大雪の日、然別湖で。

さ、さ、さ、さ、寒ィイイイイーーーーーー
10年に1度の寒波襲来とのことですが、これを読んでいるあなたのところはどうですか?
私は毎日の雪かきで3日遅れの筋肉痛にあえいでいますが、今日も元気です。1月下旬に降る雪は踏み締めると「ギュ、ギュ、ギュ」と音が鳴ります。私の好きな自然の音ベスト5に入る音です。足に感じる感触は、まるで片栗粉の上を歩いているようです。知らんけど。


突然ドラマは始まった。

2013年2月にも数十年に1度の大雪が降りました。横なぐりの雪が降っている羽田空港の様子をニュースで見た瞬間、フリーズした。

「これから、ひすいこたろうさんがくるのに、飛行機飛ばないじゃん・・・」

その日は北海道鹿追町にある然別湖のとあるホテルで、ひすいこたろうさんのワークショプを予定していました。前日から「数十年に1度の大雪に警戒してください。不要不急の外出は控えてください。」と繰り返しニュースでアナウンスされていましたが、道民が思う大雪と関東の方の大雪の感覚って違うし、言うほど大した量じゃないだろうと思っていたんですよね。

翌朝TVをつけると、羽田吹雪いてんじゃねーか。新千歳の間違いじゃないの。
あ、やっぱ羽田。羽田・・・。羽田ぁぁぁぁぁ!?

フリーズしてニュースを見入ってる場合じゃねーーーーーー!!!!!

慌ててひすいさんに連絡すると「電車は動いているし、大丈夫ですよ。」と、返事が。
「お、東京もやるね〜♪」と思ったけれど、羽田の様子を見る限り全く大丈夫じゃない。
ひょっとしたらというか、たぶん飛行機は飛ばない。

すると案の定、「欠航になりました」と連絡が入りました。


詰んだーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。



諦めたらそこで試合終了だよ。


前回の記事にあるように、私は誰にも言えないことを周りに誰もいないことを確認してから一人芝居形式で吐き出す、隠キャを極めた人である。誰かにワークショップの運営を手伝ってと言えなかった。ワークショップの参加は20人ほどだったし、一人でなんとかなるだろうとたかを括っていたのもある。
今、頭をよぎっているのはすでにホテルへ向かっている人のこと。一口に道内と言っても100キロ以上離れているところからくる人もいる。ワークショップ開始に間に合うように出発している人へ連絡しなくちゃいけない。連絡すると「向かってるよー。」と返事が来た。だよね・・・。

イベントは中止になるだろう。ホテルとまだ出発していない人へ事情説明と連絡。もうすでに向かっている人にも伝えなくちゃいけない。

がっくり落ち込んで、灰になった。

ひすいさんから「他のルートを探してくれないか。」と連絡が来た。
そうは言っても太平洋側を中心に雪が降っていて次々に飛行機は欠航していた。JRは丸1日かかる。フェリーも欠航。望みは薄いが日本海側から北海道へ向かう飛行機を探した。

あった!新潟!

チャンスの神様の前髪をガッシリつかみとり、すぐさまチケットをとってひすいさんへ連絡。ひすいさんは羽田から新潟へと移動してくれた。神だ。
一方、参加者さんへ飛行機が欠航になったこと、中止になる可能性があることを伝えると、「それはそれで楽しむからいいよー。」と言ってくれた。君らも神か。
そして、完全にパニクってる私を見かねた友人が、ホテルに集まってくる参加者さんの対応と新千歳空港へひすいさんを迎えに行く班に分かれて助け舟を出してくれた。・・・神。

どうしてこうもみんな神なの・・・・・。

この時、中止になると思って諦めていたのは私だけ。
ひすいさんも友人も参加者さんも、諦めていなかったんだと思う。


神が集う湖、然別湖。

新潟の飛行機は新千歳空港へ降りる。帯広から新千歳までは約130km。真冬の峠道は走り慣れていないけれど、しょうがない。行くしかない。しかし、ここでまたもや神が現れる。何と第二種免許を持っている友人のご主人が車を出してくれることになった。

え。どうしてそんな神ばかりなの・・・?

ひすいさんは新潟まで新幹線で移動し、駅から空港までご両親が送ってくれたそうだ。
(本当に、その節はありがとうございました。)

新潟でも雪が降っていて新千歳空港行きの飛行機はなかなか出発できなかった。除雪のために搭乗しては降ろされ、搭乗しては降ろされ、その連絡が来るたびに「先生、やっぱり俺には無理です」と思ったんだけど、119便は3回目にして新潟の空へ飛び立ってくれた。

何かもう、全てが神がかっていた。


毎年深々と雪が降るのを見るたびに、あの時の人の温かさと優しさを思い出します。
どうぞ暖かく、そして安全にお過ごしください。

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