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月◯万円生産性が向上!?プレゼンティーイズム対策のPDCAノウハウを公開!

つい先日、人事総務・健康保険組合・産業保健職の皆様向けに「運動不足のパンデミックをどう乗り切るか」というオンラインイベントを開催させて頂き、約90企業の方々にご参加いただいたのですが、参加者の皆様向けに健康増進施策に関わる課題等のアンケートを取得すると、「プレゼンティーイズム(労働生産性が低下した状態)」についてお悩みのご担当者様も多かったため、当社で実践している具体的な健康経営のPDCAについて、お伝えできればと思い、机に向かっています。

健康増進施策を担当する人事・総務、健康保険組合、産業保健職の皆様にとって、一つでも有益な情報があれば嬉しいです!特に下記のような課題をお持ちのご担当者さまは、ぜひ下記を読み進めてください。

【本記事で解決できる課題】
「プレゼンティーイズム対策として何をすべきか困っている...」
「費用対効果の高い施策を模索している...」

経営課題の解決につながる従業員の健康課題とは

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ただの健康施策であれば、従業員個人でやればいいいのでは?

3-4年前に私自身が営業していたときによく言われていた言葉でした。

健康経営は”経営”というワードが入っていることからも分かるように、経営課題の解決に紐づく健康施策であることが大前提です。

当社では、ヘルスケア事業をしているということもあり、従業員に健康的に働いてもらうことは最重要です。また、スタートアップは時間との勝負なので、1時間あたりに、高い生産性を担保する必要があります。

そこで当社では、組織の生産性を可視化して、どのような要因で生産性が低下しているかを可視化して、その要因に毎月アプローチしながらPDCAを回しています。

『プレゼンティーイズム』に伴う損失額の可視化

健康経営で解決したい経営課題を考える際に、最終的な目標指標としてあげられやすいのが「アブセンティーイズム」「プレゼンティーイズム」「エンゲージメント」の3つであり、これは健康投資管理会計でも”健康関連の最終的な目標指標”として掲げられています。

当社では、特にプレゼンティーイズムに着目して、経時的に評価しています。実は日本には生産性の可視化の方法は7個くらいあって、お金のかかる方法/かからない方法があったり、何が原因で生産性が低下しているか抽出できる方法とそうでない方法があったりと散見されているため、ある程度の知識がないと間違った解釈をする可能性があるため注意が必要です。

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社内の生産性低下(損失額)の要因はこんな感じで可視化しています。
具体的な健康経営施策に落とし込みたいので、「何が原因で生産性が低下しているか」が分かる形で計測・表現しています
例えば、”肩こり”に着目をすると月2-4万円程度、生産性が向上していることが分かります。

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この生産性の可視化や費用対効果の可視化に苦労している健康経営ご担当者さまがまだまだ多いように感じておりますが、現在、当社は日本最大の1.6万人の生産性データを可視化していて、様々なノウハウを保有しておりますので、お困り事があれば何でもご相談ください。

ちなみに、エンゲージメントに関してもこのような形で可視化しており、各種施策を実行しています。

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最適な施策には継続的な評価と解析が重要

これが最もオススメ!ということより、継続的に変化を可視化すること、そして、その生産性の可視化方法の特徴や評価の限界を認識して、正しくデータを解釈することの方が重要であると思っています。

実は、健康経営銘柄取得企業さまを中心に、健康経営の指標づくりや生産性の可視化を手伝ってほしいと相談を頂くことが多いのですが、その際に、これまでのデータの分析や可視化方法、解釈について共有していただくと、数多くの危険が潜んでおり、「生産性を可視化して、それを相関分析してみて、関連のある項目に対策をしているけど、年々、生産性が下がっている。しっかり分析しているのになぜか分からないから助けてほしい。」という、かなり具体的な相談をいただくこともあります。

