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【冷凍幼児食】親子2人分の食事に750円は高いのか

いつもBabyStockの記事を読んでいただき、ありがとうございます。
編集部のSです。

今日は少し趣向を変えて、BabyStockが推している‟温めるだけで親子が食べられるおかずが完成する“サービス「homeal(ホーミール)」について語らせていただきます。

homealはBabyStockを運営する株式会社えだまめの冷凍技術コンサルで事業化支援をしたサービスでもあります。

なので、この記事はいわばお客様の宣伝になるのですが、homealは私の「働くママの夕飯づくりの苦しみ」を解決してくれた画期的なサービスであり、思い入れもひとしおなものです。

今回は数ある子育てサービスのなかから、一方的に肩入れをして熱く語ることをお許しください。

とうとう発売された塩分控えめ薄味で栄養バランスのよい冷凍食品

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homealは自身も小さなお子さんをもつパパである社長の鬼海さんが「多忙な毎日のなか幼児食を作る親御さんの負担を減らし、子どもと一緒にごはんを食べられる時間を大切にしてほしい」という強い決意のもと創られたサービスです。

親(1人前)と子(0.5人前)の食事が1パックに入っており、冷凍されています。
特徴は管理栄養士監修で塩分控えめ薄味の「幼児食」を、親子で分け合って食べられること。

「子どものごはんを売るだけでは、一緒に食べる親のごはんがおろそかになりやすい。その点も考慮に入れてほしい」という保育園で働く栄養士さんのご意見がきっかけで1.5人前という珍しい分量になりました。

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実は、こんな冷凍食品はこれまでなかったのです。

1歳半からの子どもが食べる既製品の幼児食は、ソース系のレトルト商品や豆腐ハンバーグ、チキンナゲットなどの冷凍食品が少しありますが、離乳食時期と比べて種類があまりありません。

また、食べる量が増えた1歳半以上の子どもにとって、加熱によって具材が柔らかく煮崩れがちなレトルトや、少量単品のおかずは、メインとしては少し物足りません。

多少は入っているとはいえ、野菜が1食分の目安量よりも少なめなことも親としては気になってしまいます。

そのうえ、1歳半以降は主張が激しくなってくる時期。親と違う献立を用意すると「パパやママのごはんがほしい!」と親のお皿からごはんを取ろうとしてしまいます。

とはいえ、調味料のたっぷりかかった市販のお惣菜を分け合うのは、年齢が低ければ低いほど抵抗がありますよね。

塩分控えめ薄味で、ボリュームがあって、野菜やたんぱく質もしっかり入っているおかずの冷凍食品がほしい

せめて塩分に配慮した薄味だけでもなんとかならないか

仕事から帰宅後、1歳8か月の子どもの「かまってかまって」に振り回されながら家族の夕食を作り、疲れ果てていた私はよくそう考えていました。

親(1人前)と子(0.5人前)で750円は本当に高いのか?

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とはいえ、homealが実際に販売を開始し、私が興奮気味にママ友や孫を持つ方に宣伝していると「750円は高いよ~。しかも送料が1000円かかるんでしょ?」という反応がしばしばありました。

確かに、100円や250円程度のレトルト離乳食に比べれば高く感じるかもしれません。

でも、よく考えてください。これ、親の分も入っていますからね?

シュミレーションしてみましょう。

まず、現在販売されている8品セット6200円を税率10%で購入し、送料1000円で注文したとします。

すると合計は7820円ですので、1個あたりの価格は977円(小数点以下切り捨て)です。

ちなみに、先に述べたhomeal 1個には親1人前+子1人前が入っています。
そのため、それぞれ一人あたりの負担額はこの程度です。

親:651円(1食あたり)
子:325円(1食あたり)

こうしてみると、高価なイメージが少し和らいだのではないでしょうか。

ちなみに、温めたおかずはこのように具が大きく、野菜たっぷりで食べ応えがあります。

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家事代行業者を呼ばなくても作り置きが手に入る

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もう一つ、homealの大変ありがたいところは、家事代行業者を呼ばなくても作りおきが手に入る点です。

私は諸事情があり、子どもが8か月の頃から4か月間、在宅で仕事復帰をしていました。

その際にシッターさんに毎日3時間娘の相手をしていただいていたのですが、人を家に呼んで指示を出すのはなかなか大変です。

<人を家に呼んで大変だったこと>
①家を軽く掃除しておかねばならない
②どう時間を過ごしていただくか指示をしなければならない
③業務開始時間までに、業務の道具などを分かりやすい場所に設置せねばならない
④同じ人が来るとは限らず、新規の人には再度指示をやり直し

この前提があるので、なかなか作り置きを依頼する気になりません。なんなら準備している時間で2~3品作れてしまいますからね……。

homealは注文するだけで、冷凍庫に入れるだけの商品が届くため本当に気が楽です。
最初から冷凍向けに作られているので、冷凍耐性がある料理を選んで指示をする手間も省けます。

一般の冷凍食品との価格差の要因は販売量と品質

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ここまで熱弁しても、やはり市販の冷凍ギョーザが300円程度だったり、冷凍パスタが1食240円で売られていたりする状況だと、やはり「高い」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

ひょっとするとhomealが利益を得るために親の足元を見ているのではないかと勘繰る方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、冷凍技術コンサルティングをしている身から言わせていただけば、homealを単価400円以下で販売することはまず無理です。

その背景をご説明していきます。

①幼児食のマーケットが一般の冷凍食品に比べて広がっていない

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総務省統計局によると2018年の日本の総人口は約1億2600万人です。

