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実験台アプリのススメ

趣味でAndroidアプリを作っています。そこから得られた経験を記事にしていくシリーズ。

今回は、これから個人開発を始める人へのご提案です。一番最初にリリースするアプリは本命じゃなくて実験台にしましょう。

Webだと一発目から勝負してもいいと思うんですが、モバイルアプリを作るならまずは実験台から。

両者の何が違うかというと、モバイルアプリはプラットフォーマーのルールの中で動く必要があるのです。AndroidならGoogle、iOSならAppleがプラットフォーマーですね。

そしてどちらもデベロッパーに対して圧倒的に有利な立場。彼らのルールを把握しておかないと開発の本筋とは違うところで躓いてしまうのです。

実験台を通じてルールと落とし穴を把握すれば、本命で躓かなくて済みます。

実験台のメリット1:初回リリース時のノウハウ獲得

メリットのひとつめはリリース時のノウハウ獲得です。

リリース時に必要なことは何か、ハマりポイントがどこにあるのかを把握するために実験台アプリを先にリリースするのです。

ネットに情報が溢れてはいるのですが、ルールが結構変わるのでその情報が今も有効かを見極めながら参照しなくてはなりません。実際に手を動かしたほうが確実なんですよね。

特に、Google PlayにしろAppleのApp Storeにしろ「取り返しがつかないポイント」がいくつかあるので、そこのノウハウを得ておくのは重要。

例えばGoogle Playの場合は
・アプリ名は変えられるけどパッケージ名は変えられない
・アプリ署名の鍵をなくしたりパスワードを忘れたりすると二度とバージョンアップできなくなる(この問題を緩和するために「Google Play アプリ署名」というGoogleに鍵を預ける仕組みが導入されています)
・一度無料で公開したアプリを有料にすることはできない
あたりでしょうか。

この辺は技術力とは全然関係なく、知ってるか知らないかの世界です。知っていれば回避できた落とし穴で取り返しがつかなくなるのは勿体ない。

実験台のメリット2:改修時のノウハウ獲得

もうひとつのメリットは将来的な改修時のノウハウ獲得です。

AndroidもiOSも年に1度の新OS対応をしないとストアでバージョンアップ版を公開できなくなりますし、新OS対応以外でもルール変更がちょこちょこあります。

また、ライブラリやサービスの乗り換えのときにも有効です。Google AnalyticsやCrashlyticsがFirebaseに移行したときのようにやむなく移行することもあれば、新しいものを取り入れたくなることもあるでしょう。

こいうときにメインのアプリ一本鎗だと対応が慎重にならざるを得ません。ユーザー数が多ければなおさら慎重になってしまいます。

実験台アプリであれば身軽に動けるので、そちらでノウハウを得てからメインのアプリに反映するという流れを作れます。

実験台はどんなアプリがいいか

単機能のシンプルなアプリで十分ですし、他アプリとの差別化とかを気にする必要もありません。

電卓なんかいいかもしれませんね。真面目に作ろうとするとロジックは少々複雑ですが、通信もデータ保存もいらないですし、何より仕様を考えなくて済みます。App Storeだと新規性がなさすぎて審査通らないかもだけど…

自分は1画面しかない単機能のユーティリティアプリを実験台と位置付けて運用しています。

初めてGoogle Playにアプリをリリースしたときはこのアプリが最初でした。今もちょっとリスクがありそうな改修はこのアプリを先行させます。

当初の思惑に反してそれなりにユーザー数がいるのですが、機能的にシンプルなので問題が起きてもリカバーしやすいので助かっています。

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ということで、実験台アプリでノウハウを得てから本命に展開するとスムーズに開発できるよ、というおはなしでした。

※ 今回の見出し画像は TheDigitalWay @ Pixabay から拝借しました。

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