例えば相関分析をされている企業さまが多いのですが、擬似相関というものに気をつけなければなりません。疑似相関(2つの事象に因果関係がないのに、見えない要因(潜伏変数)によって因果関係があるかのように推測されること)については、こちらのnoteがシンプルかなと思いますので参照いただきたいですが、相関分析というのは解析や解釈になれていないと、データの解釈を間違えてしまうリスクがあると思っています。
つまり、間違った解析結果から、間違った健康経営施策の実行という形になりかねないのです。

先にあげた企業も、プレゼンティーイズムと要因Aの相関分析をした結果、相関係数が高く、この要因Aを改善していけば、プレゼンティーイズムの解消につながるだろうということで、3年くらい取り組んできたものの、なかなかプレゼンティーイズムが解消していかない。むしろ、生産性が年々悪化しているという結果になってしまっていました(その後、当社でサポートさせて頂きました)。

PDCAをどう回すか

これまで、ちょっと小難しい話をしたのですが、結論、健康経営のPDCAを最適に回せていれば、実は、その施策がうまく行っているかどうかはすぐ気がつくことが出来ると思っています。なので、長くても1ヶ月時点で修正が効くと思っています。

多くの企業でまずは施策を打とう!ということで施策の実行ばかりが先行してきたということも少なくないのではないでしょうか。これにより、最適な誤差修正(C:チェック、A(adjustedと当社は定義):調整)ができていないことにより、まともな仮説検証が進まず、役員に報告する際に、胸を張って健康経営の成果を発表できないご担当者も少なくないのではないかと感じています。

では、どのようにPDCAを回していくとうまくいきやすいかについて、あくまで当社の事例ではありますが、共有させて頂きます。

①目標値を設定する(イメージがつきにくい場合は、②を先にやって①の順でもOK)

まずは目標値がないと、どのような方向性で進めるのか、どの程度頑張らなければいけないのかが分からないため、目指すべき目標を仮りでも良いの設定します。

例)社内の生産性低下率を2Q中に、XX%まで改善する。
※期日を決めること、定量的であることを意識すると良いと思います。

②現在地(実績値)を可視化する
現在、自分たちがいる場所がどこかを可視化しましょう!
つまり、実績値を可視化します。このとき、①が定量的であることで、より現状との差分が明白になります。

例)7月の社内の生産性低下率はYY%

③目標値と実績値のギャップ(差分)を生み出している課題を列挙する

目標値と実績値の差分を可視化し、その差分を生み出している課題を思いつくだけ列挙しましょう!この際に、MECE(漏れなく・ダブりなく)に考えることが重要です。ギャップが大きいほど、必然的に課題は増えることになると思います。

例)目標値XX% - 実績値YY% = 予実差ZZ%
予実差のZZ%を生み出している課題は「〜」「〜」「〜」

④各課題を「インパクト」「時間」「気軽さ」の3つの視点で優先度づけして3つに絞る

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色々と課題を列挙しても、人事業務と兼務しているご担当者様も少なくないため、動ける時間は限られると思います。そのため、3つ程度に課題を絞り込みましょう。このときの基準は「インパクト」「時間」「気軽さ」です(ピンク色のセルが優先した事項です)。

「インパクト」と「気軽さ」はABCで評価し、「時間」は実際にかかりそうな時間を記入します(想定がつかない場合は?でも大丈夫!)。

コツは、「インパクトの最も高いものを最低でもひとつ選ぶ」「インパクトが劣っても短い時間でできそうなものがあれば選ぶ」「同列の課題が並んでいたら、気軽さを基準にして絞り込む」です。

⑤抽出された課題のKPIを設定する

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課題が絞り込まれたら、次はそれらの課題を数値化していきましょう。
KPIは「目指すべき結果」であって、「行動の目標」ではないことに注意(これは意外と大事!)!
つまり、「運動増進イベント参加者100名」というのが目指すべき結果であって、「運動増進イベント参加者100名の募集を出す」というのは行動の目標なのでKPIには掲げないように注意しましょう。
また、3つの課題から設定された複数のKPIの中から、最重要KPIを設定することをオススメします(図では☆で示しています)。

