NFTによる舞台業界の革命
どうも舞台演出家バックステージです。
普段は稽古場か劇場に居て演劇やミュージカルを作ってます。みなさんに舞台業界のリアルを伝えて行こう思って発信してます。
今日のテーマはタイトルにもある通り「NFTと舞台業界」です。NFTに関してなんぞやという方はyoutubeでもなんでも検索してもっと専門家の方々のをみていただければと思います。
・今日のお話
僕がおすすめなのは「NFTの教科書」と「最新 いまさら聞けないビットコインとブロックチェーン」いう本ですね。詳細はリンク貼っておきますね。
今日は今後のNFTブームが舞台業界にきたらどうなるかを真面目に考えていこうと思います。
・予算概念の改革
・チケット転売の改革
・技術共有の改革
結果どういう革命が起きるか
どうしてそのテーマ?
前からこのNFTやらブロックチェーンというのは知ってはいたものの、自分の事業とは遠い存在のものとして捉えてたんですね、将来はアートをデータで買うのかーとか遊戯王カードのレアカードもデータかーくらいで。
・キンコン西野さんの舞台業界NFTの話に衝撃
ただ、おとといくらいの西野さんのボイシーさんを聞いてまさに舞台業界のNFTのことを言及してたわけですね、詳しく聞きたい人はどうぞそちらで聞いてみてください。かいつまんで言うと、舞台のバックドロップのデザインをNFTとして売ってバックドロップにかかった費用を賄ったという点です。
これは!こんな考え方があるのか!と素直に思いました。NFTってそんなに身近になり得るのかと。
確かにバックドロップのお金はバックドロップに稼いでもらう考え方は一ミリもなかったです。西野さんがやられたのはバックドロップに投影するデータを限定10枚1枚3万円で売られたわけですね。それが全部売れると30万かかるバックドロップ代の費用をペイできるというわけです。
・今までの予算という概念が変わる
今までは前にも言ったと思うのですが、舞台予算の計算って簡単です。客席数×上演回数×チケット代です。もうどんな舞台もすぐわかります。最近は配信という技術によってその予算枠に変動変数になりますが、やはり生物が人気の舞台はあまり再生回数は伸びません。劇場で観てなんぼですし、配信を想定して制作すると劇場にくる人に申し訳ないですし。
つまり、パイは限られてくるのです。一つの大きなパイをあらゆるセクションで食べ合います。ですから必然的に皺寄せがいくところが生じてくるわけですね。
ただ、セット代、小道具代、衣裳代などがそれぞれのデザインで賄えてくると大きく考え方が変わってきます。お客さんのチケット売上がいわゆる大きな純利益になり得る可能性があります。
・チケット販売の改革
これはなんとも嬉しい話で、チケット購入者が正確にわかってくるというお話です。僕らのお客さんって本当に限られています。身近に何人いますか?毎月必ず舞台観に行ってるというお友達が。ただでさえ高いチケットをさらに倍以上で転売されている光景は徹底的に潰したいと思ってます。
そこでこの技術を使えば本物のチケットをNFTとして販売すれば、あとは譲渡すればそれがデータ上で判明するということです。
早くこの技術だけでもいいから導入してほしいですね、ただ怖いのがちゃんと整備しないと本物のチケット持ってるのに誰かによってNFT化されてしまったら証明力として負けちゃうところです。初めは詐欺師がたくさん登場するんだろーなーと思ってます。勉強しておきましょう!
・技術共有の改革
これまで我々スタッフの技術はかなりクローズドなものです。舞台そのものがクローズドな世界です。だからこのチャンネルやってるんですけど笑
全然正確に舞台業界の勉強とか資料集めなんてできないんです。余程精通しない限り。ただNFT技術によりいろんな舞台のデータをリアルタイムで購入、あるいはクラシックなものを購入できたらどれだけ演劇の幅が広がるでしょう。
例えば、シェイクスピアをやりたければロンドンのロイヤルシェイクスピアカンパニーの衣裳デザインやセットデザインを購入して参考にすればいいんです。あるいはブロードウェイで人気作品の制作過程も購入できれば我々の舞台後進国には大きな利益になります。ここだけの話、ロンドンのシアターってその情報を垂れ流し状態なんです。特にNational Theatreとか。
これは反対にも可能性があって、歌舞伎に興味を持っている海外の方などにも大きな影響を与えることになります。宝塚さんなんてめちゃくちゃ人気になると思いますよ、世界で唯一無二の老舗女性劇団ですからね。
お客さんのみならず全世界の舞台業界全員が顧客になり得る市場を拓ける可能性があります。もやは演劇留学しなくても基本バーチャルの世界でなんでも勉強できちゃうんでしょうね。
この改革がもたらす革命として、
「スター俳優ではなくスター作品の誕生になる」
総合芸術である舞台って自分の仕事が何%売上に繋がってるのかが不明瞭です。
それが顕著なのは俳優です。ある俳優さんが出ると売れてというのはすぐわかります。つまりお客さんの集客はどうやってやるかは、現状俳優頼みです。もちろんいろんな要素もありますが。ビックネームを広告で打ち出すことで劇場に足を運んで頂けます。
しかし、僕個人が思うに演劇の最強ビジネスモデルは「作品にお客さんがつく」ことです。誰が出てるから劇場にいくのではなく、この作品を観たいから観にいくだと大成功になります。劇団四季さんのライオンキングや東宝さんの「レミゼラブル」がその例ですね。良い作品を作ればちゃんとお客さんはついてきますし、ロングランが可能です。
ただそれに到達するには目の前のちっぽけな利益を考えていたら絶対到達できないんです。作風と全く違うけど有名俳優を起用しよう、客席は埋まったけどそれは彼のおかげで、だれも作品に感動してない、みたいな作品って結構あると思うんです。反対に、良い作品なんだけど売れてないからボツみたいな。
NFTの技術でクリエティブスタッフの人気が明確になると、あの美術家のセットは売れる、あの照明家のデザインは人気がある、あの演出家の演技プロセスは注目がある、みたいにどんどんスタッフ側の実力が向上する流れになるかと思います。良い作品、良いデザインを作れば、ちゃんとそれが評価されて売られる業界になるともはや舞台に誰が出ていようが関係なくなるのかなと。つまり俳優がお客さんを集めなくてももう制作代はNFTでペイできてるからどんな俳優も起用できるということです。そうすることで理想なキャスティングができて理想的な作品作りができ、ちゃんと良質な舞台をお客さんに届けられ、舞台ってオモロしろいやん!っていうお客さんが増えるのかなと思います。
まあなんにせよ、これはとりあえずやってみないと!正直かなりハードルがあると思うのですが、この市場にいち早く手を出すことが次の舞台業界を変えていくことかと確信してます。どこかちゃんとNFTを管理してくれる企業さんとコラボして作品作って行ければと思います。あと、そのために新しい分野も勉強ですね!
今日はそんなところです、
バックステージでした
ではまた。
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