変化しているため、そういった情報をきちんとアップデートしファクトフルネスな情報を得る必要がある。
3) 提示されている情報(データ)に対して感情や思い込みを捨てファクトベースで考える。
人間の脳は思い込みをしやすい。必要以上にドラマチックに考えたり、ネガティブな情報が入りやすく記憶に残りやすい。そういった思い込みを捨て、ファクトフルネスに基づいて情報を理解し正しく判断することが重要。
 

特に気になった内容(メモ)

脳の10の特徴
1) 分断本能
 世界は分断されていると思われている。
2) ネガティブ本能
 「世界はどんどん悪くなっている」という思い込み
3) 直線本能
 「世界の人口はどんどん増え続けていいる」という思い込み
4) 恐怖本能
 危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み
5) 過大視本能
 「目の前の数字が一番重要だ」という思い込み
6) パターン化本能
 「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み
7) 宿命本能
 「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
8) 単純化本能
 「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
9) 犯人探し本能
 「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み
10) 焦り本能
 「今すぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み 

ファクトフルネスを意識し実践するための10のルール

1) 分断本能 
 分断本能を抑えるには大半の人がどこにいるかを探す。
 ・「平均の比較」に注意。分布を調べてみると、2つのグループには重なりがあり分断などないことが多い。
 ・「極端な数字の比較」に注意。人や国のグループには必ず最上位層と最下位層があるが、多くの場合大半の国や人が中間である、
 ・上からの景色であることを思い出す。高いところから低い位置のことを正確に見ることは難しい。

2) ネガティブ本能

ネガティブなニュースに気づくこと。ネガティブなニュースのほうが圧倒的に耳に入りやすい。いいニュースは知る機会が少ないので実際より悪いイメージを持ちやすい。悪いニュースのほうが広まりやすいことに気づく。
 ・「悪い」と「良くなっている」は両立する。前者は現在の状態、後者は変化の方向性。
 ・「良い出来事」はニュースになりにくい。悪いニュースを見たときは「同じくらい良い出来事があったとしたら、自分の元にとどくだろうか」と考える
 ・ゆっくりとした進歩はニュースになりにくい。長期的に進歩が見られても、短期的に何度か後退するようでれば、その後退の方が人々に気づかれやすい。
 ・美化された過去に気をつける。人は過去を美化したがり、国家は歴史を美化したがる。

3) 直線本能

グラフはまっすぐになるだろうという思い込みに気づくこと。実際には直線のグラフの方が珍しい。
 ・なんでもかんでも直線のグラフを当てはめないようにする。データは様々。直線、S字、台形…様々な形がある。人間の成長のように直線だけではない。

4) 恐怖本能
「恐ろしいものには、自然と目がいってしまう」ことに気づくこと。「恐怖」と「危険」は違うことに気づくこと。人は誰しも「身体的な危害」「拘束」「毒」を恐れている。それがリスクの過大評価につながる。恐怖本能を抑えるには、正しくリスクを計算する。
 ・世界は恐ろしいと思う前に現実をみよう。自身の関心フィルターやメディアのせいで、恐ろしい情報ばかり届いている。
 ・リスク=「危険度」x「頻度」。リスクは恐ろしさとは無関係。
 ・行動する前に落ち着こう。恐怖でパニックになると、物事を正しく見られなくなる。

