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「アンダー・ザ・メルヘン」10

 閑話 インター・ブレイン・パーティー
      BY トラグス

「NO・1は探しちゃ駄目だ。おとぎ話にもそう書いてある。」

そういやこの前面白い事を言ってた奴がいたな。
「ピカソはチャップリンにはなれない。逆もまた然り。」
 判断基準の問題なんだろうなあ。それが分かってない奴が多いって事だ。アマにもプロにも。
 どこに価値を置くかによって、その評価は変わってくる。その際大事なのは、評価基準をしっかり持ってなくちゃ駄目という事だ。
 いわゆる価値観というやつだ。
価値観が違うと情報の受け取り方が違ってくる。情報だ。
情報っていっても様々なメディアにあるものだけじゃない。遺伝子の中にも、地中にも、至る所にある。知らず知らずのうちに誰もが受け継いでるもんだ。

「陰謀って二通りあるんだよ。誰かが直接企むか、誰かのたくらみを知っててわざと見逃すか。」

価値観を変える、揺らせるなんて事を馬鹿な顔をして言う奴がいるが、そんなのとんでもない事だ。何でって、情報の読み取り方にすら変化を与えるものだからだ。配列を変えるとか、下手をすると、全てが無に帰す事だってある。そりゃそうだ。自分の人生変えるのだって大変なのに。世の中なんてよく偉そうに言うよな。

世界っていうのは不思議な場所だな。その中に住む人間となれば特に。
人と世界。それは別々のものじゃない。適応なんて事を言うんだが、それは殆どの場合、良い意味でのみ使われてる。
それが全ての事柄に言えることであるってのを分かってない奴が意外と多い。
適応に限らず。
つまりだ。焦点が合った時、そいつは全てを手にする。何かに、どこかに行き着く。
人と世界。人が世界を作るのか、世界が人を作るのか。
そこの関係を掴んだ時、人は進化する。
つまり、身を任せればいい。でも、これはそんなに簡単じゃない。
出来るのは天才だけだ。うまくいけば人類が進化する。
 でも下手をすればこの世が壊れる。この世が壊れるとどうなるんだ。もしかしたらもう一個地球があって、そこへの窓口もあるかもしれない。
 衛星?いや違うか。



その0  ランナーズハイ
       BY トラグス

人間は走り続けると息が切れてもう走れなくなる。でも時々その感覚がなくなる時がある。
足が動いているのかどうかも分からない。

分かるよ。危険回避、恐怖回避の自然な自己防衛本能だ。脳みそってのはやっぱりある意味で非常に分かりやすい。俺お得意の天の邪鬼も通じやしない。実に素直だ。だってほら、死神が見える。
よーいドンだ。
そこからさらに踏み込むと本当のやばい現実が分かるんだ。
今吸ったのは本当の息か。ああこれ何のセリフだったっけ。

もしかしたら人は寝ながら走る事も出来るかもしれない。そう、自分でもよく分かってる事なんだ。でも結局どうすればいいのか分からない。だからいつも変な光が見える方へ行ってしまうって訳だ。
で、いつもの堂々巡り。俺馬鹿なのかな。
 それは逃げてるって事と同じ意味なんだろうか。
 それをただ具現化するだけ。貧弱な足だって鍛えりゃささやかな筋肉もついてきてくれる。
笑えるな。なまじ速く走れるから、かわせるから生きてこられただけだったのかも。なんせ一発即アウト。オダブツの世界だからな。御仏地獄とはこの事だな。
アーメン。全く運がいいのか悪いのか。
 結果、俺はただひたすら走り続ける事になる。
 さあ、また今日も。

#創作大賞2024 #ファンタジー小説部門


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