何かに所属していたい
アスペルガーやADHDといった単語が、一般に浸透したのはいつ頃からだろうか。少なくとも、私が子供の時には、今ほどよく聞く言葉では無かったと思う。
なんか、曖昧なラインの人に病名がついた瞬間に、何かが『確定』してしまう気がする。
これは私の知人のMr.高血圧が「次血圧測ったら高血圧の薬飲まなきゃいけなくなる」と宣い、以降血圧計を家の奥底に封印したのに、通ずるものがある。
投薬治療や社会制度など、現代社会において早期診断のメリットは大きいということは理解しているので、病名が浸透したこと自体は喜ばしいのだろうが、私は『診断』そのものに対する根源的な恐怖を覚えてしまう。
病気の診断に限った話ではなく、例えばアンケートにおける年齢欄なんかも、昔は10歳刻みだったものが、3歳刻みになってたりしていて、日に日に自分の所属してる欄が小さくなっていく感覚が、確かにあるのだ。
こういう漠然とした恐怖に、名前はあるのだろうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?