抽象は金なり
「抽象的な話ですいませんが・・・」という前置き言葉が流行るぐらい、抽象が嫌われる昨今。
そんな時代に抽象的な話しかしないぐらいの経営者がいます。その経営者と打ち合わせをすると、話はとにかく長いのですが、聞いているうちに独特の世界観に引き込まれていきます。そして、分かったような、分からないような・・、何か大切なことは残ったけど、じゃあ具体的に何をしたらいいのと「?」が残るのです。
なんとその会社は800人以上の社員がいて、20以上の施設を持ち、行政の仕事に関わっています。顧客の個別具体的な状況に合わせながら、サービス提供をしているのです。
ここで「抽象」について、辞書を使って具体的(抽象的の対義語ですね)に説明してみよう。
「事物または表象からある要素・側面・性質を抜き出して把握すること」
「多くの物や具体的な事柄から、全てに共通する属性を抜き出し、これを一般的な概念として捉えること」
「与えられた対象全体から、特定の性質や微表を分離し、抜き出す精神作用をいう」
この3つの解説に共通しているのが「抜き出す」です。一言でいうなら、「抽象とは具象(実体のあるものや出来事)から抜き出すこと」。抽象的な話がわかりにくいのは「抜き出し」ているからです。
では先の経営者は何を抜き出しているのか。
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