5) 過大視本能
ただひとつの数字が、とても重要であるかのように勘違いしていることに気づくこと。他の数字と比較したり、割り算をすることによって同じ数字から全く違う意味を見いだせる。
 ・比較しょう。大きな数字はそのままだと大きく見える。ひとつしかない数字は間違いのもと。必ず疑ってかかるべき。他の数字と比較し、割り算をして意味を見つける。
 ・80:20のルールを使おう。項目が並んでいたら、まずは最も大きな項目だけに注目しよう。
 ・割り算をしよう。割合を見ると全く違う結論になる事が多い。特に違う大きさのグループを比較するのであればなおさら重要。「ひとりあたり」に注目しよう。
6) パターン化本能
ひとつの集団のパターンを根拠に物事が説明されていたら、それに気づくこと。パターンは間違いを生みやすい。パターン化本能を抑えるには、分類を疑うといい。
 ・同じ集団の中にある違いを探そう。集団が大きい場合はとくにより小さく、正確な分類に分けた方がよい。
 ・違う集団のあいだの共通項を探そう。ことなる集団の間にはっとする共通点があったら、分類自体が正しいかおうかを改めて問い直そう。
 ・「過半数」に気をつけよう。過半数は半分より多いということでしかない。
 ・強烈なイメージに注意しよう。強烈なイメージは頭に残りやすいので例外かもと疑った方が良い。
 ・自分以外はアホだと決めつけないようにしよう。変だと思う事があったら好奇心を持ち、謙虚になって考えてみよう。

7) 宿命本能
いろいろなものが変わらないように見えるのは、変化がゆっくりと少しづつ起きているからだと気づき意識すること。小さなゆっくりとした変化が積み重なると大きな変化となる。
 ・小さな進歩を追いかけよう。毎年少しずつ変化していれば、10年で大きな変化が生まれる。
 ・知識をアップデートしよう。賞味期限がすぐに切れる知識もある。テクノロジー、国、社会、文化、宗教は刻々と変わり続けている。
 ・おじいさんおばあさんに話を聞こう。価値観が変わっているのかを確認したかったら、おじいさんおばあさんの価値観が自分たちとどれほど違っているのかを確認しよう。

8) 単純化本能
ひとつの視点だけでは世界を理解できないと知ること。様々な角度から見た方が問題や現実を正確に見ることができる。
 ・自分の考え方を検証しよう。自分の考え方が正しいことを示す例ばかり集めてはいけない。意見の合わない人に考えを検証してもらい、自分の弱点を見つけよう。
  ・知ったかぶりはやめよう。その道のプロも、専門分野以外のことは案外知らないもの。
 ・ひとつの問題を深く掘り下げると、その問題が必要以上に重要に思えたり、自分の解がいいものに思えたりする事がある。違う分野の人たちの意見に心を開いて欲しい。
 ・数字は大切だが、数字だけに頼ってはいけない。数字で知ることもあるが、数字だけでは理解できない事がたくさんある。数字が何を教えてくれるかを読み取ろう。
 ・単純なものの見方と単純な答えには警戒しよう。歴史を振り返ると、単純な理想論で残虐な行為を正当化した独裁者の例にはことかかない。複雑化を喜んで受け入れ、違う考え方を組み合わせよう。

9) 犯人探し本能
誰かが見せしめとばかりに責められていたらそれに気づくこと。誰かを責めるとほかの原因に目が向かなくなり、将来同じ間違いを防げなくなる。
 ・犯人ではなく原因を探そう。その状況を生み出した、絡み合った複数の原因やシステムを理解することに力を注ぐべき。
 ・ヒーローではなく、社会を機能させている仕組みに目をむけよう。社会の仕組みを支える人たちの功績をもっと認めよう。

10) 焦り本能
「今すぐ決めなければならない」を感じたら、自分の焦りに気づくこと。今決めなければならないことなど、めったになり。
 ・深呼吸しよう。焦り本能が出ると、他の本能も引き出されて冷静に判断する事ができなくなる。時間をかけて情報をもっと入手する。今やらなければ二度とできないことなんて滅多にないし、答えは二者択一ではない。
 ・データにこだわろう。緊急で重要なことならば、データを見るべき。正確でないデータや、正確であっても重要でないデータには注意しよう。

最後にひとこと

脳は事実よりドラマチックに理解し、多くの誤解をしていることを改めて理解した。
ファクトフルネスは仕事に活かすことはもちろん、普段の生活でも意識する事で物事の考え方や判断が大きく変わると感じた。情報が溢れている世の中だからこそ、事実に基づいた判断をして後悔しないようにしようと思った。





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