「壁のバカ」〜「バカの壁」批判〜
自分が養老孟司氏の文章と出会ったのは、確か中学1年生かそこらであったと思う。
国語の教材に香山リカ氏の評論文や志賀直哉氏の『小僧の神様』、そして養老孟司氏の『バカの壁』が取り上げられていた。筆者の言いたいことを30字〜とか、この時の少年の気持ちを50字〜といった、定型問題文に辟易しながら解いていた記憶がある。
その当時からどうしても、『バカの壁』の文章が気に食わなかった。中学生の自分にはそれを言語化するスキルもなく、「大きくなったら好きになるかも」という気持ちで、我慢して