【ベルリンからコペンハーゲン】600kmを自転車で行ってみた
ドイツの首都ベルリンからデンマークの首都コペンハーゲンまで、古い普通のチャリンコで漕いでみた記録。
父親がコペンハーゲンまで来るというので、会いに行くことにしたが、ただ行くのでは面白くない。
そうだ!友達がベルリンからコペンハーゲンまで自転車旅行した話を思い出した。
わたしも、漕いでみるか。
準備と計画
思い立ったらすぐ行動!
てなことで、とりあえず家にある古いシティーバイクのチェーンにオイルだけ差して、荷物とテントを積んだ。あと、お尻にパットの入ったパンツだけ購入。そして、ざっくり計画を組む。車輪がキーキー言うが、まあ大丈夫だろう。1週間頑張ってくれ。
直線距離は約440km(海をまたぐ)
さらに調べていくと…
『BIKEWAY BERLIN-KOPENHAGEN』という整備された700kmの自転車道があるではないか〜!
これはあついぞおおおお
1日100km、ちょうど7日間か。ルートの計画をKomootというアプリでチャチャッと組む。
自転車旅に特別な装備はいらない。高い自転車もいらない。ママチャリで日本横断してる人もいるではないか。あるもので行こう。
持ち物
こんなかんじ。
ルート
全行程のルートはこちらから↓
1日目
とりあえず郊外まで電車で。
よおおおおし、しゅっぱーつ!
今まで友達やパートナーと自転車旅行したことはあっても、1人は初めて。ちょっと緊張。1人でテント泊、寒くないかな。テント張るとこ見つかるかな。怖くないかな。1日100kmも漕げるかな。パンク修理できるかな。チェーン切れないかな。あああ
といろんな不安が脳内をぐるぐるするが、漕ぐうちに静かになっていく。
1日目は午後の4時くらいから漕ぎ出したので、60km。ベルリン州のちょいと外までいきました。
2日目
おはようございます。テントが1番熟睡できる体にいつなったことか。にしても、1人テントは寒いですな。はよ、彼氏を作ろう。ぬくもりが欲しい。
2日目も晴れ。晴れ女だったか、わたしは。1人旅は絶対晴れ。最強じゃ。
1時間半くらい漕いだら、ででーーーん
ここはいったい、どこだ。
ラーフェンスブリュック強制収容所
重いが歴史を勉強するのは大切。入場は無料。結構見所あり。おすすめ。
Warm Showers
今晩は、キャンプ場ではなくピーターおじさんの家に泊まる。ピーターおじさんとは、Warm Showersというサイクリング専門のカウチサーフィンみたいなプラットフォームで、『泊まらせてください』とメッセージを送って泊まらせてもらえる最高最強のプラットフォームで知り合った。
ピーターおじさんは、あの有名なFusionフェスティバルが行われるMüritz湖の近くの小さな村に住んでるみたい。
彼の祖父母さんは東ヨーロッパから難民としてドイツにたどり着いたんだとか。ベルリン中央駅に降り立った時、どこに住みたいかい?と聞かれ、「子供たちを育てるための牛乳がとれるところ」と答えたことから、牛のたくさんいるこのエリアに引っ越してきたんだって。音楽の先生をやってるらしい。2人の娘さんは、わたしと同い年。彼氏さんのトマスさんと同棲してる。英語とわたしの拙いドイツ語で、食卓をかこむ。
自分のガーデンでとれた野菜、卵で夕飯、朝ごはん、そしてお弁当まで作ってくれた。神様か。
若い時はゲイクラブに行くために、よくベルリンに通ったんだとか。
「でも、トマスとあったのは地元の湖のビーチなんだよ」
3日目
三日目は湖沿いを朝からこぐこぐ。やっぱり、オンボロチャリではなく、ちゃんとした自転車買えばよかった。
自転車道といっても、アスファルトで舗装された道路ばかりではなく、砂利道も多いため、重い荷物を持って走るとパンクするの怖いし安定しないし怖い怖い。
そして、あれあれ、行き止まりじゃないですか。
ルートを変更し、自動車道を走ることに。自転車レーンがないので横を車がビュンビュン飛ばす。日本みたいに、親切のカケラもない。トラックが通ると、風に吹き飛ばされそうになる。必死に自転車にしがみついて漕ぐのであった。
今日は100km以上こいで、最後はBützowという小さな町にあるキャンプ場に泊まることに。この周辺はカヌーが盛んで、みんな湖をカヌーで渡りながらキャンプするのが人気アクティビティらしい。このキャンプ場も湖に面していて、貸し出し用カヌーがたくさん置いてあった。
ここで、カヌーでやってきたドイツ人カップルと仲良くなり、夕日を見ながらぺちゃくちゃ。
日没間際に、コペンハーゲンからベルリンまで自転車で向かう同い年くらいのコペンハーゲン在住アルゼンチン人と出会った。
「よりよい生活を求めてヨーロッパに引っ越してきたんだ。」
そんなことをいいながら、コペンハーゲンのおすすめスポットを教えてくれた。
4日目
テント泊にも慣れてきたのか、ぐっすり眠れた。朝は決まって近くのパン屋でパンとコーヒーをいただくの。最高の幸せ。
今日は朝から霧がすごくて、なんか神秘的。ドイツ北部港町のRostockまで2時間あっという間だった。
今日は休憩日ということで、車で来ていた友達と合流してボルダリングしてのんびりすることに。ボルダリングジムは、作業スペースも充電スペースもシャワーもついていて最強すぎ。
ここで、父親から連絡が入る。
「コロナにかかりました。」
どうやら、コペンハーゲン行きは中止になったらしい。
ちょっとショックだったけど、ここまで来たし、このまま一人で旅を続けようと思った。
5日目
今日はフェリーでドイツからデンマークへ渡る。フェリーに自転車で乗り込むんはちょっとドキドキだったけど、あっけないほどスムーズだった。出航15分前にチケットを買って、そのまま自転車で漕いでトラックとともに船の中へ。チケットはたったの15ユーロ(2000円ちょっと?)
