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しがらみの正体

しがらみは漢字で書くと「柵」になります。「さく」とも読むのでややこしいですが、柵(しがらみ)とは水流をせき止めるために、川の中に杭を打ち並べて、それに木の枝や竹などを横に結びつけたものです。漢字の形そのままですね。

出典:広辞苑無料検索

柵を普段見ない現代人は、しがらみを「まとわりつく邪魔なもの」という意味で使っています。しがらみから開放されたときに、その存在が浮き彫りになります。例えば、卒業式。お別れの悲しみがあるのと同時に、学校という枠組みから解き放たれた爽快感がある。海外旅行で異国の地に着いた時、不安はあるものの「日本から離れた!」という開放感があるように。

まとわりつく邪魔なものは断ち切りたい。リセットしたい。私自身も大学院進学を辞退してフリーターになったり、会社を数回転職したり、起業し廃業しまた起業し・・としがらみを断ってきたことで、今の自分があります。

ただ、過去を振り返ってみたときに、まとわりつく邪魔なものとして断ち切ると、開放感があるのに心に小さな穴が開いた感じが残るのです。虚しさというのか、寂しさというのか、後悔というのか。どれとも表現できない、心の穴なのです。

柵(しがらみ)は、自分を閉じ込めていた柵(さく)かもしれませんが、自分を守ってくれた柵だったかもしれない。まとわりつく邪魔なものではあるのですが、氣付かないところで守ってくれていたかも。

邪魔なものってマイナス面ばかりクローズアップするので、どうしてもネガティブに捉えてしまう。人間関係のしがらみがあると、周りの空氣にのまれて自分らしく振る舞えない、自由に考え動けないという面があり、どうしてもその場を嫌悪してしまいます。

一方では、人間関係のしがらみがあることで、自分の役割がそこに見つかり、外からの圧力やリスクを吸収してくれているかもしれない。いざとなったら助け合える関係になるかもしれない。

あの自由奔放な風天の寅さんですら、しがらみだらけの柴又に自然と足が向くのです。しばらく滞在しますが、徐々にしがらみがイヤになってきてまた旅にでますが、またもやしがらみの価値に氣づいて帰ってくるのです。揺れ動く寅さんとしがらみとなる家族や地元との間にある関係からは、人間らしさを感じないでしょうか。

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