見出し画像

みちくさカフェ第5回 レポート(夏休み最終回)

今日は、みちくさカフェ第5回「流れゆく日常とオフ会」開催しました。
店長の夏休みが終わって、そろそろオランダに帰ってしまうこともあり今回は夏休みシリーズ最終回でした。

本日のみちくさ

最初は強風で、芝生を敷くにも一苦労でしたが、ここでは初参加の係長が大活躍してくれました。素早くガムテープを貼って対処。やっぱりスタッフは適材適所だなぁと実感。

今回も特に特別な仕掛けはなく、常連さんが日に日に増えているのを実感しながら子供たちが遊んでいる景色を眺めていました。
人工芝を巻くための紙の筒と縄跳びで新しいチャンバラを発明していたり、資材運び用のトロリーに乗ってジェットコースターがわりにしていたりなど、こういう遊び方ができるのかと子供たちの創造性に感銘を受けてしまいました。勝手にいろんなものを使って遊んでいる子供たちは、我が物顔で広場を駆け回っていて、「そうそう、これでいいんだー!」と小さい頃に馬事公苑の森を駆け回っていた店長はしみじみ。

「ジュースくださーい!」と飲み物の注文も殺到して、50個用意していた紙コップのほとんどが最後には無くなってしまいました。
この場所に来ればゆっくり遊べて、飲み物が飲めるという共通認識ができてきたのかなと感じました。今回は、常連の小学生の女の子が友達を連れてきたり、お母さんがママ友を誘ってくれたりと気がついたら宣伝されていたようでした。

今日は、区の担当課の方も視察に来てくださいました。最初は少しバックを手伝ってくれている感じでしたが、気がついたら知恵の輪で遊んでいたり、子供とけん玉していたりとすっかり場に馴染んで、なんだか係長が一番楽しんでいるのを見てほっこりしてしまいました。

店長も、今日が最終回か〜と感慨深く、今日は気負わずに縄跳びしたり、芝生でゴロゴロしたりしておりました。だんだん運営側と使う側の境界があいまいになってきたことも嬉しいポイントでした。

後半は、ちょっとオフ会のような感じでした。
少し差し入れもいただいて、それを聞きつけてきた人たちがパンやピザをつまみながらおしゃべりしていました。
なんだか、本当にピクニックしているような感じで、こんなにゆるゆるとけやき広場で時間を過ごせるのか〜と新しい発見をしました。
やっぱり、そよ風がけやきの葉っぱを揺らしながら通り抜ける空間で一緒に過ごしているとだんだん社会の肩書きの境界が溶けてきて、みんなが肩肘張らずに垣根を超えて笑い合える空間になっていきました。

安心感を担保する

今日もベンチに一人で座っている方に声をかけてお話ししたりしましたが、みんな「この広場は風が通って気持ちいいよね〜」と言っていて、やっぱりこの広場の空間と心地よさは地域の人に愛されているんだなと改めて感じました。
「馬事公苑、どうなってるのかしらね」と、昔の緑豊かで近所の桜の名所だった馬事公苑を惜しむ声も聞かれました。こうやって話しかけていったら、意外と現況のまちづくりに対する率直な意見が出て来るかもしれないとみちくさカフェのまちづくりへの市民参加のポテンシャルも感じました。

この「みちくさカフェ」は正直言ってシンプルな仕掛けですが、この場があることで、周辺を歩いている人の滞留が増えていると感じました。
青空児童館のような公共的な空間が展開されていることで周囲にも広場を使うことの安心感が生まれ、それが心地よさにつながっている気がします。
芝生が敷いてある場所だけでなく、子供たちの笑い声が聞こえる範囲や、みちくさカフェの風景が見える範囲までを影響圏として、みちくさカフェの効果が波及していっていました。
また、芝生にいなくても、みちくさから遊び道具を借りて遊んでいる子たちも広場の人たちに「ここの場所は安心して使っていいんだよ」というメッセージを伝えてくれていました。

ある意味、広場の人同士の交流の安心感を担保しているのがこのみちくさカフェなのかなと。人と人との垣根を溶かす媒体、サードプレイスに少しずつ近づいていることがとても嬉しかったです。

おわりに

帰省した近所の大学生が、行政とNPOを巻き込んで本気で遊んでみた夏休み企画、みちくさカフェ。
たくさんの人がみちくさを食ってくれました。

小さい頃「どこでみちくさ食ってたの!」と親に怒られた経験がある人も多いと思います。

でも、みんなもっと「みちくさ」食った方がいいのではないでしょうか。

この社会には、ほっと一息ついて、少しの間でも自分の肩書きを棚に上げて童心に帰れるようなスキマや余白がもっと必要だと思っています。

一見意味がなさそうな「みちくさ」ですが、こういう一見無駄なことが私たちの人生を豊かなものにしてくれると私は信じてやみません。

5回やってみて、店長の率直な感想は、超大変でしたが、めちゃくちゃ面白かったです!

何より、こんな大学生の遊びに「いいねー!」と共感して本気で付き合ってくださった近所のNPOのお母さんたちや、行政の皆様には感謝でいっぱいです。20年間のNPOの軌跡があってこそ、みちくさは実現できました。そして、その流れに乗ってまた新しいレイヤーで近所を耕せたことをとても嬉しく思います。

みちくさカフェ、これからは常設に向けて9月中旬から再び走り出す予定です。これからも、けやき広場で眩しい景色が見続けられますように。
一代目店長はオランダから密かに、これから自走していくみちくさのことを応援しています。

関わってくれた皆様、遊びに来てくれたみなさん、本当にありがとうございました!お元気で!


みちくさカフェ 一代目店長
大学2年生 伊東真菜美より。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?