もう子供じゃないよ

※完全フィクションです※

※ちょっと過激かも・・・※

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少し肌寒くなってきた。

そろそろ紅葉が見頃かな

なんて思い始めた季節。

今日はある人と待ち合わせ。

会うのは10年ぶりかな。

『あ、いたいた』

少し待ち合わせに遅れてしまっていた私は

ベンチで小さくなっている彼に駆け寄る。

『ごめん、お待たせ!』

「あ、凛ちゃん」

そう言って顔を上げた彼は

10年前と変わらない笑顔でこっちをみた。

「久しぶり!凛ちゃん変わらないね」

『朝陽くんも変わらないね』

「それはなんか嫌だなぁ」

『大人っぽくはなったけど

 笑った顔とかは変わらないなってこと!』

「そういうことね。中学生から

 顔変わってないは辛いよ」

『そうだね』

「お店予約してあるから

 早くいこ!」


朝陽くんと私の関係は

10年前。

塾の先生と生徒という関係。

私は大学生で、朝陽くんは中学生。


当時の朝陽くんは

典型的なやんちゃ坊主で

学校には寝に行ってると豪語していたり

中学生とは思えぬ髪型で塾に来ていたり

ダボダボでだらしないズボンを履いていたり。


子供だなと思って私は見ていた。


中学卒業と同時に塾を卒業した彼と同じ時期

私も就職がきまったのでバイトを辞めた。

特に連絡先を交換する訳でもなかったが

テクノロジーという物はすごい。

たまたまSNSで私が出てきて連絡をくれた。

飲みに行こうよと言われた時

あー。朝陽くんも成人したのかと

しみじみ、思った。


「凛ちゃんもビールで良い?」

『うん、良いよ』

「すいません!ビール2つで!」


可愛らしい顔立ちは変わっておらず

当時はまだ高かった声は

すっかり低くなって男らしくなっている。


『「乾杯!」』

「ねぇ」

『ん?』

「なんか顔についてる?

 さっきからめっちゃ見てくるけど」

『ごめんごめん。かっこよくなったなぁって思って』

「照れるじゃん、いきなり。

 まぁ、昔からベースは良かったし

 かっこ良くて当たり前じゃん」

『そういう自信家なところは変わらないね』

「男が自信なくてどうするのさ」

『ふふ、そうだね』


「凛ちゃん、今仕事何してるの?」

『美容外科で受付してるよ』

「なんかそれっぽい」

『どういう意味?』

「んー、凛ちゃんが綺麗だから?」

『何それ〜。からかってるでしょ』

「いや、わりと本心だよ」

そう言って、くしゃっと笑う彼に

ドキッとしてしまった。

『朝陽くんは今何してるの?』

「web関係だよ〜」

『意外。どちらかというと

 文系だったよね?』

「うん、そうだね。理数は本当苦手だった

 でも意外に関係なかった」

『そうなんだ〜』


お酒も進み

お互い徐々に深いところまで話していく


『今、彼女いるの?』

「いないよ」

「好きな人はいるけど」

『そうなんだ。どんな人?』

「それ聞く?

 んーまぁ年上の女性だよ」

『へぇーそうなんだ』

年上の女性と言われて

少し期待してしまう。

「凛ちゃんは、彼氏いないの?」

『いると思う?』

「ん〜、いないと思う!」

『自信満々に言わないでよ』

「ごめんごめん。でもいたら

 こうやって僕と飲みに行かないでしょ」

『どうだろうね。大人になったら

 そんなルール関係ないんじゃない』

「僕、自分の彼女が

 男の人と平気で飲みに言ってたら

 やきもち焼いちゃうな」

『嫉妬深いの?』

「そうでもないけど

 普通に嫌じゃん?」

『確かにそうだね』


良い感じに酔いが回り

そろそろお開き。


「すいません、お会計で」

慌てて財布を出そうとすると

「女の子に財布出させるとかありえないから」

『いや、でも。。』

「僕だって大人になったんだからね!」

『じゃあ、お言葉に甘えて』


「いや〜、久々に飲んだ」

『ごちそうさまでした』

「うん、いいよ〜」


「まだ、電車ある?

