アウトカーストのススメ


カースト上位グループだって辛いもんは辛い|吉玉サキ|note(ノート)https://note.mu/yoshidama2013/n/n40b2cd5d1d1f

この記事を読んで昔のことを思い出した。

スクールカーストなる言葉が出始めた時、内容は理解出来たのだけど一つだけ理解出来なかったことがある。それは、自分がカーストのどこに所属していたのか、ということだ。どう考えても分からず、そもそも、私はどこかのグループに所属したことがほとんどないぞ、と思い出したところで、ああ、と納得した。

私はカーストからこぼれ落ちていたのである。

え?スクールカーストから外れるって?どゆこと?
と思われる方もいるかもしれない。

私も、小学校一年の一学期の時には通学班のグループに一応所属していた。そのグループがクラスや学年でどのカーストに居たかは分からないが、私ともう一人のAちゃんがそのグループの最下層に居たことは間違いない。A子ちゃんはアトピーでいつも長袖を着ていた。グループのボスな子は気紛れで私をハブったりA子ちゃんの長袖をからかってハブったりしていた。
そんな時、どういう経緯だか忘れてしまったが、私はA子ちゃんと意気投合し、A子ちゃんの家に遊びに行った。何故かA子ちゃんの家に遊びに行ったことはそれまでなかった。他の子の家には何度も遊びに行ったことがあるのに、である。そこでなかなかに楽しく過ごして家に帰ったのだがそれから数日中にA子ちゃんは転校していってしまった。どうも後で聞いたことによると家庭内で色々あり、それに耐えかねたのが原因とのことだった。
私はあら、仲良くなったのに残念だわ、と思ったのと同時に、グループの最下層が私一人になったことを自覚せずにはいられなかった。つまり、私だけがハブりの対象となる、ということである。まぁ、嫌だけどハブってくるならしょうがないか、とのんきに考えていた。私は本を読むのが好きなので一人で本を読んでりゃいいや、と。グループにいると本を読みたいときに読めないことも多かったから好きに本を読もう、と思っていた。つまり、半ば意図的にグループから出たのである。そして、この選択はスクールカーストから外れるという結果になったのである。

そんな感じで華麗な一匹狼ライフが開始した。お前は汚いから机拭くな、とか普通に言われたし、田舎なので田んぼや溝に突き落とす、というのもあった。この突き落としについては高学年のお姉さんが犯人をシメて下さったので無くなったけど。
こんな風に書くと登校拒否とか起こしたり暗い小学生だったのか、と思われるやもしれないが、然程ではなかった。吉玉さんのようにカーストというかグループ内から一時的にハブられた子と彼女達がグループに戻るまでの間だけ仲良くする、とか、その日偶々遊び相手の居ない子と遊ぶとかしていたからである。

私は“私は私だ。グループ?そんなの知らね”というスタンスを貫いていた。意図的にグループから離れることでカーストからこぼれ落ち、しかもそこに自分の居場所を作ろうとしない私は、カーストの勢力図に何の影響を及ぼすことのない緩衝地帯としての機能を担ったのである。私自身それは心得てるところがあり、遊んだし、少し仲良くなったかな、と思っても最終的には所属グループに戻ったりしていく子達にうんざりしたり不信感を持ったりしたが、まぁ、そんなもんでしょ、で済んでいったのである。そんな訳で皆勤賞は取らないが、そこそこ元気にのびのびと生きていたのであった。

ここまでならめでたしめでたしなのだが、アウトカーストな私という存在を許せなかった人々がいる。それは担任教諭という人種である。少なくとも小学生時代に私が遭遇した彼らは、生徒は同一の価値観により統一されねばならないと考える人達だった。そんななか、カーストから離れ、自分は自分と考えて行動する私は彼らにしては許せる存在ではなかったのである。
ということで、私はさんざん教師から目をつけられた。皆が外に遊びに行ってるのに部屋で本を読んでいるのがよろしくない、とか。ひどい教師になるとこいつと付き合うな、と私と話す子達に言ったりした。お陰さまで、私はハブってきた人間には何も思わないが、教師という存在は最早滅びれば良い、くらいに思っていたりする。

さて。吉玉さんの記事で昔のこんな事を思い出したのだが、ふと、これ、会社でもそうなのかい?と思った。我が支店、上司の殆どが60オーバーで女性は私とお局様と現場事務所のCAD担当の3人のみ。私とお局様はシャレにならぬほど合わないのだけど、お局様ともう一人は仲が良い。お局様は付き合いの長い従業員を猫可愛がりするためか、彼らとCAD担当以外の従業員は何も見ないふりを決め込んで私に連絡しない、とか、私が担当なのにお局様に回すとかはしない。でも、猫可愛がりされる従業員はそれをやるので、担当者としては普通な対応する従業員はありがたい。飲み会などでも適当な話で楽しめたりもする。
で。お偉いさん達はそんな私が気に入らないらしくて、私が空気読まないとか何とかいちゃもんをつけてくるという。

なんなんだ、この構造の一致は(笑)
もしかしたら年代の一致なんだろうか?確か、あの頃教師していた人達は皆60オーバーだろうから。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?