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ともうしまう
2022年10月2日 23:49
僕の父さんは婿養子で、代々農業を営む東雲家にとっては異色の人物だった。婿養子なのに、更に言えば一人娘の夫なのに、父さんは家業である農業を手伝わず外でサラリーマンとして働くことを許されていた。父さんは、ちょっと神経質気味な性格のシステムエンジニアで、土にまみれるのが苦手なようだった。色白で丸眼鏡で痩せていて、(息子の僕が言うのもアレだけれど)けっこうひ弱な見た目だった。「あいつは身体より