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YouTuberがテレビの芸能人に100%勝つ理由

テレビの芸能人とYouTubeの配信者が争っているのをよく見ます。
もちろんそれぞれの面白さや魅力があると思いますが、これから先、どちらが勝つと思いますか?

私は、テレビの芸能人とYouTuberには明らかに違いがあり、結論を言うと「絶対にYouTuberが勝つ」と思います。

今回はその根拠を説明します。


① テレビの芸能人
集団(少数)の演者から、集団(多数)の視聴者へ情報を伝える

② YouTuber(ネット配信者)
個人(か少数)の配信者から、個人の視聴者へ情報を伝える


テレビの芸能人


古代の政治、神事、祭り、演劇などから分かるように、少数の能力の高い集団が多数の普通の人々を従えるのは社会の自然な形です。
彼らは集団の上に立ち、大きな声や音や動きで呼びかけ、従わせました。

今のテレビで活躍する人気バラエティMCはすべてそういった昔から脈々と受け継がれてきた技術を持つ、自身の主張を広く伝え何も知らない多くの人にそれを納得させる話術や演出に長けた人です。

過去の人気TVショーはパターンが決まっていて、「派手なオープニング」「MCやゲストの目を引く格好や動き」「番組固有の独特なフレーズ」で始まり、最初はふざけたおかしな演出等で視聴者を楽しませ、親近感が増した後半にMCがそれまでの勝負や議論等に対する「断定的な結論」を「劇的な演出」の元で言い放ち、視聴者を納得させて終わります。

それができる人が名司会者、人気MCになれました。
今のテレビで活躍する芸能人も、見せ方は変われど今でもその役割を演じています。


YouTuber(ネット配信者)


近代以降の個人主義の時代になると、上の人に盲目的に従っていた多くの民衆が自分の意見というものを持っていいんだと気づき始めました。

そして20世紀以降のメディアは常に、そういった個人の自由と権利を求める人々の欲求に合わせて進化してきました。

・写真の発明により絵画以外の方法で視覚情報の再現ができるようになった
・映画の発明によりその時その場でしか見られない映像が誰でも追体験できるようになった
・録音技術により音楽や会話が再現できるようになり、さらにラジオはそれを別の場所で聴くことを可能にした、ビデオとテレビも同様
・コンピューターとネットにより一方向の電波ではなく双方向での情報伝達が可能となり、データを各個人が所有・共有できるようになった


特に1990年代のIT革命以降個人が情報をいくらでも持てるようになり、情報を受け身で浴びる「無知な視聴者」という存在がなくなっていきました。

それにより、テレビの人気バラエティMCが嘘や誇張も交えながら面白おかしく断言し多くの人々の共感を得るという方法論は、それに対抗する無数の個人の自由な発言によって常に批判されるようになりました。

今人気のMCのうち嘘や大げさな話が多い大ベテラン、スキャンダルやパワハラの噂が多い大物、お膳立てされてようやくこなせている実力不足の人は、今後はネットの攻撃に耐えられないと思います。

YouTuberなどのネット配信者は、対等な個人に情報を伝えひとりずつ共感を得ています。
視聴者各個人が自由意志で支持し登録しているので簡単に離反されることがありません。

今後も個人同士でつながっている配信者と支持者の絆は残りますが、そうではないテレビの芸能人への集団心理的な支持は薄らいでいくでしょう。
才能のある個人が人気を得たとしても、それがマスメディアによって何倍にも増幅されることはなくなります。


結論


テレビは少数の芸能人や制作者等の有能な集団が多数の無知な集団に対し支配的にふるまい人気を得る仕組みでした。

しかしITの普及によってもうそんな無知な人々は減り、演者と視聴者が対等な個人として信頼し合う形でないと多くの人々の人気や支持を得るのは難しくなっています。

そしてこの変化は今後、エンタメから教育、政治、企業活動といった分野に波及し、少数の有能な支配者が無知な人々を強制的に従えてきた仕組みが、対等な個人同士の関係に徐々に変わっていくでしょう。

テレビの芸能人からYouTuberへのシフトはそれらの先行指標です。


以上で今回の説明を終わります。
みなさんはどのようにお考えでしょうか?




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