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いーさん裏返り旅行記 vol.1

2022年の10月頃、コロナの縛りを解いて3年ぶりに海外行こう!と思い立つ。いっそのこと一番遠くに、と日本の真裏にあるブラジルがふと降りてきた。

3年前、コロナ禍真っ只中で実施していたオンラインイベントBaka-Zoom の第6弾がブラジルで、ゲストスピーカーとして登壇してくれた日系ブラジル人のチャーニーの話を聞き、ブラジルにやたら惹かれたというのもある。

Baka-Zoom 第6弾「世界のZOOMから」(2020年5月6日)

改めてブラジルを調べてみると日系人の数が200万人と世界一の国らしく、明治41年(1908年)から100年間で26万人の日本人が移住したという。最初にブラジルに渡航した船の名前が笠戸丸。

神戸港から日本人の家族781人を乗せて1ヶ月半かけてサントス港に着く。そんな遠い異国の地に・・村社会の日本人が行くのだからどんだけ魅力的な国なのか。騙されて移住したのか、それとも希望が持てない日本から脱出したかったのか。

早速、Baka-Zoomを一緒に企画してくれた場活弟子の奥ゆうさいに言ってみた。

「ブラジル行きたいねん、絶対呼ばれてるわ」

「出た!泉さんのいつものやつ。はいはい、分かりましたよ」

奥くんはチャーニーに連絡をしてくれ、渡航の段取りをサクサクとしてくれた。「一緒に行かない?」と何人かに声をかけてみると、加藤けいこさんと、シライシヨシオさんが手を上げてくれた。

5年前から始めたカンボジアの国際場活でも奥くんに手取り足取り段取りしてもらったな。カンボジアの小学生をマレーシアやベトナムに連れて行って面白かった。優秀な弟子を持つとええことがある。

奥くんは学生時代に大学の短期留学制度でブラジルに行き、さらに卒業後の世界一周の旅でもブラジルに行っている。彼の人脈を活用させてもらおうと、日系人の人脈、そして浄土宗のお寺と次々と繋いでもらうことができた。これがブラジルに行った後でどのくらいすごい経験と出会いをさせたもらえることになるのか、渡航前は知るよしもなし。

渡航2ヶ月前を切った1月下旬に「泉さん、ワクチン打ってないとアメリカ経由ダメですよ」と白井佳子さんが教えてくれた。なーにーぃ!もう飛行機のチケット買ってるやん。今からワクチンを2回打つか、それともキャンセルして別のルートに変えるか・・さすがアメリカ、もう1年近くアメリカではワクチンはほぼうってないから在庫処分やな。営業がうまいやないか!

結局、キャンセルフィーを20万円払って、カタールのドーハ経由に変えることにした。奥くんたちとは別ルートになるけど、サッカーのワールドカップの地でもあるし、まあええか。その後、海外渡航用のPCR検査が必要となり、2万円を払うことになるが、ただの英語の証明書。コロナ禍に乗じたぼったくり商売は世界中どこにでもある。

3月19日の昼の12時すぎに岡山空港を出発。羽田空港に着いて、すぐさま京急電鉄にのって成田空港に。15時半に成田空港に着き、17時から空港のフリーデスクでオンライン会議をする。周りは外国人がたくさんいて、すでに海外気分。直前に足の骨折でブラジル渡航を泣く泣く断念した加藤けいこさんから画面越しに「いってらっしゃーい!」と笑顔で送りだしてもらった。

飛行機のルートを変えたことで、一つ問題があった。それは荷物が預けられないということ。荷物を預けるには、追加で4万円近く必要だと事前に言われていたので、だったら機内持ち込みの荷物だけでいったら!と数日前から気合を入れてバックパッカーのごとくリュックサックに11泊分の荷物を詰め込んでいた。機内持ち込みは10キロ以内と言われていたので、測ってみると9キロ。これで大丈夫と、自信満々でチェックインカウンターに行くと窓口の人に「預ける荷物はありませんか?」とさらりと聞かれ、さらにはち切れんばかりのリュックの重量は測られず。カタール航空さん、まあまあ、、ええ加減なんやね。。

成田空港でしばらく時間を過ごし、21時55分発のカタール航空(LATAMグループ)ドーハ行きに乗りこんだ。すでに出発が22時5分と遅れていたが、まあ普通のことだろう。ドーハでサンパウロ行きの飛行機の乗り換えに2時間あるから大丈夫。ドーハの悲劇はないはず。

成田を離陸し、寝て起きてはご飯を食べと繰り返しながら12時間たったころ、窓からドーハの夜景が見えてきた。ドーハ時間で朝の4時ぐらい(日本は朝の10時なので6時間の時差)。ものすごく綺麗だった。砂漠の中にある都市は格別。計画都市なのか幾何学模様で浮かび上がる都市に目が釘付けとなった。ドーハに着陸。飛行機を降りた先にバスが待っていて、乗りこんだ。飲んでいた水を持っていこうと、バスの運転手の後ろの台にのせていたら、置き忘れてしまった。後で買うか・・

