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ジーグリット・オネーギン(アルト) シューベルト『君はわが憩い』(1929)

シグリッド・オネーギン(Sigrid Onégin、1889年6月1日 - 1943年6月16日)は、第二次世界大戦前に国際的なキャリアを築いたアルト。

ドイツ人の父とフランス人の母の間に生まれた彼女は独・仏語を共に話すことができたので、ともにフランス語で書かれたアルトにとって重要なオペラ、「カルメン」(ビゼー)や「サムソンとデリラ」(サン=サーンス)のタイトル役を原語で歌唱しており、SP盤録音も残している。

一方でドイツ・リートにも類まれなるセンスを発揮したオネーギ。
その豊かでありながらも繊細で、良くコントロールの聴いた歌唱で、メロディと詞の両方を見事に解釈し、シューベルトやブラームスなどに名盤を残している。

今回は1929年1月11日に録音された、リュッケルトの詞によるシューベルトの傑作のひとつ『君はわが憩い』D.776を。

愛する人を「憩い=天国」と呼び、しかし決して成し遂げられないへ青年の思いの丈を心を撫でるようなメロディにのせて。

ちょっとトルクが弱く、ピアノの音が心許ないHMV-102 の明瞭な発音でオネーギンの声が生々しく迫る。

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