Kodai Konishi

東京学芸大学で教鞭をとる人類学者。変人類学研究所所長。

Kodai Konishi

東京学芸大学で教鞭をとる人類学者。変人類学研究所所長。

最近の記事

変人類学序説④:「変」の言語論的展開

 少し話が込み入ってきた。ではここから、「変」が生み出される「あわいの領域」「境界領域」を理解するために、具体的にその語源を追求してみることにしよう。その方がわかりやすいかもしれない(もっと混乱するかもしれないが)。  手はじめに、日本史における「乱」と「変」の違いなどはどうだろう。ぼくたちは「壬申の乱」「本能寺の変」と習ってきた。決して「壬申の変」「本能寺の乱」とは言わない。テストでは不正解だ。  日本中世史の大家である安田元久氏は、この「乱」と「変」の違いについて、国

    • 変人類学序説③:「変人」の現象学

       結局、「変人」とはなんなのだろう?  どんな特質を持った人間を、ぼくたちは変人と呼ぶのだろうか。  そのような疑問をもとに、この概念をめぐる知的な探求と実践活動が始まったのだが、「変人」をめぐる本質的な理解に向けた解答は、比較的簡単に手に入れることができた。その解答とは、「答えなどない」ということだった。変人というワードは、その都度の文脈や沸き起こる感情、他者との流動的な関係性の断片から生み出される状況依存的な概念であり、そこに埋め込まれた記号たちは、あまりに多様(過剰)

      • 変人類学序説②:「変」をめぐるイマージュ

        ひょんなことから、「変」や「変人」というキーワードをもとに、教育や社会、ひいては世界について考えることになった。 2017年、人類学者として国立の教育大学で教鞭を取ることになってから2年目の冬。「変人」と「教育」を掛け合わせる研究所が立ち上がるのだが、その所長になってくれませんか、という依頼が突然飛び込んできたのである。なんのことやらさっぱりわからない。聞くところによると、以前に吉本興業とのコラボレーションで、小学校の先生方が「お笑い」の話術や発想力などを活かして授業開発を

        • 変人類学序説①:はじめに

           本稿でぼくは、みなさんを「変」をめぐる旅にご案内したいと考えている。いや、より正確にいうのなら、「変」をめぐる旅へご同伴願いたいと考えている。この旅は始まったばかりで、まだ目の前には深く霞がかかっているし、これから旅に出ようとする世界の地図がキレイに描けるようになるためには、まだもう少し時間がかかりそうだからだ。  ただ、この「変」をめぐる旅が、小さな気づきの連鎖を繰り返しながら、最終的には発想の転換や、これまで抱えてきた世界認識の変容や拡張を、少なからず生み出していくので

        変人類学序説④:「変」の言語論的展開

          ディスカッションを豊かにするためのガイドライン

           本ガイドラインは、これまで大学のゼミを運営していくなかで試行錯誤してきた豊かなディスカッションのための創意工夫(基本的ルール作成)をプロトタイプとしてまとめた上で、ウェブでのさまざまな業種の方々のご助言やコメントを募り、それらを統合して作り上げられたものです。学術界・ビジネス界・教育界などで奔走されている方々へのヒントになれば幸いです。  ポイントは8つにまとめられており、最後にディスカッションを行う環境に関するメモが添えられています。 ※ちなみに本ガイドラインは閲覧

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