ドーハの夜景はきれいだった

乗り換えるには一旦、審査を通らないといけないらしく、Passport Controlでパスポートを出したところ、すぐに搭乗のフロアに入れた。早く着いたので時間が3時間あるからハマド国際空港見学でもするか・・

ドーハの空港のでかさと美しさに度肝を抜かれた。なんじゃこりゃ!いきなり体長10メートルはある謎のぬいぐるみが展示されていた。歩いてみるとここかしこに、超でかいオブジェがある。どこかしこもラグジュアリーブランドが立ち並ぶ目抜き通りの様である。広さも22平方キロでドーハ市の3分の1、成田空港の約倍。

搭乗口の案内がまだだったので、フリーデスクで仕事でもしよかそれともどこかカフェにでも入ろか。カフェやなと思って、お店を見ていくと、日本の倍ぐらいの金額。高いやん!、しゃーない、まあ水でも買ってフリーデスクに座ろか。と近くの店のエビアン500mlをみると8ドル。1000円するやん。あかん、我慢しよ。さっき、バスに忘れた水は成田空港で150円で買ったやつやったのに。というか、いつの間に日本円こんなに弱くなった・・

フリーデスクで仕事をしていると世界中の人が混在していた。無料というのもあってか、若者ばかりだった。隣にすわっていたヒジャーブをかぶった女性から「ねぇ、wifiつながらないんだけど、どうしたらいい?」と英語で聞かれて、カタコト英語で教えてあげた。よくみると、若い女性の一人旅がたくさんいた。気づくとカタール空港はすごい人混みになっていた。それにしても誰もマスクつけてないな。

8時発のサンパウロ行きの飛行機に乗り込み、また12時間の機内の旅が始まった。今度はおっさん三人がけで窮屈。さっきは真ん中の席が空いていて気楽だったが、今度は横の二人を超えてトイレに行かないといけない。水はあんまり飲まんとこと最初思ったが、気にせず水を飲んだ。なぜかお酒はあまり飲む気にはなれず。

窓からの景色を見ていると、アフリカ大陸だった。アフリカのど真ん中を横ぎり、さらに大西洋を横切ってブラジルに行く航路だった。アフリカをこの目でじっくり見たのは初めてだったので釘付けになった。これがアフリカか。時々、隣のおっさんの腕が私の胸の前を横切って窓のサンシェードを開けたり閉めたりしてくるのが気になったが、まあ、それもアリっていったらありか。

16時(日本時間、朝の4時)になってそろそろサンパウロに着くな、と思ったとき、「あっ!しまった」。ノイズが苦手なので常に携帯しているノイズキャンセリングのワイヤレスイヤホンの右耳がないやないか。うとうとしているうちに落としたな。椅子の上、毛布の中、足元を探したがない。これは降りるときに残って探すか・・。飛行機が着陸してからのこと、後ろに座っていたターバンを巻いた若い男性が「please」とイヤホンを渡してくれた。Thank you very much! 助かった・・

サンパウロ空港について入国審査もサクッとおわり、空港で奥くん、シライシさん、チャーニーを待とうとカフェに。カフェの店員さんに英語でビールくださいというと、全く通じず。空港なのに英語が通じん!!指差しでなんとか切り抜け、カフェでビール片手にぼーっとすることに。緊張しているのか全然酔えない。

コロナを飲んで一息

そうそう、空港ではwifi繋がるけど、全部ポルトガル語なんで最初躊躇した。適当に承認的なボタンを押したら繋がった。

日本で事前に調べていた海外の通信で「docomoのahamoは日本にいる時と同じようにブラジル国内で使える」とHPに書いてあったので安心していたが、一向につながらないのでイラっときていた。後で、シライシさんが解決してくれたのだけど、iPhoneの設定でモバイル通信のローミングをオンにしているだけではダメで、ネットワーク選択のところを自動ではなく選択にかえて、スマホを再起動すれば繋がった。ブラジルではvivoという通信会社によく繋がった。

しばらくして、奥くんからメッセンジャーに「今日はサンパウロに着きません・・」アメリカで乗り換えた飛行機の機体異常があり、足止め食ってますとのこと。別ルートにして正解だったんやね。なんて自分に納得をさせながら、チャーニーを待つことに。

実はチャーニーが日本の出張から帰国する便が偶然にも同じ時間帯だったので、サンパウロ空港で会えることになっていた。奥くんが来なくても、チャーニーがいるから安心だったのだ。チャーニーにメッセンジャー電話で繋がった時はほっとした。チャーニーが自宅のあるクリチバ行きの飛行機に乗り換える間、サンパウロ空港でハンバーガーを食べながらポルトガル語のレッスンをしてもらった。Muito obrigado!

今日は、近くのホテルに泊まろうとホテルを一緒に調べてくれて予約をし、ホテル専用のバスがあることがわかった。チャーニーと別れて、そのバスに乗り込み、空港近くのホテルに到着。チェックインの列に並んで30分。岡山を出て約45時間、やっとチェクインができ、ベッドに倒れ込んでシャワーもせずにバタンキューがブラジルでの初夜だった。

サンパウロ空港にて

(多分、Vol2に続く)

編注)続いたのでリンクを貼ってます。

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