【冷凍専門家が解説】便利な離乳食の冷凍保存方法と気になる注意点
こんにちは、BabyStock編集部です。
毎日忙しいパパやママにとって、毎回一から離乳食を作るのはなかなか大変。
でも、作り置いた離乳食や市販の離乳食を冷凍保存しておけば、時間がないときでも安心です。
離乳食を冷凍するときは、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。
この記事では離乳食の便利な冷凍保存について、2児の母であるライターTが冷凍のエキスパートである冷凍王子・西川剛史さんに聞いてみました。
▲メディアで「冷凍王子」として話題の西川剛史さん
毎日に役立つ冷凍テクニックを発信されています
便利な離乳食の冷凍を活用しよう
離乳食は一度に使う量が少ないので、多めに作って冷凍しておくと便利ですよね。
離乳食の冷凍を活用したいと考えている方も多いと思います。
「離乳食の冷凍保存は便利なだけでなく、栄養価や安全性の観点からも大変おすすめなんです」と西川さん。
離乳食を冷凍すると、栄養価の面ではどのようなメリットがあるのでしょうか。
「食材を新鮮なうちに冷凍すると、冷凍している間はその時点の栄養価が保たれます。
すぐに使う食材以外は冷蔵ではなく、新鮮なうちに冷凍するのがおすすめです」
冷凍保存すると、新鮮な野菜の栄養価を長くキープできるんですね。
では安全性についてはどのようなメリットがあるのでしょうか。
「食材に付着している細菌や微生物は、食中毒の原因になることがあります。
特に赤ちゃんは胃腸や免疫機能が未発達なため、大人に比べて食中毒が重症化しやすい傾向にあります。
しかし冷凍している間は、これらの細菌や微生物の繁殖は停止します。
そのため冷凍保存すると、食材をより安全な状態で長期保存することができます」
冷凍することで、大切な赤ちゃんを食中毒から守ることにつながるんですね。
離乳食を冷凍するときに注意するポイント
離乳食を冷凍するときは、具体的にどのような点に注意したら良いのでしょうか。
「離乳食を冷凍するときは、以下のポイントに注意しましょう。
① 調理後1時間以内に冷凍庫に入れる
② 製氷皿冷凍をするときは水分を入れる
③ 薄くのばして冷凍する
④ 水分の少ない食品は早く使い切る
⑤ 冷凍に向いていない食品は冷凍しない
この基本のポイントを守って冷凍すれば、赤ちゃんにおいしく安全に離乳食を与えることができますよ」
ここからは各ポイントについて、詳細を教えていただきましょう。
① 調理後1時間以内に冷凍庫に入れる
【西川さんコメント】
先ほど説明したように、胃腸が未発達な赤ちゃんは食中毒になりやすい状態です。
大人と同じように作り置きを与えることはせず、加熱調理をして1時間以内には冷凍庫に入れるようにしましょう。冷蔵庫内でも数時間単位での保管はNGです。
② 製氷皿冷凍をするときは水分を入れる
【西川さんコメント】
少しずつ小分けできて便利な製氷皿型の冷凍保存容器。これを使う場合は、液体状の離乳食を冷凍するか、食品の周りをスープが覆っているような状態で冷凍するとよいでしょう。
冷凍すると食品がとても乾燥しやすくなりますが、水分で覆っていれば水分が膜のような役割を果たし、乾燥を防ぐことができます。
③ 薄くのばして冷凍する
【西川さんコメント】
フリーザーバックに食品を入れて冷凍する場合は、薄くのばして冷凍しましょう。
冷凍後に砕いて少しずつ取り出すことができますし、電子レンジで解凍する際も加熱しやすくなります。凍った離乳食は想像以上に硬くなるので、かなり薄くのばすことをおすすめします。
④ 水分が少ない食品は早めに使い切る
【西川さんコメント】
ささみフレークやゆで野菜スティックなど、固形になっていてスープに浸していないような食品を冷凍する場合は、フリーザーバッグに入れて空気を抜いて冷凍し、1~2週間以内に使い切りましょう。
