見出し画像

「無効なトラフィックの問題」でAdMobの広告配信が止まった話

個人開発のアプリで広告収入を狙う場合、収益率や使い勝手を考えるとAdMobが圧倒的に有力候補です。

ただ、AdMobにはGoogleに睨まれるとシンドいことになるという大きな問題があります。

今回、まさにシンドいことになったのです。

過去にも何度か警告を受けたことがありますが、それらは基本的に自分のミスでした。実装が間違ってて広告の表示位置がおかしい、とか。こういうときは修正したアプリを公開してGoogleに連絡を入れれば解決です。

が、今回は心当たりがなくて打つ手ナシ、な警告でした。

何が起きたか

「無効なトラフィックの問題」という警告を受けました。

お客様のアカウントでの広告配信は、無効なトラフィックの問題により現在制限されています。今後もお客様のサイトのトラフィックは継続的にモニタリングされ、配信制限は Google 側で自動的に見直しおよび更新されます。詳しくは、広告配信の制限についての記事をご覧ください。

「広告配信の制限」となっていますが、強めの制限なので実質まともに配信されなくなります。結果、広告収入がほぼゼロに。

AdMobのコンソールはこんな感じ。

画像1

この制限、なにがキツいかって、アプリ単位じゃなくてアカウント丸ごと配信制限なんですよね……

どのアプリも広告収入がほぼゼロになって収益が壊滅する上、どのアプリが原因か分からないので手が打てません。

原因は?

この警告に限らず、AdMobははっきりした原因を教えてくれないんです。原因教えちゃったらズルのイタチごっこが加速する、というGoogle側の都合は分かるんですが、制限喰らった身としては困ることこの上ありません。

Googleのオフィシャルな見解は「Google Developers Japan: 無効なトラフィックによるアカウントの停止について」あたりでしょうか。異議申し立てや具体的なNG箇所の問い合わせはできない(しても意味がない)ので、Googleが示している一般論から推測するしかありません。

今回も一般論をもとにあれこれ調べてはみたのですが、手掛かりがなさ過ぎて原因分からず仕舞いでした。自分で広告タップしていないし、誤タップを誘発するような広告を出した覚えもない。

恐らくAdsense狩り的なこと(AdMobなのでAdMob狩り?)が原因だろうと考えています。

顛末

警告を受けたのが11月2日。

原因が分からないとは言え、悪いことをしていないのは確かなのでじっと我慢。下手な動きをしてアカウントを無効化されても困りますしね。

で、延々と様子見していたところ、12月2日から広告配信が復活しました。

通常、この広告配信の制限がお客様に影響を与える期間は 30 日未満ですが、それ以上となる場合もあります。

まさにこの通りで、1か月我慢したら復活しました。配信数、収益額ともに警告前の水準に戻っています。よかったよかった。

ただ、広告配信は復活したものの、警告自体は解消されていません。AdMob側での経過観察期間ということなのかも。

対策は?

原因調査という観点では、Analyticsを仕込んでいれば深掘りできたかもしれません。この辺はAdsenseのノウハウが転用できそう。

「Adsense無効なトラフィック」事件の真犯人はあんただ「Adsense狩り」!!! - Qiita
「無効なトラフィックの問題」Google AdSense広告数を制限された時の対処法 | はじめの一歩

収益観点だと、AdMobオンリーの構成にしない、ということでしょうか。AdMobのMediationだと巻き込まれて使えなくなる可能性があるので、別の広告配信サービスを組み込んで併用するのがよさそう。

例えば、画面下部にバナー広告を組み込むとして
・AdMobと他の広告配信サービス(広告A)の2つを組み込んでおく
・AdMobと広告Aのどちらのバナーを表示するかをフラグで切り替えられるようにする
・Firebase Remote Config あたりを使ってリモートからフラグを制御する
・Firebase Remote Config はA/Bテスト的に比率を決められるので、通常時は9対1とかでAdMobを多くしておく(たいていはAdMobのほうが収益率が高いから)
・AdMobでの配信が制限されたら、ひとまず1対9とかにして収益のダメージを軽減しつつ原因究明を続ける(AdMobの配信を止めると究明しにくくなるからゼロにはしない)
という作りにする感じです。

Googleのプラットフォームを使う限り、理不尽に睨まれるリスクは常に意識しておいたほうがよさそう。そしてこのリスク、起きる確率は低いけど、起きたらダメージが大きい。

なので、睨まれたときのダメージを軽減するための手を打っておく、というのがいいんじゃないかと思います。

自分はあくまで趣味の範疇で個人開発してるんでダメージ少ないですが、アプリ開発を生業にしているとかだと致命傷になりかねませんね。恐ろしや……



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?