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12ステップ・プログラム

 幼少期から自分の存在理由を考えていることが好きで、その理由から意味を抽出しようと試みているうちに、あらゆる物事の意味を見つけることに執着するようになり、突き詰めて考えないと不安に襲われることがよくありました。

 そんな考え事をしていないと、自分が保てないという強迫観念みたいなものもあったと思います。

 今は、自分の存在に理由も意味もないことは自覚していますが、根底には自分への強い執着と見捨てられることへの不安がありました。

 これは、自分の価値観や立場を守りたいので、それを脅かす変化に敏感になっていたと思います。



12ステッププログラム

 12ステップ・プログラムとは、アルコール依存症や薬物依存症などの依存症からの回復を目指すための自己助力プログラムで、アルコール依存症者の自助グループ「アルコホーリクス・アノニマス(AA)」によって最初に開発され、現在、他の依存症治療プログラムにも広く採用されています。

 私は2024年で11年目の「ナルコティクス・アノニマス(NA)」のメンバーになります。その間、一度も薬物やお酒、処方薬など何も使わず生活を送ることができています。

 上の動画は精神科医による「12ステップ・プログラム」の解説動画です。こういった内容のものは、参加者の想いと乖離しているものが多いですが、的確にまとめられています。

 プログラムの目的は自己認識や理解を深めることで依存症の根本原因に取り組むことができ、新しい認知や行動パターンを学び、依存症に関連する有害な行動の減少や代替を促します。

 また、12ステップ・プログラムWikiで挙げられている「スピリチュアルな病気」を転載します。



スピリチュアルな病気

  • 落ち着きがなく過敏で、不満を感じている

  • 対人関係に問題を抱えている

  • 感情的な性格をうまくコントロールできない

  • 不幸や抑うつの犠牲であったり、苦しんでいる

  • 生活を立てることができない

  • 現在の状態が幸せで不幸な生き方ではない

  • 自分に価値がないと感じている

  • 恐怖に満ちている

  • 不幸である

  • 他者に対して現実的な助けができない 

  • 劇場全体を駆け回わりたい役者のようである 

  • 恐れ・自己妄想・自己探求、自己同情に駆り立てられている

  • 衝動的になっている

  • 二重生活を送っている

  • 他人の人生の上を通過する

  • 竜巻のような生き方をしている

  • 利己的で控えめな習慣を持つ


 自分の生き方を通すためにトラブルや事件を起こしてきた私は、今までの罪を償うためには「幸せになってはいけない」と思い、司法病棟から施設につながりました。

 集団生活やプログラムを真剣に取り組むことが間接的な埋め合わせになり、それが唯一の罪滅ぼしになると言い聞かせながら生活してきました。

 「何もなかった事になってほしい」「事件前に戻ってほしい」と何度も何度も思う事もあり、今でも落ち込むことがあると、そう思ってしまうことがあります。その考えが頭をよぎるたび、不甲斐ない自分が受け入れられず、自分のことが許せない気持ちになっていました。

 ただ、新しい生き方をしようとすればするほど新しい人とも出会います。白黒思考だった人生に色を与えてくれる人がたくさんいます。自分で色を塗りつぶしてた人生から色を楽しめる自分になっています。

 それは「苦しい過去」が「今に繋がる人生の学び」へと塗り替えられていく作業でもありました。


罪とは存在する代わりに創作し、ただ空虚の中でのみ善と真とを問題にし、実在的にはそれであろうと努力しないことである。

人生は後ろ向きにしか理解できないが、前を向いてしか生きられない。

人間は無限性と有限性との、時間的なものと永遠なものとの、自由と必然との総合、要するにひとつの総合である。

総合というのは、ふたつのあいだの関係である。

セーレン・オービュ・キェルケゴール



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