途中、スイス人カップルに出会った。彼らも同じルートを自転車で旅しているんだとか。50代後半かな。いいなあ、わたしもこんなふうに歳とりたい。
フェリーでおよそ2時間ほど。デンマーク側のGedserに到着。船の中にはレストラン(20ユーロで食べ放題)や小さなショップやスタバ?もあったかな。充電器も至る所にあって、さすがこちらのニーズを把握している!と感動。
最初は海沿いをずっと漕ぐのだが、なんにもないところに急にたくさんの子供たちが!
なになに?
森の中の保育園だって。デンマークでは結構多いらしい。
こんなところですくすく育ったら、また違った感性が養われそう。。。
フェリーを待っていると、3ヶ月北欧を自転車で放浪していたというピアスとタトゥーだらけのおじさんが「今日はどこに泊まるの?」と聞いてきた。
まだ決まってないんですよ(オホホホ)
なんて答えると、
「このShelterアプリっての絶対に使いなさい!デンマークはそこら中にフリーシェルターが大量にあるんだよ。すばらしいよ。はい、ここおすすめ。」
とある無料で泊まれるシェルターを紹介してくれた。
そしてこれが、そのシェルター↓
デンマークには、このような木製シェルターがいたるところにあって、ハイカーやバイカーが寝泊まりできる設備がいたるところに設置されている。焚き火もできて、水場もある。まさにアウトドア好きには天国。
人気そうなスポットだけど、電波が通じず、今日は私一人。ちょっと寂しい。なんだかんだ、一人に弱いのかも。
なんてね。
ところがですよ。夜中にネズミ大量発生事件。ガサゴソうるさいな、って目を覚ましたらネズミさんがわたしの防水バッグの中で暴れてるではないですか。こら、防水袋をかじって穴を空けちゃったら防水じゃなくなっちゃうでしょうよ。
自転車のパニエもチェックしたら、どこから侵入したのかネズミさんがわたしの食糧を食べている最中でした。たくさん、ウンコもされていました。
このシェルターはネズミさんの家だったみたいです。お邪魔しました。
ということで夜中に近くのキャンプ場に引っ越しました。
6日目
おはよう!海沿いで目覚める幸せ。
今日は、朝から体が重く、本当はMøn島の先端まで自転車で行く予定だったのを変更し、小さなカフェでコーヒーとシナモンロールを食べることにした。
これが美味しすぎ。かわいすぎ!ちょっと高めだけど、パンもおいしすぎいいい!!!デンマークのパン屋最高。
昼休みにふとトイレする場所を探しに森の奥に入っていくと。。。
またまたシェルター発見!
この日は、パンが美味しすぎたことしかあまり覚えていない。
今晩はどこに泊まろうか。シェルターアプリで確認すると、1箇所良さげのところを発見。海岸沿いで、鳥を観測する建物とかもあり、ちょっとした公園になっている。
ここで、Jという女性と出会った。ドイツ人で、3人のお子さんがいるんだとか。子育てがひと段落してから初めての一人旅らしい。かっけえええ!
彼女の隣だったら安心、とテントを貼らせてもらってぐっすり眠った。今日はネズミさんも怒らせずに済んでよかった。
7日目
本日が最終日。朝起きて、鳥を観に行った。
天気はまあまあ。晴れ、曇り、ときどき雨。
最終日ということもあって、あっという間だった。
あれ、もうコペンハーゲン?
コペンハーゲンではWarm Showersをもう一度使い、HとDのお宅に泊めさせてもらった。3ヶ月前に一年間の自転車旅から帰ってきたばかりなんだとか。素敵なカップルすぎて、心が溶けました。
旅のドキュメンタリーを作っているらしくて、ぜひ観てみて!君も自転車旅に出たくなるはず!
帰りは、父親と乗るはずだった電車のチケットをキャンセルして、夜行バスで帰ることにした(節約)片道50ユーロ。乗り換えなしで、自転車も後ろに乗っけられるから楽。
終わりに
一人でいる時間の長い旅だったけど、孤独死しなかったのは良い発見だった。むしろ、かなりEnjoyできたと思う。これだったら、もう少し長めの自転車旅も行きたいかもしれない。今度は、もう少し計画して、もう少し太めのタイヤで臨みたいな。
コペンハーゲン、意外と近そうで、遠そうで、近かったな。
今回の自転車旅に関しては英語でもまとめてみました。この日本語の記録より少しだけより丁寧に書いてあります。
以上。
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