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お花を買って愛でた話。
最近,昼夜も逆転して,もうなんだか分からない.
そんなときに日暮里駅のお花屋さんに寄って,ガーベラを1輪買った.
今日はお花を買って愛でた話.
お花ください。
店内は暖かみのある照明で包まれ,お店もいい感じ.外からでもすぐに分かる良さげな感じ.ぼくは店内に入った.入店してお店の人に「時間軸を感じられるような花をください」と一言.
我ながら迷惑な客.
お店の人もキョトンとされてるのでもう少しちゃんと言った.
「花が枯れていくところがみたくて。最近、時間感覚なくなってきたので」
思い返して文字に起こすとだいぶヤバめなお客だと分かる.
でも神妙な面持ちで言ってはないからセーフだと思う.セーフにして欲しい.さわやかに言ったつもりだから.
お店の人はこちらの意図を汲んでくれてガーベラを笑顔でおすすめしてくれた.本当に花が好きなんだろうなと思って僕もふんわり調子が上がった.
「ガーベラを花瓶にさすとき、お水は少なめでいいですよ。1日か2日かしたら水に触れていた茎の部分が腐ってくるのでハサミで切ってしまって下さい」
「え、じゃあ日に日に茎が短くなっていくんですか!?」
「そうですね!」
ぼくはめっちゃ興奮した.
最初は枯れていくだけの花をみて時間をたしなもうと思っていたのが茎の短さでもたしなむことができるようになった.最高じゃんと思った.白色のガーベラを1輪手にして電車に乗って帰った.ちょっと恥ずかしいような気分で 笑
ガーベラさんいらっしゃいませ
そうしてガーベラさんとの暮らしが始まる.
ぼくはガーベラさんを実母のように思いたかったので『ガあさん』と呼ぶことにした.語呂もいいし,風格もある.
「ガあさん、おはよ」するとガあさんは暖房のゆるい風に揺られて「おはよ」と答える.
毎朝,水を変えて,茎の腐った部分を切り落としていたらしっかり体感として時間が分かってくるようになった.よかった.
でも,ガあさんは腐って散る.
だから今度は赤いボディの『ガあさん2号』をまた買った.
「よろしくな、ガあさん2号!」まあ,そんな日々です.
のらりくるりと芸術大学中退. 1998年製. 空気を画素におとしこもうと風景をパシャり.二次元(平面)と三次元(立体)の次元間の往来を主題に作品を制作しています.また言語バイアスによる対象からの各個人の情緒レンダリングを試行しております.