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ボスコニアン【志は上でもギャラガの前座】

1981年にナムコから発表されたビデオゲームです。

名前だけは有名な作品なのですが、当時のゲームセンターでは大してヒットしませんでした。

美しいグラフィックときらびやかな音響、斬新なゲーム内容は現在に見ても素晴らしいものだと思います。

内容としては全方向任意スクロールのシューティング物となっていて、マップ内に設置された敵基地を全て破壊すると1面クリアとなります。

敵基地の位置が画面右横にあるレーダーに表示されているところは前年に発表された「ラリーX」から引き継がれたものです。

本作では更に敵の攻撃状況まで表示されるようになり、それを告げる音声合成によるボイスとともに緊張感を煽る役目を担っています。

ボスキャラクターなどが殆ど存在していなかった当時において、自機の6倍はあろうかと云う敵基地の大きさは衝撃的でした。周囲にある6基の砲台を全て破壊するか、シャッター付のコアに弾を撃ち込む事で破壊出来ると云うシステムも新鮮です。そうしてデザインが素晴らしいのが最大の特徴だと云えますね。

ただ全方向から弾を撃たれる事に慣れていなかったからか非常に難しいゲームに見えました。

舞台である宇宙空間は無限ループとなっています。これが為に広大なフィールドが作られてレーダーを確認しなければ索敵し難くなっています。この部分はシステムとして見れば良く考えられているのですが、初級者には取っ付き難い印象を与えていると思います。また背景が星空のみであるので指標となるものが見付けられないばかりか、自機を操作移動させている感覚が希薄にも思われます。

基地以外の敵キャラクターは個性に乏しくアルゴリズムも画一的だと云えますね。偵察機を逃し続けると強力な敵が出現するアイディアは面白いところです。

もうひとつ面白いところでは、ショットボタンを押すと自機の前と後ろから同時に弾が発射される事です。

これは全方向スクロールと云う都合上、どこから敵が現れるか分かり難いシステムに付けられた救済措置と云う意味でしょう。

しかし、どうせでしたら前方には3WAYショットが撃てて敵の出現数を増やして欲しかったと今では思えます。敵の密度が低いゲームなので破壊する爽快感がないのが致命的だったのではないでしょうか。

本作のすぐあとに登場した「ギャラガ」が爽快感の塊であっただけ特にそう思えてしまいます。

「早過ぎた名作」とはボスコニアンを語る際の常套句です。システムが斬新で当時のプレイヤーに理解されなかったと云う意味で使用されるのですが、実際を考えると「ギャラガ」より早く出たが為……とも取れなくはないでしょうか?

2005.04.06

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