水分の少ない食品は大変乾燥しやすいので、乾燥や酸化しやすく、食感や風味が落ちやすくなっています。市販品の冷凍離乳食も、バラ冷凍で袋詰めのものは早めに使い切りましょう。
⑤ 冷凍に向いていない食品は冷凍しない
【西川さんコメント】
豆腐やプリンなど「ゲル食品」と呼ばれる食品は一度冷凍すると食感が変わってしまうので冷凍には向きません。こうした食品は冷凍せず、都度調理することをおすすめします。
また生野菜は、冷凍すると食感が変わるものが多いので、加熱調理してから冷凍したほうが失敗は少なくなります。生野菜の状態で冷凍できるものもありますが、その場合はそれぞれの素材の特性を知る必要があるため、調べたうえで冷凍しましょう。
離乳食初期のポイント
初期の離乳食は食材をペースト状にするので、水分が多くて冷凍には適した状態。
製氷皿型の冷凍保存容器に入れてブロック状にすれば、品質の良い状態で冷凍できます。凍ったあとは、製氷皿から取り出してフリーザーバッグに入れるなどして冷凍しましょう。
でも、ペースト状にするのは意外と手間なんですよね。
かといってレトルトのベビーフードは、低月齢では開封しても使い切れないのが悩ましいところ。
「実は開封後のベビーフードも、ルールを守れば冷凍保存できるんです」と西川さん。
開封後のベビーフードの冷凍保存の方法をうかがいました。
「具体的な手順は次の通りです。
① ベビーフードを開封したら、清潔なスプーンなどを使って「冷凍するもの」と「いま食べるもの」に分ける
② 「冷凍するもの」を保存容器に入れ、冷凍する
③ 「いま食べるもの」を赤ちゃんへ与える
ポイントは、食べさせる前に冷凍するぶんを取り分けること。
食べかけのベビーフードは冷凍できないので、ご注意ください」
どうして食べかけのベビーフードは冷凍できないのでしょうか。
「口に入れたスプーンなどをベビーフードに入れると、付着しただ液によってベビーフードに腐敗や食中毒の原因となる細菌や微生物が入ってしまいます。
この細菌・微生物が、ベビーフードを冷凍庫に入れて凍るまでの間や、解凍して食べるまでの間に増殖してしまうのです。
赤ちゃんが食中毒を起こす可能性もあるため、食べかけのベビーフードは絶対に冷凍しないでくださいね」
では、食べかけではなく清潔なスプーンで取り分けたものであれば、冷凍ではなく冷蔵保存や常温保存することもできるのでしょうか。
「開封後のベビーフードの冷蔵保存・常温保存は絶対にやめましょう。
開封したベビーフードが空気に触れると、空気中の細菌や微生物が入り込みます。
そのまま温度の高い冷蔵や常温で保存すると細菌・微生物が繁殖する可能性があるため、離乳食として赤ちゃんに与えるのは危険です。
当日・翌日には消費するという場合であっても、冷蔵保存・常温保存は避けましょう。
離乳食は調理・開封後1時間以内に食べきることが基本です」
余りがちなベビーフードを冷凍保存できると助かりますよね。
注意するポイントはしっかりと守って、上手に活用しましょう。
離乳食中期のポイント
離乳食中期に入ると、赤ちゃんの食べられる食材の種類や量が増えてきます。
赤ちゃんには少量ずつ、いろいろな食材を食べてほしいものですよね。
「離乳食を冷凍する場合は、冷凍庫の整理について特に気を遣ってください。
冷凍庫内は開け閉めの時間が短くなるように、詰めすぎに注意して整理しておきましょう。
多くの食材を冷凍して冷凍庫内がいっぱいになると、探したり取り出したりするのに時間がかかりますよね。
冷凍庫を開けている時間が長くなると、冷凍庫内の温度が一時的に上昇します。
この温度の上昇によって冷凍している食品の一部が溶けると、細菌や微生物が繁殖してしまうため、衛生的に良くありません」
冷凍庫内は整理して、目的の食材をすぐに取り出せるようにしておくと良いのですね。
冷凍庫内を整理するコツはあるのでしょうか。
「中期はまだ水分量の多い離乳食なので、おすすめは製氷皿タイプの冷凍保存容器とフリーザーバッグを使用することです。
