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写真との出会い〜今まで VOL.02

前回の続きなんですが、
僕は学生時代になんだかやり残したことがたくさんある気がして、その後の進路にも写真の仕事をしようと決めました。周りは皆就職活動をしているものの、就職氷河期真っ只中の時代でした。今ではロスジェネとか言われる世代です。

ただ、人が生きる限り世の中は何らかの広告を出し続けるわけだし、写真の仕事は逆にデジタル化にシフトして面白くなっていくだろうという空気がありました。今ほどインターネットのメディアも盛んでなかった分、写真からの情報力もあったと思います。
学校の掲示板で応募要項を見て、ブツ撮りから車まで幅広く撮影する広告写真制作の会社に就職しました。気合いが空回りし、自分の理想と現場での経験の無さにいつももがいていました。

半年した頃、撮影中にクライアントが見ていたテレビの向こうで、ニューヨークのビルに飛行機が突っ込んでいました。そのビジュアルがとても衝撃的で、人の死を悲しむ反面、言葉は悪いけどビルが崩れ落ちる様に変な美を感じてしまいました。
結局会社を1年ほどで退社し、すぐにニューヨークに飛んでワールドトレードセンターの現場を撮影しに行きました。その時自分の心に何か新しい気持ちが芽生えているのを感じました。




その後しばらくフリーターをしながら東京中歩いて写真撮ったりして、もう一度横須賀先生みたいな綺麗なポートレイト写真を撮りたいと強く思うようになりました。そう思った矢先、先生が急逝されたと聞いたのです。
そこで色々悩んで、当時東京の現役フォトグラファーの中で一番綺麗な写真を撮っていると思った富田さんに弟子入りしようと思いました。手紙を書いて何とかアシスタントに入れるよう順番を待って、富田さんのスタジオで働くことになりました。  続く


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