 今も実家住んでるの?」

『今も実家だよ。 

 朝陽くんは?』

「僕、あのマンション」

『え!?』


指差したマンションは

その地域では一番大きいマンションだった。


「びっくりしたでしょー?」

『びっくりするよ』

「39階の角部屋で夜景も綺麗だよ。

 電車大丈夫なら寄ってく?」

『うん、行ってみたい』


スマートにタクシーを拾う姿。

彼は大人になりすぎたんじゃないか。

考えてみれば高級ブランドに身を包んでいる

訳ではなかったが

アクセサリーや時計はいいものをしていた。

ただ大人になった訳ではないみたいだ。


マンションに着き

エレベーターが上に向かうのと同時に

心拍数も上がるような感覚に襲われる。

初めて入るいわゆる

タワーマンションに興奮してるのか

大人になった朝陽くんの部屋に入ることに

緊張してるのかはわからない。


「どうぞ〜」

『おじゃまします』


『うわぁ!!すごい綺麗!』


リビングに入ると広い窓から広がる

夜景が綺麗だった。


『部屋広いね』

「高層階はどうしても

 この間取りになっちゃうんだよね。

 仕事でも使ってるから良いんだけど

 一人暮らしにはちょっと広いかな」

『だよね。

 でも良いなぁ』


「まだ飲む?

 あんま宅飲みしないんだけど

 たまたまお酒あったから」

『飲もうかな』

「ん、はいどうぞ」

『ありがと』

「そこのソファー

 座って良いよ」

『うん』


広めのソファーに隣同士で座る。

『「乾杯」』

「2回目だね」

『そうだね』


『この景色みながら

 お酒飲めるって良いね』

「だね。

 あんま家では飲まないから

 久しぶりかも」


お酒が回ったのか

この状況に酔ったのか。

気がついたら体が動いて

朝陽くんにキスをしていた。


朝陽くんは驚いた顔をしていた。

お構いなしにもう一度キスをした。


「凛ちゃん?」


もう一度キスしようとした時

私の視界が天井を向いた。

朝陽くんに押し倒された。

『朝陽くん?』

「俺、女の子にリードされるの嫌いなんだけど」

朝陽くんからたくさんキスが降ってきた。

可愛らしい顔つきが男らしくなった。


「言ったよね?俺もう子供じゃないんだよ」


唇、耳、首筋と荒くも優しいキスが落とされる。


繊細に体をなぞられると

腰が宙に浮いてしまう。


「どうしたの?

 腰動いてるよ?」


「ここ、触られると気持ち良いの?」


「可愛い声もっと聞かせてよ」


「綺麗だよ」


「ちゃんと、俺の目見て」



低い声で甘い言葉を投げられ

脳が麻痺してしまいそうだった。


今までで一番気持ち良くて

何度も絶頂を迎えた。


「ねぇ。自分ばっかり

 気持ち良くなるのずるいよ?」


意識が遠のきそうな中

体を重ねた。


「教え子に抱かれるって

 どんな気分?」


そう聞かれてもわからない。

私は何に快楽をえているのか。

もう何も考えられなくなっていた。


『朝陽、、もう、、、限界。。』


朝陽が絶頂を迎えた時

私は意識を手放した。


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眩しい日差しで目が覚めた。

隣には天使のような寝顔で眠る

朝陽くんがいた。

夜の朝陽くんが嘘のようだった。

喉が乾いたのでベッドから抜け出そうとしたら

腕を掴まれてベッドに戻ってしまった。


「おはよ」

『おはよう』

「どこいくの?」

『喉渇いたから水飲みたい』

「ん」


水を飲みながら

窓の外を眺める。

朝の景色もまた綺麗だ。


「凛ちゃん」

『うおっ』

腰に手を回されてハグされた。

「なんで戻ってこないの」

『景色みてた』

「まだ寝るからベッド」

『ふふっ。わかった』

「なんで笑ったの」

寝起きは子供みたいに甘えてくる

彼が愛おしくてしかたなかった。

『やっぱり、子供だね』

「うるさい」

ヒョイっとお姫様抱っこされ

ベッドに寝かされた。


男の目つきに変わり

耳元で呟く。


「もう一回抱かれたいの?」

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