製氷皿型の容器で食材を小分けに冷凍したら、フリーザーバッグに移せばOKです」
製氷皿タイプの冷凍保存容器をたくさん冷凍庫に入れておくのはかさばるし、容器もたくさん購入しなくてはならないので、わたしもよくこの方法を使っていました。
「フリーザーバッグに日付を記入しておけば、使い忘れの防止にもなります。
フリーザーバッグは、離乳食中期頃から使用することが増えてくるホワイトソースのようなソース類を薄くのばして冷凍保存するときにも便利ですよ。
固まったら立てて保存すれば、省スペースで整理しやすくなります」
割り箸で格子状に跡をつけておくと割りやすくなって、より使いやすいですね。
離乳食後期のポイント
1日の食事回数が3回に増えて、いよいよ離乳食の支度が大変になる離乳食後期。
また、外出先で離乳食を与える機会が増える時期でもあると思います。
「外出時は衛生面を考えると市販のベビーフードを利用することがおすすめですが、冷凍した離乳食を活用する方法もあります。
冷凍しておいた離乳食を保冷しながら短時間持ち運び、可能であれば外出先で食べるまで冷凍庫に入れておいてもらいましょう」
冷凍した離乳食を自然解凍させてはいけないのでしょうか。
「冷凍した離乳食の自然解凍はやめましょう。
時間をかけて解凍するとその間に細菌や微生物が繁殖し、食品が不衛生になってしまいます。
冷凍した離乳食は保冷しながら持ち運び、食べるときにしっかりと加熱して解凍することが大切です。
持ち運びの際は離乳食を保冷機能付きの容器に入れたり、保冷バッグに保冷剤とともに入れたりしておくと安心ですね」
保冷バッグや保冷剤は100均でも手に入りますよね。
わたしの経験上、幼児期以降も使用機会が多いので、用意しておいて損はないと思います。
外出時は解凍に電子レンジを使用することが多くなると思いますが、気をつける点はあるでしょうか。
「冷凍した離乳食を電子レンジで解凍する場合、解凍モードでは十分に加熱されません。
冷凍した食材を温めると細菌や微生物は再び繁殖を始めるため、しっかりと加熱殺菌する必要があります。
電子レンジを使用して解凍する場合は、必ず加熱モードを使用しましょう。
また電子レンジでの加熱はどうしても加熱ムラが発生してしまいます。
そこで、『短時間加熱して混ぜる』を数回繰り返し、全体をしっかりと加熱するようにしましょう」
移動時間が短く解凍も可能なら、外出時でも冷凍した離乳食を活用できるんですね。
離乳食完了期のポイント
「完了期の離乳食は、初期や中期の離乳食に比べると含まれる水分の量が少ない場合が多いと思います。
水分が多くない離乳食を冷凍する場合、食材の乾燥に注意する必要があります」と西川さん。
冷凍しておいた食材を解凍したらパサパサになってしまった、という話はよく耳にします。
これも冷凍したことで食材が乾燥してしまったためでしょうか。
「そうなんです。冒頭で説明したように食材は冷凍すると非常に乾燥しやすい状態になります。
さらに乾燥した食材は、酸化しやすくなります。食材の酸化は、味や見た目を悪くする原因になってしまうんですよ」
冷凍した食材が乾燥してしまうと、いいことがないですね……。どのように対策したら良いのでしょうか。
「食材を水分で覆うことをおすすめします。
例えば製氷皿型の冷凍保存容器にゆでた野菜などの食材を入れて保存する場合、少量のだし汁や野菜スープを一緒に注いで冷凍しましょう。
フリーザーバッグを使用する際も、水分の少ない食材の場合はだし汁やスープを一緒に入れて保存するのがおすすめです。
ただしこのとき、ごく薄く伸ばして冷凍することをお忘れなく。分厚く凍らせてしまうと割ることができません。
また、冷凍保存する袋の空気を抜くことも乾燥を防ぐ効果があります」
冷凍する食材に水分をまとわせたり、袋の空気を抜いたりしておくと乾燥を遅らせることができるんですね。
「もし乾燥しやすい状態で冷凍保存した場合は、1~2週間程度を目安に消費するようにしましょう。
