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オンラインお話会レポ

『つぎはあなたの番です』

スマホの画面に表示された文字を見て、自然と心拍数が高まる。コロナ禍で接触イベントもなくなり、握手会や2shot会といったイベントは次々と休止・延期となった。このオンラインお話会も2shot会の代替として行われるものである。オンラインお話会が2shot会と同等の価値があるのかはわからないが、推しと二人だけで喋るという時間はCD1枚分以上の価値はあるだろう。

画面が切り替わり、画面いっぱいに推しの顔が表示された。

推し「こんにちは!」

推しの声がかわいい!と思いつつ、冷静を装いながら

俺「こ、こんにちは。」

と言い返した。そして頭の中で用意していた、以前推しがパーソナリティを務めるラジオでメールが採用されたことを報告しようとしたその時、推しを写していた画面が途切れだした。そして昔のテレビで見たような砂嵐の画面になり、さらに画質の粗い映像に切り替わる。その画面には、推しではなく仮面を付けた人形が映し出されていた。

私が唖然としていると、その人形の口が動き出し、同時に合成音声であろう低い声が聞こえる。

人形「やあ、ケンジ。ゲームをしよう」

俺「げ、ゲーム?!」

人形「お前はネットでアイドルに対し誹謗中傷に近い批判をSNSで行い続けていた。お前はその”指”でアイドルを攻撃し続け、それにより精神を病んだり引退を決意したアイドルもいた。しかしその際も『〇〇ちゃんには成功してほしかったから正しただけ』と都合のいい言い訳を付け、自分の行いを改めなかった。お前の"指"はもう必要ない」

俺「そんな」

人形「だがチャンスをやろう。これからまた映像がアイドルとのオンラインお話会に切り替わる。お前に与えられた数十秒間、一切変な空気にならずにお話を終えられたら指は無事。しかし一瞬でも会話が途切れたら装置が起動し指は切断、”GAME OVER”だ」

俺「な、難易度が高すぎる・・・」

と言っている内に映像はまた砂嵐になり、そして推しの映像に切り替わった。

推し「ごめんなさーい。電波の調子が悪かったみたいで。最初からお話しましょ」

何も知らない推しに心配させないため、俺はまた冷静を装い会話を切り出した。

俺「あの、いつもラジオにメールを送ってる、『メロンパン食べるタイミング』です。この前はサービスエリアあるあるのメールを読んでいただきありがとうございました!」

推し「そんなメールありましたっけ?」

俺「え・・・」

推し「・・・」

スパッ



今ベロでレポを打ってます。






いつもキレイに使っていただき、ありがとうございます。