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診断と治療


診断がないと、治療できない

発達障害者支援法が成立したのは、2017年のことでした。

この前後から高機能発達障害が「世間」に認められるようになりました。
おかげで、診断を出せる医師が飛躍的に増えて、治療へのハードルが下がりました。
とてもいいことだと思います。

自分が生きづらいと思っている人は、ぜひ一度、精神科・心療内科
・メンタルクリニックを受診してください。

たとえ診断が出なくても、失うものは3000円ほどの診察代だけですし、診断が出れば治療をはじめることができるからです。
「性格を変える」とか「根性を叩きなおす」とか「もっとマジメに取組む」とかじゃなくて、「治療」に入ることは、ひじょうに大きい変化です。

治療のためには、診断が必要。
診断のためには、受診が必要。
受診のためには、あなたが病院のドアを開ける必要があります

昭和には、発達障害という診断は、刑罰に近かった

歴史を見ます。
発達障害という言葉は、1960年代アメリカで公に定義されました。ケネディ大統領の教書(ドクトリン)です。これは、精神障害・知的障害を含む広範な概念です。
日本では精神障害者関連の法律が明治時代からいくつか作られてきましたが、基本的には障害者をどのようにして一般社会から隔離するかという目的で作られていました。
法律だけでなく、世間一般も、知恵遅れの子や障害の子は特殊学級に隔離する、大人は施設に入れる、同じ世間には暮らさない。というのが普通の見方でした。

わたしが
生きてきたうちの50年間以上はそうでした。

高機能な発達障害が一般に認められ出したのは、2010年代に入ってからでした。

しかし、立派な支援センターなどができてからも
まだまだ認知はされていませんでした。

忘れられないことがあります。
2005年ねんのことです。
わたしが娘の障害を疑って、県立の支援センターへ相談に連れて行こうとした時、うちのおくさんはこんなことを言いました

「そんなところに連れて行ったら、この子の一生は台無しよ
 わかって言ってるの?」

おくさんは、我が子をあちら側にやろうとする馬鹿な夫に憤り、
恐怖に怯えていたのです。
わたしは、そう言われて、改めて奥さんの言うことの方が一般的であり、自分の思いの方がまだまだ少数派なんだときづかされました。

いまは良くなったけど、家族は受け容れる?

では今は?

本当に良くなりました。NHKでも、関連番組が沢山あるくらい
でも、
家族にとっては、まだそう簡単ではないかもしれません

親が健常者である場合、子供の障害を認めたがらないだろうということは、おおいにあります。
親が障害者であって、しかも自分でそう認めていない(多数です)時は、なおさら難しいでしょう。自分は苦労して乗り越えてきた。お前も努力で乗り越えなさい、というわけです。

けれど、あなたご自身にとって、なにがベターなのかは、じぶんが
選択出来るはずです。
あなたはどうしたいですか?
進んで人一倍苦労したいですか?同じパフォーマンスを得るために。

病院は、一人で行ける

頭痛がするとき、くしゃみが止まらないとき、一人で医者に行けますか?
また、あなたが母親だとして、子供が風邪をひいたとき、やけどしたとき、夫に相談なしに病院に行けませんか?

いけますよね。
健康保険証さえあれば。

それと同じだと思うのです。
主訴」があって、お医者が診断し、薬を出す
発達障害も、例えば「あまりに忘れ物が多くて困っている」「片付けがどうしてもできなくてゴミだらけになるので困っている」という
主訴
があって、お医者が「ADHD」という診断をし※、薬を出す 
    ※実際はいくつかのテスト・検査をしたうえで

それでいいんじゃないでしょうか。

痛みがあり、それに対処する。ペインクリニックと同じです

親が家族が反対しそうなら、一人で行ってください。あるいは、連れて行ってください。
とりあえずは、どのクリニックでもいいです。

わたしは60年も待ちました。人生が大半終わっています。
あなたにとって、今日が人生一番若い日です
自分であるきだせば、きっと助けは得られますよ。

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