WARという野球指標が嫌いな理由
私は日本のプロ野球を観るのが大好きです。しかし、私自身は野球経験が皆無なので、選手達の細かいプレーの技術についてはあまり理解できない状態で観戦しています。そんな私でもプロ野球を楽しめているのは、選手達の成績が全て数字として残るから、というのがあります。
有名どころで言えば、打率や本塁打数、防御率や奪三振数などタイトルに関わる数字は見てて楽しいです。OPS（出塁率と長打率を足した値）やWHIP（1イニングに平均何人の走者を出したか）など、セイバーメトリクス的に重宝される指標も魅力的です。
近年、WARという指標が流行り始め、選手の評価に用いられるようになりました。WARという指標を簡単に説明すると、選手の勝利貢献度を打撃成績や走塁、守備も含めて考慮し、一つの指標として算出されるものです。タイトルにあります通り、私はこの指標が嫌いなのです。
もしこの指標が嫌いでこのnoteにたどり着いた方がいらっしゃれば、ここから書く理由に共感していただけると嬉しいです。WARという指標が好きでこのnoteにたどり着いた方は、私が気付いてないWARの魅力を教えていただけると嬉しいです。
嫌いな理由① 算出方法が複雑すぎる
WARという指標は選手の総合的な能力を評価するので、その算出方法は非常に複雑です。Wikipediaに算出方法が記載されているので、WARの算出方法を知らない方は一度見てみてください。
どうですか？途中で読むのをやめませんでしたか？
私は選手の指標を見る時、その指標がどのように算出されているかわからないとモヤモヤするんです。WARの算出方法は複雑な上、守備位置ごとの補正があり、その補正の値がどのように決まっているかもよくわかりません。
さらに、WARの算出には守備指標であるUZRが用いられています。Wikipediaの情報が今もあっているのかはわかりませんが、人が映像を確認して打球の種類や速度を記録して、それをもとに算出されているのです。私は正直信用していません。球場毎に差がでるという点でも信用できません。
上記の理由から、WARという指標に不信感を抱くようになりました。
嫌いな理由② 選手がたった一つの指標で語られがちになる
WARの魅力は、選手の総合的な成績をたったひとつの指標で示すことができる点です。しかしWARという指標に頼りすぎてしまうと、たった一つの数字で選手を見てしまいがちになる可能性があります。
野球の魅力の一つは、成績を見るだけで選手像が浮かび上がってくる、という点もあると思います。打率は低いけど長打率や出塁率が高いアダム・ダンみたいな選手だったり、ホームランは毎年1本あるかないかだけど盗塁が多く成功率も高い赤星さんみたいな選手など、様々な指標を見るだけで選手の想像を膨らませることができます。すでに引退して映像が見られない選手でも、成績だけ見ればどんな選手かわかったような気持ちになれます。
「この選手はWARが高いから良い！この選手はWARが悪いからダメ！」
みたいに評価していると、役割分担が多い野球というスポーツにおいては選手の個々の魅力を見失いがちになりそうで怖いのです。
嫌いな理由③ 選手の批判に使う人が多い
一番言いたい理由がこれです。近年、WARという指標が広まり、WARを使って選手を評価するファンも増えてきた気がします。それゆえに、WARという指標が低いからという理由で「スタメンから外せ！」や「WARがマイナスなんだから出さない方が勝てる」などと言う輩が増えています。ベストナインが今年も選出されますが、「WARで言ったらこの選手の方が上なのに！記者投票は糞！」という輩もいるでしょう。
プロ野球はスポーツ興行なので、批判があるのは致し方ないことです。しかし、WARという指標は理由①で述べましたように算出方法がかなり複雑です。
選手を批判する際、皆さんちゃんと算出方法を理解した上でWARを使っているのでしょうか？その算出過程をちゃんと見てきたのでしょうか？
私はそれが疑問で、WARという指標で選手を評価するのはおこがましすいと思うのです。理由②で述べたように、選手にはそれぞれ秀でた部分（指標）があるのに、WARの算出過程で埋もれてしまうのも批判に適していないと思います。
以上が、私がWARという指標が嫌いな3つの理由になります。ちなみにこのnoteをこのタイミングで出した理由は、12月15日に発表される新人王にて、もし私が応援している広島の栗林選手が新人王を獲得した際、WARを使って批判されることを想定しているからです。
もし栗林選手が受賞しても、WARでの批判はやめてください。私も牧選手が新人王を受賞した際、批判をしないことを誓います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
いつもキレイに使っていただき、ありがとうございます。