クラシックの空耳 替え歌シンフォニー(3)演奏家・声のない叫び編
誰が言ったか知らないが
言われてみればたしかに聞こえる
(タモリ・空耳アワーより)
演奏者・鑑賞者(もしくは両方)プロ・アマチュア、老若男女、とわず、星の数ほどの耳に触れるオーケストラ音楽の数々。
この世界には、誰が言い出したかはわからない「オーケストラ音楽の替え歌」というのが、無数に存在する。
今回は、オーケストラ奏者が絶対に口には出さない、でも結構切実に思っている
演奏家・声のない叫び編
をご紹介したい。
1)練習不足
2)退団の危機
3)音が高すぎる
4)前向きに頑張る
5)疲れてうごけない
6)あんなに勉強したのに
7)落ちた。もう絶望的だ。
1)練習不足
人間、どうしても個人練習が足りずに、初日練習の日が来てしまうことがある。
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
交響曲第4番作品36 第一楽章
参考音源(24:05)
ルツェルン祝祭管弦楽団
リッカルド・シャイー
2019年、ルツェルン
[歌詞]
さらってなーいー
やるっきゃなーいー
できっこなーいー
さらってなーいー
やるっきゃなーいー
できっこなーいー
さらってなーいー
やるっきゃなーいー
できっこなーいー
さらってなーいー
やるっきゃなーいー
できっこなーいー**
2)退団の危機
ときには「自分はこのオーケストラに相応しくないんじゃないか」と思うかもしれない(主に練習不足で。)
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー
交響曲第6番「悲愴」 第一楽章
参考音源(05:22)
フランクフルト放送交響楽団
リオネル・ブランギエ
2013年、フランクフルト
[歌詞]
こんどばかりはだーーめーだーー
オケをやめなきゃだーめーだーー
3)音が高すぎる
どれだけ練習しても、いざ本番になると、高い音を外すかもしれない。諦めが肝心だ。
ルードヴィヒ・ファン・ベートーヴェン
交響曲第7番作品92 第四楽章
参考音源(34:37)
ロイヤルコンセルトヘボウ管弦楽団
2014年、アムステルダム
[歌詞]
こーーーーんな たっかいおっとっ
でーるわっきゃ ないないないない
4)前向きに頑張る
これから始まる長い長いフォルテ地獄にそなえて、気合いを入れる。
ルードヴィヒ・ファン・ベートーヴェン
交響曲第8番作品93 第一楽章
参考音源(冒頭)
ロッテルダムフィルハーモニー管弦楽団
ヤニック・ネゼ=セガン
2011年、ロッテルダム
[歌詞]
さーがんばるぞーーー
5)疲れてうごけない
長い長いフォルテ地獄に耐え抜いて、抜け殻状態。
ルードヴィヒ・ファン・ベートーヴェン
交響曲第8番作品93 第一楽章
参考音源(08:56)
ロッテルダムフィルハーモニー管弦楽団
ヤニック・ネゼ=セガン
2016年、ロッテルダム
[歌詞]
あーくたびれた
6)あんなに勉強したのに
どれだけ準備しても、どれだけ集中して数えても、実際にオーケストラで演奏すると「いまどこ?」となったりする。
グスタフ・マーラー
交響曲第一番「巨人」第三楽章
参考音源(23:20)
南西ドイツ放送交響楽団
クリストフ・エッシェンバッハ
2016年、シュトゥットガルト
[歌詞]
まーたーおちたー
まーたーおちたー
もーだめだーーー
もーだめだーーー
ほーーらまたおちたー
ほーーらまたおちたー
みーじーめー
みーじーめー
7)落ちた。もう絶望的だ。
何度もやってもわからない。もう知らない!
グスタフ・マーラー
交響曲第一番「巨人」第三楽章
参考音源(24:26)
南西ドイツ放送交響楽団
クリストフ・エッシェンバッハ
2016年、シュトゥットガルト
[歌詞]
まっったおっちったっ!
ぼーーーくっはどーなるのーー
はーーいれなくて
こまっったー
こまっったー
お、ち、たー
お楽しみいただけただろうか?
なお次回は、曲名や、作曲家の名前がそのまんま歌詞になっている名前のまんまやん編をお送りする。
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