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004. 花を愛でる

こんばんは。
猫と暮らしし女、あなぐま すみです。
会社を辞め、現在、シナリオスクールに通いし38歳の女武者なり。

自己紹介note

先日、友人たちと誘い合わせ、山梨県北斗市のひまわり畑に足を運び申した。

4ヘクタールの土地に、40万本のひまわりが咲き誇る

記念日やお祝い事に花束を頂いたりすれば、人並みに「綺麗だなあ」と思う程度の感性は持ち合わせてはいたものの、良くも悪くもその程度どまりだったあなぐまだが、ここ数年、めきめきと草花への情愛に目覚めはじめている。一定年齢を重ねると、自然に心を動かされるようになっていくのが、人間というものの仕様なのだろうか。そういえばあなぐまの母は、日本百名山のVHSを見ては、しばしば「すばらしいわ……」と涙しているようなひとだったが、あなぐまもいつかそうなるのだろうか……。

著名な庭園や寺院などで、桜や梅、紫陽花やつつじ、職人さんの手で美しく整えられている花々ももちろん素晴らしいが、あなぐまは素朴な野花のほうがより好きだ。今の時期だと、道の傍に咲いているツユクサなんかが、とりわけ可愛らしいなあと思う。
とはいえどんなに愛しく思っても、路傍の花とはいえ流石に勝手に失敬するわけにはいかないので、わたしのこの昂った情愛は、地元の花屋さんに投じ、季節の花々を買い求めることで収拾をつけている。わが家にはねこがいるので、大きな花瓶にめいっぱいは飾れないけれど、季節の花を数輪、硝子のフラワーベースに挿して、時どき作業に疲れたりすると、コーヒーを飲みながら眺めたり。
ちなみにこの花屋の奥さまは、周期的にやって来ては、毎回毎回花の名前を尋ね、馬鹿正直にメモして帰るわたしの顔を流石に覚えざるを得なかったようで、近頃は声を掛ける前からスーッと寄ってきてくれて、「これはバラに見えるけどトルコキキョウ」「これとこれは同じ品種なの」「こっちは斜めに切ると長持ちしますよ」なんてトリビアまで教えてくれるようになった。

何事も、続けるというのはよいことだ。思いがけず知識が増えるとほくほくする。

鼻先で挨拶はするが、「ちょっかいを出したらいけない」ものと認識している。
わがねこは爆裂にいい子

北杜のひまわりは、もちろん景観として人の手で整えられている部分はあるにしても、上背も間隔も少しずつまちまちで躍動感があり、あくまでも「ひまわりの自主性」に委ねている空気が印象的だった。
広大な畑のまわりには、お洒落なキッチンカーや屋台なんかも出店していて、「ひまわりソフトクリーム」や「搾りたてフルーツスムージー」のような地域性を押し出したグルメもたくさん提供されていたが、敷地全体で音楽を流したり、華美な看板で飾り立てたりというようなことは一切なく、ただただ手つかずの蒼天と、いっせいに太陽を仰ぐ果ての見えないひまわり畑のコントラストで魅せているのが、本当に美しい空間だった。

ああ、帰ってきたばかりだが、もう一度行きたいなあ……。
北杜市、素晴らしかったです。

自分で車が運転できれば、少し走らせるだけでもきっともっと、たくさんのこういったスポットまで足を伸ばせるんだろうなあ。
早く手に職をつけて、安定してごはんが食べられるようになって、免許を取って中古でミニバンを買って、全国の花畑をめぐる旅に出られるように頑張ろう。

わがねこ、おとなしく助手席に乗ってくれるかな……

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