冷凍した食材に霜がついていたら、食材が乾燥しているサイン。すでに食感が悪くなっている可能性もあるので、離乳食への利用はおすすめしません。
冷凍した食材は、霜がつく前に消費するようにしましょう」
冷凍した離乳食をおいしく赤ちゃんに食べてもらうために、乾燥には十分注意したいですね。
【食材別】離乳食の冷凍保存方法
離乳食に使用される代表的な食材について、冷凍保存方法をご紹介します。
①炭水化物
・おかゆ
月齢に応じた固さに炊いたものを、製氷皿型の冷凍保存容器に入れます。
粗熱が取れたら冷凍庫へ入れます。製氷皿にフタがない場合はラップをしましょう。
凍ったら容器から取り出し、フリーザーバッグへ移します。
なるべく袋の空気を抜いて袋を閉じ、冷凍庫で保管します。
・パン
食パンの耳を取り、白い部分のみ使用します。
月齢に合わせて使いやすい大きさに切り、1食分ずつラップにくるみます。
フリーザーバッグへ入れ、なるべく空気を抜いて袋を閉じ、冷凍庫で保管します。
・うどん
軟らかくなるまで茹でたらざるにあげ、流水で洗います。
月齢に合わせた長さにカットしたものを、1食分ずつラップにくるみます。
フリーザーバッグへ入れ、なるべく空気を抜いて袋を閉じ、冷凍庫で保管します。
【西川さんからのアドバイス】
冷凍した食材は乾燥しやすいので、なるべく空気に触れないようにラップでくるんでフリーザーバッグに入れると良いでしょう。
パンはパン粥にして冷凍すると、乾燥しづらくなります。
うどんは、下茹での必要がない市販の離乳食向け冷凍うどんもありますよ。
②ビタミン・ミネラル
・にんじん
大きめ(1〜2cm幅の輪切りなど)にカットして軟らかくなるまで茹で、月齢に合わせた形状に調理します。
ペースト状にしたものは、薄くのばしてフリーザーバッグに入れ、なるべく空気を抜いて袋を閉じ、冷凍庫で保管します。または製氷皿で小分けにして冷凍したものを、フリーザーバッグへ移して冷凍庫で保管します。
固形の場合は製氷皿で凍らせるか、使いやすい量に分けてラップにくるみ、フリーザーバッグへ入れて冷凍庫で保管します。
・ほうれんそう
初期〜中期は葉先のみを使いましょう。後期以降は茎も使うことができます。
軟らかく茹でて、水にさらしてアクを抜きます。
中期以降の場合、月齢に合わせた大きさにカットしたものをラップで小分けにし、フリーザーバッグへ入れ、なるべく空気を抜いて袋を閉じ、冷凍庫で保管します。または製氷皿で小分けにして冷凍したものを、フリーザーバッグへ移して冷凍庫で保管します。
初期の場合、1食分をスティック状などの手で握りやすい形にラップでくるんで冷凍し、凍ったものをすりおろすと良いでしょう。
・りんご
初期の場合はすりおろして使用しましょう。1食分を大人の手で握りやすい形にカットしたものを茹でて、ラップにくるみます。その後、フリーザーバッグへ入れ、なるべく空気を抜いて袋を閉じて冷凍し、冷凍したものをすりおろして使用します。
中期以降は、いちょう切りなどにしたものを月齢に合わせた固さに茹でて、さらに月齢に合わせたサイズにカットします。製氷皿に入れて、凍ったらフリーザーバッグへ移しましょう。なるべく空気を抜いて袋を閉じ、冷凍庫で保管します。
【西川さんからのアドバイス】
茹でたものを冷凍してからすりおろす方法は、にんじんでも使えます。
バナナや桃などは、りんごと同様の方法で冷凍することができます。
野菜やフルーツは冷凍しても栄養素はキープできますが、シャキシャキとした食感は失われることがあります。細かく切ったりすりおろしたりすることで、食感の違いを気にせずに使用することができます。
③タンパク質
・魚
茹でて骨と皮を取り除き、月齢に合わせた形状に調理します。
薄くのばしてフリーザーバッグに入れ、なるべく空気を抜いて袋を閉じ、冷凍庫で保管します。または製氷皿で小分けにして冷凍したものを、フリーザーバッグへ移して冷凍庫で保管してもよいでしょう。
