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職場での、ある光景

こにちはぬん。
連休中も仕事が忙しかったベビだす。


ここ数日どの担当部署も忙しく、手の空いている部署も人もいないほどのハードモードな日々だった。
そんな多忙も相まってか、連絡事項を伝えるため別部署に立ち寄った際、上司に何やら叱責を受けている女性社員さんとそのシーンに出くわしてしまった。

うちの会社は女性社員が多く、皆私より年齢が若い子が多い。
やっと20代半ばになるかならないか、という若い女性が比較的多い職場である。

上司も、部下に注意する時は人目を避けて注意する。これは大切なことで、「人前で注意や叱責する事はそれがいくら正しい注意でも、プライドを傷つけてしまうから」だ。

突然のわたしの入室によって、上司は最後に一言だけ若い女性社員に言い残し、その場を離れた。
各部署ハードな日々を送っている中で、体力的にも精神的にも一気に込み上げるものがあったのかもしれない。
上司が去ってから、若い女性社員はドア越しに外から見えないようその場にしゃがんで、泣いていた。

いつもなら、このような光景を目にしてもわたしは黙ってその場を離れる。
本人も、そんな光景を見られていい気はしないだろう。
だか、皆いっぱいいっぱいの状態でここ数日をやりくりしていることを知っているからこそ、何か声を掛けたいと、その時に思った。

しゃがんで声も出さずに泣いている女性社員の隣に同じようにしゃがみ、声を掛けた。


「何があったのかはわかりませんけど、いつも(あなたが)頑張っているのは皆さんちゃんと知っていますよ」

言いながらポンポンと肩を叩くと、
「思ったように上手くやれなくて……」
と涙声で彼女は漏らした。

「疲れが溜まると思ったようなパフォーマンスが出来ないような、そんな時もありますよ」

言いながら、何か気の利いたものでも持っていないか自分の仕事用のウエストポーチを覗いてみた。
が、この場で役に立ちそうなものはウェットティッシュしかなかった。

「これあげる! 元気だして(*´ω`*)」

とウェットティッシュを出すと、ウケたのか笑ってくれた。

「わたしは持ち場に戻りますが、気持ちは『早く切り替えたもん勝ち』だと思って!!」

と言うと、
「ありがとうございます」
と泣き笑いしていた。

時間にして1、2分だろう。
わたしは自分の持ち場に戻った。

その後は知らないが、うちの職場の若い女性社員は上司から叱責されても、更衣室やトイレに閉じこもっていつまでも泣く人はいない。
同じような光景を何度か見たことがあるが、皆人目につかない場所で1、2分涙を流して、その後はサッと気持ちを切り替えて「仕事の顔」を作り直し、持ち場へ戻る。

わたしよりずっと年下で、年齢的には「まだまだ女の子」である20代半ばかそれより若い彼女ら。
けれど、とても強いと思う。

悔しいことや、歯痒いことがあっても、
「慰めてもらうために人前でこれみよがしに泣く」ような子はいない。

人目につかない場所で、ほんの1、2分だけ泣いて、その後は強い足取りを取り戻し、持ち場へ戻って行く。

とても強い女の子たちだ。

上司に少し小言を言われただけで、いつまでもグチグチと周囲に文句を垂れるような男より、ずっとたくましい精神力とプロ意識を持っている。

そんな彼女らと働けることは、誇りでもある。
同様に、自分より年下など年齢関係なく、働く人として尊敬している。

性別や、年齢ではない。
仕事というものをどう受け止めているか、自分自身に対してのプロ意識をどれほどしっかりと持っているか。

彼女たちを見ていると、「この人が30代になった時はさぞかし優秀な社会人となっているだろう」という明るい未来が浮かぶ。

自分が潰れるほどの無理は言うまでもなく禁物だが、同じように「自分を駄目にしてしまう(堕落させる)ような過剰な甘え」も、本人の未来にとって望ましくない。

自分には程々に厳しく、そしてたまには労って。
そのバランスを取りながら、社会人として、人として、成長していくのだろう。

年齢や経験を重ねれば、「ズルい、狡猾な立ち回り」もいつか覚えていくだろう。
そのスキルが乏しい若い時期にこそ、素直に意見を取り入れて、省みて、自分の「本当のスキルを磨くため」の基盤を強固に出来る。
経験値がまだまだこれからという、若さゆえの強みだ。
基盤があってこそ、応用や柔軟性が活きてくる。
それもきっと、身を助く。

自分が20代前半だった頃、仕事に対して彼女らと同じほどのプロ意識や強い精神力があっただろうかと自問し振り返ると、
「いや、負けてるな」
と正直に思う。

だからこそ、応援したいと思う。

自分の実年齢が上だからこそ、素直に応援したいと思うのだ。
悔しかったことも反省したことも帰宅後に流したかもしれない涙も、きっと未来には大きな武器に姿を変えて、あなた独自のものとなる。
そうなるような日々を送って欲しいと、心から思う。
日々懸命に頑張る若者に、明るい未来あれ!!!

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