日記 7/8(木) 嫌な龍

(著)バカ公園・夢

完全に寝坊した。
寝坊した時になぜか感じるあの感覚あるじゃないですか。
あの感覚でガバッと飛び起きた。
感覚だけが先走って、実際は寝坊してなかったって
パターンだと良いなと思ったんだけど、全然そんなことなかった。

急いでシャワーを浴び、髪の毛を乾かして、
猫に餌をやって家を飛び出した。
いつも乗る1限にギリギリ間に合う学バスはもう出てしまっている。
でも、道が空いていれば、さらにその1本あとに乗っても滑り込みで間に合うこともあるので、僕はその可能性にかけてバス停へ急いだ。

バス停への道中に龍を飼っている家がある。
この龍が本当に嫌な龍で、目つきは気色悪いし、ずっと少し濡れている。
いつもの時間であれば、その龍はまだ寝ているけれど、今日はもう起きていた。
寝坊なんてするもんじゃないなと思った。
起きている龍の横を通り過ぎるのは、正直めちゃくちゃ怖い。
はやる気持ちを抑えながら、ゆっくりと龍の横を通り過ぎようとしたとき、
ブワッ と風が僕の全身を吹き抜けた。とっさに目を閉じる。
雨に濡れた草原のような香り。そのあとに纏わりついてくる生臭さ。
龍が僕に息を吹きかけたのだった。

すると、僕の着ていたシャツに描かれた小さな金魚たちが一斉に泳ぎ出し、どこかへ行ってしまった。(※)
お気に入りだったシャツは、無地のシャツになってしまった。
さらに運の悪いことに、この龍のエレメントは風。
僕は生まれつき水のエレメントだから、かなり相性が悪い。
つくづく嫌な龍だな。

(※)
龍がいない地域の方はご存じないかもしれないが、
龍の息には様々な力があって、各種エレメントを対象に付与したり、
命なきものに命を与えることがある。
ちなみに、芸能人がよく目撃している「小さいおじさん」は、龍の息によって命を与えられた人形なのではないか、という説がある。
なんで芸能人って小さいおじさんをよく目撃するんだろうね。



結局、この日大学に行くのは諦めた。
単位はまだ、ギリギリなんとかなるだろう。

家に戻ると、飼猫が僕を無視する。
彼のエレメントも僕と同じ水。
僕が風のエレメントを纏っているから、近寄りたくないみたいだ。



「がんばれゴエモン~でろでろ道中おばけてんこ盛り」(※)
をプレイしていたらいつの間にか夜になっていたので、
纏ってしまった風のエレメントを浄化するために月の光を浴びようと思って外に出たけど、あいにくの曇り空で月は出ていなかった。
仕方がないから、明日朝イチで薬局に行って月光水を買うしかないか。
正直、本物の月の光じゃないと、効果はあまり期待できないんだけど。

とにかく運が悪い日だった。
明日の朝はちゃんと起きよう。

(※)
「がんばれゴエモン~でろでろ道中おばけてんこ盛り」
1998年12月23日にコナミより発売されたアクションゲーム。NINTENDO64版「がんばれゴエモン」シリーズの2作目。
物知り爺さんに呼ばれ、忍者屋敷に遊びに行ったゴエモンとエビス丸が見たものは、死者を生き返らせる力を持つ究極の機械「召喚マシン」だった。実験しようと爺さんがレバーを引いた瞬間、かつて未来の大江戸で戦った悪人シスタービスマルが突如姿を現し、マシンを奪って逃げ去ってしまう。ビスマルはそのマシンを使って魔界のプリンスを召喚し、この世を2人の愛の世界に変えるつもりだという。ゴエモンとエビス丸は、ビスマルの企みを阻止すべく後を追うのであった。
Wikipediaより引用

エビス丸固有のスキル、美声のメガホンによって「ホニー」を実体化して足場を作ったりできるのがすごい好き。
がんばれゴエモンシリーズって、独特のユーモアがあるね。


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