・鶏ささみ
そぼろ状にする場合、筋を取り除いて1本ずつラップでくるみ、フリーザーバッグへ入れます。なるべく空気を抜いて袋を閉じ、冷凍庫で保管し、凍ったものをすりおろしてから茹でて使用します。
刻んで使用する場合、筋を取り除いて茹で、月齢に合わせた大きさに刻みます。薄くのばしてフリーザーバッグへ入れ、なるべく空気を抜いて袋を閉じ、冷凍庫で保管しましょう。製氷皿で小分けにして冷凍したものを、フリーザーバッグへ移して冷凍庫で保管してもよいでしょう。
【西川さんからのアドバイス】
肉や魚などは冷凍しても食感が変わりづらく、冷凍保存に向いている食材と言えます。一度に多めに下ごしらえして冷凍しておくと便利ですね。
離乳食の冷凍保存におすすめの容器
離乳食の冷凍保存に必要な容器についても西川さんに教えていただきましょう。
「離乳食の冷凍保存をするときに使いやすい容器は大きく分けると3つのタイプがあります。
①製氷皿型容器
②タッパー容器
③フリーザーバッグ
それぞれの容器に特徴があるので、赤ちゃんの成長やご家庭のライフスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう」
以下では、西川さんに教えていただいた離乳食におすすめの冷凍保存容器の特徴をご紹介します。
①製氷皿型容器
〈製氷皿型容器の特徴〉
・離乳食初期に便利なごく少量の容量からサイズ展開している
・冷凍したものが取り出しやすいように柔らかい素材でできている
・食材がこぼれたり乾燥したりすることを防ぐフタ付き
離乳食初期〜中期など、一度に食べる量の少ない時期に使用するイメージの製氷皿型容器ですが、後期以降も食材によっては少量ずつしか使わない食材もあります。
わたしも1年程度は製氷皿型の容器を使った記憶があり、コストパフォーマンスが悪いとは感じませんでした。
とはいえ確かに短期間しか使わないものなので、費用が気になる方は100均の商品を検討しても良いかもしれません。
〈おすすめの製氷皿型容器〉
■リッチェル わけわけフリージングブロックトレー
わたしが使用していた製氷皿型の冷凍保存容器です。使いやすい3つのサイズ展開。
やわらかい素材で取り出しやすく、食洗機にも対応しています。
■小久保工業所 ByeByeおっぱい
100均で販売されていることが多い離乳食用の製氷皿タイプの容器です。2種類のサイズがあり、フタも付いています。
こちらの商品のフタは閉めても固定されず外れやすいため、輪ゴム等でとめて冷凍する必要があります。
②タッパー容器
〈タッパー型の容器の特徴〉
・容量が大きい
・食器としても使える
・持ち運びしやすい
・離乳食以外の用途にも使える場合がある
離乳食後期以降など、赤ちゃんの成長に伴って製氷皿型の容器の容量では足りなくなってきたら、タッパー型の容器が便利です。
電子レンジ使用可の容器を選べば解凍時に別容器に移す必要もなく、洗い物を減らすことができます。
外出時に冷凍庫から取り出して持ち運ぶことも可能です(持ち運ぶ際は保冷し、離乳食が自然解凍しないように気をつけましょう)。
シンプルなタッパー容器なら、離乳食が終わってからもごはんを冷凍したりするのに使えるので、お得感もあります。
〈おすすめのタッパー型容器〉
■ジェクス チュチュモグモグ小分けパック
3つのサイズ展開が使いやすいタッパー型の容器です。冷凍保存、電子レンジでの解凍が可能です。
■山田化学 ミリオンパックミニミニ
こちらは100均の商品で、容量80mlのタッパー4個セットです。冷凍保存可能で、フタを外せば電子レンジも使用可能です。
離乳食以外にも、大人用の食事に使用するソースなどを保存するときにも使えて便利です。
③フリーザーバッグ
〈フリーザーバッグの特徴〉
・冷凍庫の中でかさばらない
・使い捨てで清潔
・日付などを書き込める
・離乳食以外にも使用用途がある
