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夏を前に小児科医が思うこと

0歳からの頭のかたちクリニックでヘルメット矯正治療に携わっております小児科医の草川です。現在木曜日の外来を担当しています。

私は、40年小児科医として働いてきました。
前職では、数多くのお母さん、お父さん、そして、そのお子さんたちと、元気な時も病気の時も、色々とお話をしてきました。
子どもさんの健康に関することはもちろん、保育園のこと、幼稚園や小学校受験のこと、親離れ、子離れのことなど、その時代時代で話題になったことがたくさんありました。
我々小児科医にとって、昭和、平成初期には、まだ、予防医学や医療体制がしっかりしていなかったことから、病気を治すことが一番の仕事でした。
それが、予防接種制度が確立し、救急医療制度も整備され、世の中全体の衛生管理もしっかりしてきたことから、子どもたちの健康状態は飛躍的に良くなってきました。
そうした中、小児科医の仕事も病気を治すだけではなく、子どもたちの生活をより良くするためにはどうしたら良いのか、健康を維持するためにはどうしたらら良いのかなど、予防医学、健康医学など幅広くなってきました。

さて、6月になり、じめじめした梅雨の季節がやってきます。そして、その後には、暑い暑い夏の季節が控えています。この頃になると、子どもたちはすぐにびっしょりと汗をかいて、お母さんたちは着替えに追われ大変になりますね。
ただ、汗をかくことは悪いことではありません。
お母さん方の中には、子どもの汗を極端に嫌がる方もいらっしゃいますが、これは、生理的な現象ですし、汗腺の発達の点からも重要ですので、ぜひ、汗をかかないようにクーラーの効いた部屋にこもる生活をするのではなく、できる範囲でいいですから、外で遊んだり、買い物に出かけたりと、温度変化の中、季節なりの汗をかく生活も心がけてください。
ただし、熱中症には要注意です。水分の補給も忘れずに、そして、もし、お子さんが火照って真っ赤な顔になっていたり、ちょっとボーっとしていたりしたら、すぐに涼しいところで体を冷やすようにしてください。ちょっと、大きなお子さんなら、公園の水道などで、頭から水をかぶってもいいかもしれません。大事なのは、まず、からだを冷やすことです。

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ヘルメット治療中のお子さんは、これからの季節は、冬に比べるとちょっと大変です。
やはり、ヘルメットをかぶっていると頭はより暑くなりますし、汗がしたたり落ちてくるかもしれません。
でも、そこであまり慌てないでください。本人がご機嫌であれば、慌ててヘルメットを外す必要はありません。そのまま少し様子を見ていても大丈夫です。汗はあとできれいに頭を洗ってあげれば問題ありません。しかし、一方、顔も火照り、機嫌が悪い、或いは、ボーっとしているようなら、まずは、一度ヘルメットを外して、風を通してあげてください。汗を拭いて、少し冷たいタオルなどで頭を拭いてあげるのもいいでしょう。
そして、落ち着いてから再装着を考えて下さい。
外出中でしたら、帰宅後に再装着でもいいかもしれません。治療も大事ですが、お子さんの健康はもっと大切です。そのあたりは、臨機応変に柔軟にお願いします。

夏の暑さを前に、体を冷やす時間を必ずつくること、水分補給を忘れないこと、など、準備をしっかりとして、暑さを嫌がるのではなく、ぜひ、暑さを楽しんでください。そして、お子さんのご機嫌具合をしっかりと観察して、気になったら早めに涼しいところへ避難することも忘れずに。

東京クリニック 顧問・医師  草川 功


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