⑥KPIを達成するための解決案を列挙する

KPIを達成するためにできる解決の大きな方向性を、解決案と呼んでいますが、解決案を出来る限り列挙していきましょう!解決案は実行フェーズで具体的なアクション(DO)へと分離され、さらに具体的なタスク(TODO)に落とし込まれていきますので、かなりざっくりとしたものでも問題はありません。

例)健康増進イベントを企画する

⑦解決案を「インパクト」「時間」「気軽さ」で優先度づけして4つに絞る

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課題の絞り込みのときと異なる点は、下記の3つです。

「最重要KPI達成につながる解決案については最低1つ、できれば2つ残す」
「それ以外のKPIに関しても、インパクト重視で最低1つの解決案を残す」
「短時間で終わるものについてはインパクトが弱くても残す」

⑧解決案を実行レベルのDOレベルまで分解しKDIを設定する

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解決案を分解したものが「DO」で、DOを分解したものが「TODO」です。DOの状態で仕事を抱えっぱなしにしていることが多いため、TODOまで落とし込む必要があります。

あまり仕事が進捗しないときはDOレベルで抱えていることが多く、「このタスクをするにはかなりの労力が必要だ」と勘違いしてしまい、なかなか手が出ないということがあるため、TODOレベルまで分解して、ゲーム感覚で進めていける仕組みづくりをオススメします!

【解決案】健康増進イベントを企画する
【DO】運動習慣向上イベントを企画する
【KDI】運動習慣向上イベントの見積もりを5社から出してもらう
【TODO】情報通の健康経営担当者に連絡する、サービス事業者に資料請求する etc...

⑨TODOまで分解し、タスク管理ツール等でひたすら実行する

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個人的にはTrelloを利用しています。タスク管理はそれぞれの好みがあると思いますので、これまで最もやりやすかった方法で良いかと思います。
個人的に気に入っているのは、各TODOレベルのタスクに「優先度(高/中/低)」「エネルギー(高/低)」という軸を取り入れて、エネルギー量が高いTODOは、集中しやすい午前中に、エネルギー量が低いTODOは午後にという感じで処理しています。

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⑩週次でKDI・KPIの変化を可視化して今週のアクションがKPIに紐付いているか確認する

これまでお伝えしたように予実差→KPI→解決案→KDIという流れで、上流から分解してきたことからも分かるように、TODOレベルを実行し、自身でのアクションであるKDIを達成していけば、必ずKPIの指標は動くはずで、それをチェックすることをオススメします。
当社では水曜日と金曜日に確認するようにしていますが、アクションを月曜日〜水曜日にやって、KPIが微動だにしない場合、KPIから解決案への分解が間違っている可能性が高いので、すぐに施策を変更する必要があります。できれば、KPIも計測頻度を毎週計測できるような設計にすると良いと思います。

モノサシがなければ改善できない!

熱量が溢れ出してしまい、長い記事になってしまいましたが(笑)、そもそも大前提として、モノサシがないと改善できているかどうかもわかりません。。。健康施策でセミナーを今年は20件開催したけど、健康経営としての成果ってなんだっけ!?みたいなことになるのは避けたいですよね。

そのため、まずは健康経営のモノサシを作り、それを継続的に運用していく必要性があると考えています。

当社では、健康経営のモノサシの一つとして、プレゼンティーイズムを可視化し、改善の運用までサポートしていますが、その事例も含め、24日19:00より、「【健康経営ご担当者向け】日本最大規模のプレゼンティーイズムデータ解説セミナー」を開催しますので、興味がある方は、ぜひご参加ください。

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もうそんなことより、すぐに相談したい!!という場合は、下記までお気軽にメッセージ下さい!

Facebook :https://www.facebook.com/naoto.fukutani
Twitter   :https://twitter.com/nafukutani

当社がプレゼンティーイズム対策をしている企業さまの事例も載せておきますのでご参考になれば幸いです。

コニカミノルタさま
ダスキングループさま
塩野義製薬グループさま
内田洋行グループさま
日本ユニシスさま

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