食材別冷凍保存方法でもたびたびご紹介したように、製氷皿型の保存容器で小分けに冷凍した食材は、フリーザーバッグに移すのがおすすめです。
保存容器はどうしても冷凍庫内でかさばりますが、フリーザーバッグを使えば比較的省スペースで保存することができます。
なるべく空気を抜いてジップを閉じることで、食材の乾燥を防ぎましょう。日付を書いておくと消費する目安になります。
また、食材を薄くのばして冷凍するときにも活躍します。
離乳食以外にも用途が多いので、購入しても損はない商品と言えます。
スーパーや薬局、100均など身近な場所ですぐに手に入る手軽さも魅力ですね。
〈おすすめのフリーザーバッグ〉
■旭化成ホームプロダクツ
丈夫な素材で、冷凍保存も電子レンジの使用も可能です。水分の多いものはそのまま入れて薄くのばして冷凍すればOKですが、固形のものはラップにくるんでから入れるとより乾燥を防ぐことができます。
なお、同じジップロックシリーズのタッパー容器も、離乳食後期以降に離乳食の量が多くなってきた際の冷凍や解凍などに使用できて便利です。
冷凍した離乳食の解凍方法
冷凍した離乳食はどのように解凍したら良いでしょうか。
「冷凍した離乳食を解凍するときにいちばん良い方法は、小鍋での解凍です。
全体をまんべんなくしっかりと温められますよ」
小鍋なら、解凍している間に水分が足りなくなればだし汁やスープを足したり、逆に多ければ煮詰めたり、調節しやすいのもメリットですね。
「電子レンジで解凍する場合は必ず加熱モードで、『短時間加熱して混ぜる』を数回繰り返すルールを守ってくださいね」
小鍋を洗う気力すら残っていない日もあるので、ルールを守れば電子レンジでも解凍できるのは助かりますね。
冷凍した離乳食の保存期間は?
冷凍保存した離乳食の保存期間の目安はどのくらいなのでしょうか。
「冷凍した離乳食をおいしく食べられる保存期間の目安は、水分の多いものは1か月程度、水分の少ないものは2週間程度です。
冷凍した食品は長期保存が可能ですが、長く保存しすぎると乾燥や酸化によって食感、味、見た目が悪くなることがあります。
また長期間冷凍庫に入れていると、その間の冷凍庫の開閉によって冷凍している離乳食の一部が溶け、細菌や微生物が繁殖して食品が不衛生になってしまうこともあります。
大切な赤ちゃんの口にする離乳食なので、おいしく安全に食べてもらえるよう、注意しましょう」
冷凍ストックを入れたフリーザーバッグに日付を書いておけば、この保存期間の目安に従って期限を判断することができますね。
冷凍に不向きな食材に注意
食材の中で、冷凍できないものはあるのでしょうか。
「冒頭で説明したように、豆腐、こんにゃく、かまぼこ、ゼリーやプリンなどは、冷凍すると食感が変わってしまうため、冷凍には不向きと言えます。
またじゃがいもやさつまいもなどは、生の状態で冷凍すると色が黒ずんでしまうことがあります」
豆腐やいも類は離乳食に使いやすく便利な食材ですが、冷凍には不向きなんですね。
「豆腐はご家庭では冷凍できないものに入りますが、市販のカット済みの冷凍豆腐がありますよ。
またいも類は加熱してから冷凍すれば、解凍してもおいしく食べることができます。加熱してから冷凍したものを冷凍のまますりおろせば、きめの細かい滑らかなマッシュポテトにすることもできますよ」
豆腐は消費期限があまり長くないので、カット済みの冷凍商品があるのは助かりますね。
マッシュポテトは離乳食にも大人の食事にも活用できて便利な食品なので、わたしもよく使っていました。
マッシュをしてから冷凍する場合は、フリーザーバッグへ入れ、薄くのばして冷凍保存すると良いでしょう。
冷凍離乳食を購入してさらに時短
わたし自身、娘たちが赤ちゃんの頃は予想外の事態が毎日のように起こり、離乳食の冷凍ストックまで作る余裕がない日も多かったと感じます。
「そんなときには、市販の冷凍離乳食がおすすめです」と西川さん。
「もともと冷凍してある離乳食なので、購入したら冷凍庫に入れるだけです。