対して、幼児食が必要な1~6歳までの児童は約592万人しかいません。対象児童が生まれた2012~2018年の合計特殊出生率の平均値は1.431なので大まかに計算して親の人数は827万人ほどです。

homeal消費人口

つまり、homealを買ったり食べたりする対象者は1419万人程度しかいないのです。
一般の冷凍食品の消費者層が1~6歳までを除いた約1億2008万人とすると、およそ10分の1です。

さらに片方の親が購入の決定権を持つと仮定すると、ターゲットは414万人ほどしかいません。

また、「一般の冷凍食品はなぜあんなに安いのか」という点からも考えてみましょう。

一般のお惣菜よりも「冷凍」する工程が多く、冷凍配送でコストがかかるにもかかわらず、ときにはチルドや常温のおかずよりも安く出回っています。

この価格を可能にするには、何兆円も設備投資をした巨大工場を建て、ほぼ機械化したラインを使い、1日に何千食も製造することで、1食当たりコストを下げるしかありません。

冷凍食品はチルドや常温の総菜よりも日持ちがすることを活かし、製造機能を集中させて全国配送することで製造コストを下げているのです。

このスケールメリットを出すには、作った商品を買ってくれる大量の消費者が必要です。そのため、基本的に400円以下の冷凍食品は「多くの人が消費する」「人気のある商品」しか生き残れません。
からあげやパスタ、チャーハン、餃子など定番商品のバリエーションのような商品が多いのはこのためです。

通販などで販売される冷凍食品は、幼児食のほかにも、離乳食、高齢者向けや管理栄養士監修メニューなどがあることにはありますが、消費人口が少ないと、機械化による大量製造が難しくなります。

そのうえ、冷凍や冷凍配送のコストがかかるためおおむね1,000円以上の価格になっています。

②子どもに食べさせたい国産具材を豊富に入れすぎている

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homealの価格の要因の一つが、以下のような食べ応えのあるたっぷりとした具材です。

・揚げた骨なしタラ
・子どもが満足する量の豆腐ハンバーグ
・DHAが入ったいわしつみれ
・栄養士のレシピに沿った量の野菜

400円以下の冷凍食品は基本的に炭水化物がメインです。大量に生産することで価格を押し下げているため、たんぱく質や野菜の具材を増やすことは大幅なコスト増につながるため、おいそれとはできません。

さらに、野菜はhomealの信念により国産のみが使用されています

この原価では単価を500円以下とすることは、現状の消費者規模を見越した生産数では難しいのです。

サービスの継続に必要なのは買い支えること

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ここまで説明してきたように、単価が750円でも製造原価、製造・倉庫間の冷凍配送費、冷凍保管料を加味するとhomealにほとんど利益は残りません。

送料についてだけでも、最大手のヤマト運輸クール宅急便で最安値が1,150円(2020年4月現在)。顧客に送料を1,000円負担してもらっているとはいえ、送るだけでhomalの利益が少なくなる状態だそうです。

食品関連の業界は毎日消費する性格のものでもあるため、よほどブランド価値のある高級品以外は利益率が低い傾向にあります。

ビジネスとして成功させ、生き残る道はただ一つ。販売量を増加させて少しずつコストを下げ、利益を手元に残すことです。

homealはまだ始まったばかりのサービスで販売量もさほど多くはありません。
ここから多くの子育て世帯の支持を得て、たくさんの人に安定的に買ってもらえるようにならなければ、利益がコストを上回らず、いつかサービスを継続できなくなります

忙しくて料理の時間が取れないとき、疲れて食事を作る気力がないとき、体調が悪くてキッチンにいけないとき、誰かに子どもを預けるとき、温めるだけで子どもが食べられる健康的な食事が冷凍庫にあるとほっとします。

出前を頼むときも、大人の人数分は出前を頼み、子どもの人数分はhomealを温めてみんなでシェアすれば「子どもの食べられるものが少ししかない」と困らなくてもよいですし、大人も健康的なおかずを少しずつシェアしてもらえます。

わが家の最近のお気に入りは「疲れた時の出前ピザとhomeal」や「今日はhomealを2個温めてパパママ子ども3人分のごはん」です。

組み合わせ例

外食よりも安く済みますし、家で慣れたグッズを使ってさっと食べられますし、なにより子どもに「必要な栄養」をちゃんと与えられることにホッとします。

この頼れるサービスがずっと継続するように願う方は、ぜひ「少し高いな」と思っていても数か月に一度はご購入をお願いします。

サービスの信念に共感するものの、家に幼児食を食べる年代のお子さんがいらっしゃらない方は、ぜひ贈り物としてhomealをお使いください。最近はギフトとしても購入される方は増えてきているそうです。

塩分控えめ薄味ではありますが、出汁や素材から出たスープがきいていて大人用のおかずとしても十分おいしく食べられます。また、薄味で柔らかい触感のため、高齢の方のおかずとしてもおすすめです。

子育て世帯を助けてくれるこの貴重なサービスを維持するために、どうか継続的にhomealを「買い支え」ていただけないでしょうか。

民間発のサービスを持続可能なものにするには、皆さんのお力添えが欠かせません。

事業を支援させていただいた企業として、子どもを育てている一人の親として切にお願い申し上げます。


サポートをいただいた場合は、衛生・栄養学・冷凍関連の専門家へのインタビュー謝礼やご寄稿謝礼に活用をさせていただきます。 サポートとともに、お知りになりたい知見についてのリクエストもお待ちしています。