2010年代映画ベスト10+α

2010~2019年の10年間に日本公開された映画のマイベストを選定した。上位10本と次点4本の紹介。いきなり1位から。

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1位:マッドマックス怒りのデスロード(監督:ジョージ・ミラー)

思考を停止させるこの作品は、観客に考える余裕を与えない。考えていたら殺られるという感覚を疑似体験する2時間だった。独特のコマ落としとスピーディーな編集が「俺たち(この映画)についてこい!」と叫ぶ。上掲の画像のような俯瞰ショットが繰り返されるが、映画と(それを追う)観客のメタ表現になっていた。故に我々は悪役のジョー&ウォーボーイズにも感情移入する。マックスの去り際は黒澤明「用心棒」のカッコよさ。


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2位:アベンジャーズ エンドゲーム(監督:アンソニー&ジョールッソ)

ボロボロに傷ついたヒーローたちが、それぞれ必要な人と向き合い回復して帰ってくる「セラピー」作品という側面が、この大団円をとても優しい手触りに仕上げている。MCU全作の想いがこの一本に詰まった「映画体験」に、3時間という上映時間を忘れる。シリーズをまとめてこの順位に。


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3位:セッション(監督:デイミアン・チャゼル)

JKシモンズが熱演したフレッチャーは人間の姿をした悪魔だ。ニーマンは全てを失うが、引き換えに「到達」した魂の演奏は悪魔の心をも動かす。ラスト10分の衝撃。2人が劇中で追い求めたドラムテクニックと、本作の異様な編集テンポ。<テーマと表現技法>が見事に一致しているじゃないか。


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4位:オデッセイ(監督:リドリー・スコット)

生きるために必要な物:酸素、水、英知、ユーモア。ユーモアやチームワーク、自己犠牲といった誰もが備えるスキルを、超一流の科学技術と同格に扱った人類スゲー映画。ラスト「質問は?」への反応に鳥肌が。


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5位:シン・ゴジラ(監督:庵野秀明、樋口真嗣)

邦画ベスト(それほど邦画観ていないが)。ゴジラの「殲滅」で終わった1954年の第一作を、「共存」という結末に上書きする。戦後の日本と日本人の徹底的な弱さと少しの強さ。


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6位:マネーボール(監督:ベネット・ミラー)

野球好きなもので(笑)。原作は経済小説のようだったが、素晴らしい脚色。ブラッドピットは好演で深い孤独を見せるが、真の主役は「野球」そのもの。野球がなぜ人々に愛されるのか。その本質を見事にとらえていた。


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7位:ゲットアウト(監督:ジョーダン・ピール)

固定観念を斜め上に裏切る。その切れ味を堪能する初見。伏線の見事さに驚く二度目。作中に込められた深い意味をあれこれ考察する楽しさ。「スリービルボード」を抑えてのアカデミー脚本賞にも納得。


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8位:クリード チャンプを継ぐ男(監督:ライアン・クーグラー)

ロッキーとアドニス。2人が街を振り返って呟く「人生は悪くない」。最高じゃないけど、悪くない人生を懸命に生きる人々を描いた「ロッキー」。その1作目の魂を受け継いだ傑作。続編「炎の宿敵」も良かった。


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9位:トイストーリー3(監督:リー・アンクリッチ)

ベストアニメ。オモチャと子供の関係を描きつつ、実質は「父の子離れ」がテーマだ。上掲の画像はウッディの名台詞「あばよ、相棒」。父親にとって最高の相棒を見送ったラストシーンに涙。賛否両論の「4」も含めて好き。


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10位:レヴェナント:蘇えりし者(監督:アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトウ)

ディカプリオのオスカーで有名だが、見所は撮影だ。モネの絵画のような光の描写が美しい。超広角から(吐息で曇る程の)接写まで、あらゆる撮影技法が凝らされる。救いのない話も美しい自然が全部持っていく鬼の画力。

続いては、次点の4本を、それぞれベスト〇〇の形式で。

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ベスト男優:ホアキン・フェニックス(「ジョーカー」)

アーサーフレックとジョーカーという「実質2役」を演じた彼の演技は、ゼロ年代のベストアクトだったヒースレジャーにも比肩する。理性では受け入れがたい作品でも、「凄いものを観た」という感性の満足に嘘はつけない。


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ベスト女優:エイミー・アダムス(「メッセージ」)

エイリアンとのコミニケーションを試みる言語学者を演じた。彼女の「母性」が、思弁的なSFを血の通った愛の物語にまで昇華させていた。


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ベスト韓国映画:新感染ファイナル・エクスプレス(監督:ヨン・サンホ)

エンタメと社会性のハイブリッド=韓国映画のお家芸。マ・ドンソクという最終兵器も投入された無敵感。最後の「アロハ・オエ」には涙。


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ベストシーン:ダンケルク(監督:クリストファー・ノーラン)

終盤、燃料の切れたスピットファイアが、滑空から砂浜に着陸するシーン。CGなし。それだけでも十分に美しいIMAXカメラだが、わざわざマジックアワーに撮影したこだわり。IMAXレーザーの威力を堪能した眼福。

以上、1位~10位の10本+次点4本が、2010年代のマイベスト映画。

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