便利な下ごしらえ済みのものが多く、解凍すればすぐに使うことができますよ」
離乳食も冷凍の商品が販売されているんですね。冷凍庫に常備しておきたくなります。
冷凍離乳食はインターネット通販や生協、大手スーパー等で手に入れることができます。
ここでは通販で手に入るいくつかの商品をご紹介します。
■mogcook はじめてお魚コース
10gずつ冷凍された3種類の白身魚が15袋のセットです。定期購入も可能。
骨は手作業で取り除いてあるとのことですが、皮は付いた状態なので必要に応じて取り除いて使用しましょう。
■コープ きらきらステップ
キューブ状に小分けされたおかゆや野菜、下ごしらえ済みのうどんなど、忙しいパパママにありがたい冷凍離乳食が多彩に揃っています。
■トップバリュ うらごしじゃがいも・すりつぶし栗かぼちゃ
北海道産のじゃがいもとかぼちゃを使用したイオンの冷凍食品です。約13gのキューブが15個入り。離乳食以外にもいろいろな料理に使えて便利です。
イオンにはこのほかにも下ごしらえ済みのオーガニックの野菜など、離乳食にも使いやすい冷凍食品が揃っています。
離乳食の冷凍レシピ
冷凍に向いている離乳食のメニューとはどんなものでしょうか。
「冷凍した食品は乾燥しやすいので、水分を多く含むメニューがおすすめです。
例えばスープやソース類は、冷凍に向いていると言えますよ。
また、離乳食を冷凍する大きなメリットは時短ができることですよね。
少し手間のかかる料理はまとめて作り、冷凍しておくのがおすすめです」
と西川さん。そのアドバイスをもとに、冷凍におすすめの離乳食レシピをいくつかご紹介します。
・中期:ホワイトソース(旭化成)
電子レンジで作れる簡単なホワイトソースのレシピです。製氷皿で冷凍する方法が紹介されていますが、フリーザーバッグに直接入れて薄くのばして冷凍することも可能です。
・完了期:ふんわり餃子(キユーピー)
ベビーフードを活用した餃子のレシピです。冷凍する場合は茹でる前のものを金属製のバットなどに並べてラップをして冷凍し、凍ったらフリーザーバッグに移します。
冷凍離乳食活用レシピ
続いて市販の冷凍離乳食を活用するレシピをご紹介します。
余裕のないときでもあっという間にできる簡単レシピを選びました。
・初期:かぼちゃがゆ(コープデリ)
コープの冷凍おかゆのキューブと冷凍うらごしかぼちゃのキューブを解凍して混ぜるだけという、忙しいときにも作りやすいレシピ。野菜を変えたりタンパク質を追加したり、アレンジも自在です。
・中期:人参スープ(パルシステム)
パルシステムの冷凍離乳食、yumyum産直うらごしにんじんを使用しています。
このスープに細かくした食パンを加えてパン粥にしたり、後期以降なら細切りの食パンをディップしたりもできますね。yumyum産直うらごし野菜シリーズにはかぼちゃやコーンなどほかの野菜もあるので、野菜を変えてみてもいいでしょう。
・後期:キャロットたまごパン(オイシックス)
oisixの冷凍離乳食、安心野菜のベジキューブを使用しています。一品で炭水化物、ビタミン、タンパク質がすべて摂れて嬉しいレシピ。手づかみ食べの練習にもなります。
離乳食の冷凍を活用して毎日にゆとりを
今回は離乳食の冷凍について、冷凍王子・西川剛史さんに教えていただきました。
赤ちゃんに安全においしく離乳食を食べてもらうために、正しい方法で冷凍した離乳食を活用していきたいですね。
ルールを守れば、冷凍離乳食はパパとママの強い味方になります。
体や心に余裕のないときは、今回ご紹介した市販の冷凍離乳食や簡単レシピもぜひ取り入れてみてください。
日々悩みの尽きない子育てですが、手間抜きしながら乗り越えていきましょう。
サポートをいただいた場合は、衛生・栄養学・冷凍関連の専門家へのインタビュー謝礼やご寄稿謝礼に活用をさせていただきます。 サポートとともに、お知りになりたい知見についてのリクエストもお待ちしています。