頼むから生きててね

『頼むから生きててね』

そんなメッセージが一言、ケータイの通知画面に映された。

南海トラフと騒がれているが、
九州地方でも震度5強観測された日に、
県外の友人から連絡がきた。

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『不安で眠れなくて、毎日しんどい。』

年齢も場所も離れている兄からそんな電話があった。

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『その日まで生きてなかったらごめんなさい、』

多分、いや鬱になった関西にいる知り合いに
9月に遊びに行きますねと言った私に、そんな返信がきた。

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『後で電話しようね』

そう連絡をしてから、もうすぐで2週間になるが、既読もつかない後輩がいる。

頼むから生きててね、
頼むから、
生きててね。

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分かるんだ。
そういう気持ちになったことがあるからさ。

時の流れに乗れない自分と、
分かってるのに何もできない自分と
段々とそんな自分は価値がないと思う自分と
消えてしまいたいと思う心。

消えてしまいたいけど
消えてしまったらダメなことも、
分かっているでしょ？
でも、じゃあ、
どうしたら、この暗闇から抜け出せるんだろうと、途方もなくなるんだよね。

消えたい気持ちは
逃げたい、隠れたい、誰も自分を知らない
世界で生きたい、という気持ちにもなって
誰とも連絡したくなくなって。
SNSを、消した。

消していいよ。
傷つけていいよ。
心配かけていいよ。

頼むから、生きててね。

それだけ約束できたら、何してもいいよ。
どっちにしろ、無理やり様子見に行くからさ。

頼むから、あとちょっとだけ。
頑張って、生きててね。