シニア向けスマホ相談室のはじめかた
三鷹で「シニア向けスマホ相談室」をはじめて、もうすぐ1年になります。
立ち上げのきっかけは、介護・福祉の有償ボランティアのマッチングサービス「スケッター」。江東区で開催されている、シニア向けスマホ教室のお手伝いに行ったのが2021年5月のこと。
このお手伝いに行ったスマホ教室は、地域のコミュニティスペースでもある古民家で開催。70代~80代ぐらいのマダムたちが集まり、わいわいおしゃべり。
「スマホでワクチンを予約しろって言われても困っちゃう」
「娘には『やってあげるから』って言われたんだけど、自分でもやってみたくて途中までやってみたの」
「うまくできた?」
「それが、やっぱりわかんなくなっちゃって。娘に言ったら『余計なことしないで!』って怒られちゃったわよ」
「娘ってホント怒るわよね~~~」
なんて話で大盛り上がり。途中からはスマホそっちのけで、おしゃべりに夢中。いいなあ、この感じ!
ちょうどその頃、「なんとなく顔を知ってる、ゆるーいつながり」への関心が高まっていたこともあって、興味津々。フリーランス介護職として働くかたわら、地域活動としてギター教室の講師もしていた友人のまえさんに「すっごい面白かったよ!」と伝えたところ、「それ、三鷹でもやりません?」。ギター教室ほか、さまざまな「体験」を通じて地域のつながりを広げる活動をしてる団体「Findyou」さんにつなげてくれました。仕事早い!
そこからはトントン拍子。くだんの江東区スマホ教室の主催者である、介護みらいデザイナー・ミヤケさんにもアドバイスもらいながら、スマホ相談室を立ち上げることに。
このとき、ミヤケさんからもらったアドバイス。とくに心にのこってるのは「”店と客”の関係にならないようにしたほうがいい」
「自分たちがちゃんと”楽しい”かどうかも大事」
サービスする側・される側の関係性になると、やっていて苦しくなる。このシニア向けスマホ相談室は、地域活動のひとつとしてやってるので、参加費は1回500円。相談にのるサポーターはみんなボランティア。
それを「安くてちょうどいい」「携帯ショップの窓口よりすいている」サポートセンターとして受け止められると、やってるほうも苦しくなる。楽しい居場所がつくりたくて始めた活動のはずが、”義務”になってしまうと超つらい。
スマホをきっかけに、気軽に相談できるご近所づきあいができたら楽しい。だから、「教室」ではなく、「相談室」。「先生」ではなく、近所の人の好いおにいちゃん、おねえちゃん。
大事なことは何はともあれ、「教えすぎないこと」。
「メールの使い方がわからないのよねぇ……」と言ってる人が、メールの使い方を本当に知りたいとは限らない。「メールの使い方」と言ってはみたものの、知りたいのは「メールをあとから見返す方法」であって、「写真の添付のしかたは必要ない」こともある。
質問された側は、期待にこたえなくてはと張り切るし、緊張もする。つい、プラスαのことも答えたくなる。でも、たくさん伝えれば伝えるほど、相手の負担は大きくなる。楽しいどころか、居残り勉強みたいになっちゃう。
がんばって教えようとしない。
操作を覚えさせようとしない。
質問に答えられなくてもオッケー。
「何が起きてるんでしょうねえ」「どうすればいいんでしょうねえ」と言いながら、一緒に解決策を探してみる。
解決できなくてもオッケー。
ここは教室ではなく、相談室だから。
そんなスタンスで1年間やってきました。「教える側・教えられる側の二項対立にならない」は案外難しくもあったけれど、やっていくなかで試行錯誤し、少しずつ理想形に近づけてきた手ごたえがあります。
何より「スマホ」をきっかけに「元気なシニア世代」と知り合いになって、その生活ぶりや日々の想いについて聞けるのが面白い。
シニア世代の関心ごと、日々のちょっとした困りごとは、下の世代が想像しているものとはちょっと違う。そのギャップから学ばせてもらってもいます。
★みたかスマホ相談室では、いっしょにシニア世代のスマホのお困りごとを考えてくれるサポーターさん募集中です。毎月第三土曜日に定期開催。次回は9月17日(土)10時半~(サポーターは10時集合)です。サポーターやってみたいよーという方いらしたら、findyouの「体験申し込みフォーム」からご連絡いただけるとうれしいです!
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