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お気に入りのお洋服、大丈夫ですか?いつの間にか、いたんでる服の話


メインのお直しのご依頼とは別に、
ご本人も気がつかなかった箇所が裂けそうになっていたのを見つけた時のお話です。



お気に入りのお洋服、いくつかありますよねぇ。


なぜお気に入りなのか、理由は様々かと思います。

①シルエットが好き
②色が好き
③デザインが好き
④着心地が好き
⑤人によく褒められる
⑥いい事が良くある


この中で、圧倒的に危険なのが④のパターンですね。


着心地がいいからつい着ちゃう。。。

めちゃくちゃヘビロテしちゃう。。。


特に、ボトムスは、座ったり歩いたり、座りっぱなしだったり。。と、動作による負荷がかなりあるので、

デザインによっていたむ箇所があります。

パンツなら

お尻まわり、太ももまわり、ウエストのボタンやカギホック、ポケット口、ファスナー止まり、ファスナーの“ムシ“と呼ばれるレール、裏地など。。。

スカートなら

後ろ中心線、脇線、ポケット口、ファスナー止まり、スリット止まり、ウエストのボタンやカギホック、裏地。。。


今回は、

スカートのスリット止まりのお話です。


ひざ丈のタイトスカート。後ろ中心の裾にスリットが開いているデザインです。

タイトスカートは、着丈の長さによって、足捌きと言われる歩き易さに、かなり影響が出ます。

短いほど脚も開きやすいので、もちろん歩き易くて良いのですが、

さすがに、ミニスカートは、カジュアルすぎてしまいます。

程よい丈感だと、

膝の真ん中か、膝下あたりになると思います。

そうすると、歩きにくいので、スリットを入れる必要があります。

スリットは、デザインによって、前、脇、後ろ、どこにでも入ってます。

歩き易さ向上のためのスリット(デザインのためということもあります)ですが、

足を開いた時のちからのポイントが、

スリット止まりに集中しているので、どうしてもそこに負荷がかかっていくので、破れやすいです。


そのため、強度の大小はあれど、

スリット止まりは、だいたい補強を考慮しつつ、表側や裏側になにかしらの工夫がしてあります。

(めちゃくちゃ低額商品だとしてないものもあり)

画像は、“カンヌキ“と呼ばれるものですが、止まり部分によく使われているミシンどめですね。

これも突破して破れるとは、ヘビロテなのか、スリット止まりの位置の問題か、いくつか考えられますが、

とにかくお修理ですね。

止まりの補強により被害が最小限になる
はずだった工夫の一つ


裏側は。。。?
と確認したら、案の定。


本体の中もきちんと補強して修理して
裏側に補強テープをいれて、完全防備笑
ハイブランドだったので、表のカンヌキはなしで。


表の雰囲気を壊さないように、かつしっかり補強を入れてあります。

これでしばらくは大丈夫かと思いますが、

服を長く愛用されたいようでしたら、


着るご本人が気をつけて着用するのが一番なので、いま一度確認を。

服に優しい生活を心がけていただくと、さらによきかなと思います。

あわてない、いそがない、ヘビロテしない、汚れがひどい状態で放置しない。。。このくらいでしょうか。


時々、表の布に対して似つかわしくない仕上げをしてある、

修理の再修理

が持ち込まれますが、こんな時は、

あ〜、これは服がかわいそうだなぁ。。
まだ駆け出しのお直し屋さんがやったのかなぁ。。。と懐かしく感じます。


今は、いろいろ経験してきたので、

いつしか本体が負けちゃうであろう補強布は、
なるべく選ばないように気をつけています。

布も、天然繊維、化学繊維、厚さ、しなやかさ。。。いろいろ個性があるので、相性というものがあります。


どのパターンにどれをチョイスするかも、お直し屋さん次第です。

服の修理に、どのお直し屋さんを選ぶかもお客さま次第。

人にも相性があるので、ご自分に合うお直し屋さんをいくつか見つけて、その時々のパターンでうまく利用されると良いのかなぁと思います。



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