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note始めます。

皆さんこんにちは。
パン職人兼パン店の開業支援コンサルを行っております「TAKU」と申します。
パン・パン屋に関する情報発信をするため、noteを始めます。
初回の記事は、自己紹介と、今後このnoteでやりたいと考えていることをお話ししたいと思います。

私が今のパン屋になるまで

1.パン屋を目指した経緯

私が大学生だった2000年前後はとにかく不況の時代で「大卒の3人に1人は就職先がない」と言われていた時代でした。
私は就活をせず、学生時代からのアルバイト先の「駅弁屋さん」でそのまま店舗マネージャーとして仕事をしていました。

そのお店で販売していた、ある年のクリスマスケーキが「某〇〇チャンピオン2連覇の職人がプロデュース」という謳い文句だったのです。

私は「へぇーすごいな」程度の軽い気持ちで、その職人さんがどんな人なのかインターネットで検索してみたところ・・・なんとその人は「パン職人選手権」を2連覇した方だったのです。

え?クリスマスケーキなのにパン職人なの?

パン職人ってすげぇ。

ってかパン屋ってそんな儲かるのか?夢があるなぁ!!

これが、私がパン屋を目指したきっかけです。


2.独学と開業支援を受けて、念願のパン店開業

そして27歳の時、東京から地元大阪に戻り、パン屋の開業を目指してパン作りの勉強を開始します。
私はパン作りに関しては、基本的には「独学」の道を選びます。
理由としては、

・パン屋業界は給与水準が低く、開業資金を貯めるのには効率が悪いと思った。
・パン屋で修業しても、そのお店のパンしか作れないのでは、本当に自分が作りたいパンをお客様に提供できない、と考えた。

この2点が、特に大きかったです。

と同時に店舗マネージャーの仕事をやっていたとはいえ、経営が出来るレベルの知識があるかと言われたら、それはNo。
なので店舗運営のスキルを磨く為、フライチャンズ飲食店の店長職やSV(スーパーバイザー:私の場合主に店長を育成し、複数店の営業管理をする業務)の仕事に従事しながら、製パンスキルは小麦の研究から始めていました。

そんな折、定期的に購読していた雑誌に載っていた「パン屋の開業支援」の記事が目に入ります。

その時点である程度の店舗運営には自信がありました。
「これ受けたら、もしかしたらいけるんじゃないか??」

正直なところ、本当にやっていけるのかどうか、不安もめちゃくちゃ沢山ありました。
いやむしろ、当時の心境としては、逆に開業できない不安のほうが大きかったかもしれません。

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私は、開業支援を受けて、実際に開業までたどり着くことが出来ました。

とにかく、やるしかない。

そこからは、ただただがむしゃらに突っ走る日々でした。


3.開業してからが、本当の勉強の日々

パン屋に限らず、このような言葉はよく耳にしますよね。
私も、心の底からそう思いますし、そう思いました。

技術はともかく、知識はそれなりに勉強してきたつもりでした。
独学で身に付けたことが、実際のパン屋企業の研修内容と一致してた部分も多かったことで、それなりにやっていける気がしてました。

でも、実際は違いました。

やはりプロとして、実際にやってみて未熟な部分を、毎日痛感します。

何より感じたことは、それまで自分が考えていたパンの一般常識や、世間にあふれているパンに関する情報は、実際は本当に正しいことばかりではない、という事を思い知ります。

そしてそれは、今後自分はパン屋として、パン職人として、どういう将来に向かっていけばいいのか、という想いを持ちつつ、日々全身全力でパン屋の営業に取り組むことに繋がります。


2016梨の花マルシェ

そして2015年、自分が本当に作りたいパン、お客様に食べて頂きたいと思えるパン作りを目指し、現在の奈良県大淀町に移住し「BakeryTAKU」を開業します。

地域のイベントにも出来る限り参加させて頂いたり、商工会さんの紹介で地域の特産品を扱うテナントに出店させて頂いたりと、とてもやりがいを感じる店舗運営をすることができ、本当に頑張ってきてよかったと、そう思っていました。


4.一時閉店

T70販売終了

2017年3月に届いた、小麦メーカーさんから頂いた、一通のお知らせです。

これを見た瞬間、私は「終わったな」と思いました。

そう、私は「小麦にこだわり過ぎていた」のです。
詳しいことは後々お話していきたいと思いますが、ハルユタカが希少品種で、以前にも市場から消えたことがあることも、私は開業前から既に知ってはいました。

知っていたのに、パンの品質、食品としての安全性、そして提供価格。
自分のパン作りの理想を追い求め、全てにギリギリのところを攻めていたせいで、経営を継続するためには「パンの品質の大幅低下」か「パンの販売価格の大幅値上げ」しか、選択肢がありませんでした。

そしてその両方とも、私の本意ではありませんでした。
それをやるなら、そもそも移転してこなかった・・・と。


2017年4月をもって「BakeryTAKU」は閉店しました。

私自身、あまりにもショック過ぎて、とりあえず色々考える時間が欲しくなかったので、すぐにサラリーマンとしての仕事を始めました。

開業してからというもの、ほぼ毎日4~5時間睡眠で長時間労働をしていたため、体調だけはすこぶる良くなっていきました。
忙しくて、何年も普通に人との会話をする時間なんてありませんでしたが、一般的な生活になると、会話の機会も当然増えます。

そしてやはりと言いますか「TAKUさんのパンを食べてみたい」と言われます。
本当にありがたいことです。
最初は「自分のパンはもう表現できない」と心のどこかで思っていたので、やんわりとお断りをしていたのですが、本当にありがたいことで、何度もお声をかけて頂くと、次第に断ることのほうが申し訳なく思えてきます。

又、パン屋仲間の方からも「復活を待っています」という熱いエールを頂きました。
パン屋の辛さ、しんどさを分かっている仲間からのエールは、本当に心に染みます。

そして私自身も、一旦リセットしたことで、もう一度自分のやりたいことを冷静に考えることができました。
私は「めるしぃ」時代に、私と同じ開業支援を受けて開業を目指している方向けに、実際の現場を見て参考にして頂きたいと、工房内の見学を受け入れていました。
そのおかげで、たくさんのパン屋仲間ができ、仲間との交流を通じて、ただ商売として上手くいくいかない以上の、「パン屋としての人生の豊かさ」を得ることができました。
もちろん私以外にも、様々な理由でパン屋を辞めてしまった仲間も、見てきました。

そのような私のこれまでの経験を、これからパン屋を開業したいという想いを持った「仲間」の、役に立てることは出来ないだろうか。
いや、むしろ役に立てるようになりたい。

そう考えるようになりました。


5.週末パン屋の営業と開業支援

甘酒食ぱん&バタール

今現在の私は「週末パン屋」として、隔週日曜日に食パンとバタールのみを、基本予約販売という形で「BakeryTAKU」を営業しています。

と同時に、以前よりお知り合いの方で、「パン屋になりたい」という夢をお持ちの方の、開業支援をさせて頂いております。
(あとは一旦サラリーマンになった伝手で、SV時代に培った社内教育訓練やマーケティングの業務にも携わらせて頂いてます)

そして今後は、パンについて詳しく知りたい方やこれからパン屋を目指す方向けに、様々な情報を発信していきたいと思います。

「パンを通じて、人生を豊かにする」をテーマに、少しでも誰かのお役に立てるような活動をしていきたいと、考えています。

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