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内観療法

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過去の経験や体験を見つめ直し、自己の再発見とともに、生きる喜びに変える気づきと学び。
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#薬物依存症

12ステップ・プログラム

 幼少期から自分の存在理由を考えていることが好きで、その理由から意味を抽出しようと試みているうちに、あらゆる物事の意味を見つけることに執着するようになり、突き詰めて考えないと不安に襲われることがよくありました。  そんな考え事をしていないと、自分が保てないという強迫観念みたいなものもあったと思います。  今は、自分の存在に理由も意味もないことは自覚していますが、根底には自分への強い執着と見捨てられることへの不安がありました。  これは、自分の価値観や立場を守りたいので、

同時存在

 今回は、薬物依存症回復支援施設に入寮して約2年経過した時、「ニュースレター」として投稿した記事です。  前回は入寮後、1週間も経たずに『iが姿をアラワす』を投稿することになり、私が「医療観察法」の処遇を受ける経緯や過去の生き方を綴りました。  2013年4月に傷害事件を起こし、2015年5月に司法病棟を退院後、施設に入寮しながら通院処遇を受けることになった。入院中に自助グループのミーティングを設けてくれたので、ミーティングに参加していた仲間のおかげで寮生活にもすぐに慣れ

iが姿をアラワす

探しても見つからなかった 忘れていることも忘れていた 取り戻そうとして苦しんだ すべては 自分が何者であるかを思い出す 旅のはじまりだった  私には薬物に対する恐怖や抵抗をもつ情報以上に好奇心や環境の方が整っていた。最初に使用したのは大麻だった。音楽によく効くと聞いていたので積極的に関わった。使った印象は味覚や聴覚に効果が表れ、解放感は酒のほうが強いが、使用後の柔らかい心地よさから好きになった。  しかし、いつの間にか目的が変わり、昔から感じていた孤独感や虚無感を埋め